廃止目前 鹿島鉄道を訪ねて
春は出会いと別れの季節。人間界だけではなく、鉄道業界も全く同じ事が言える。
別れの3月。2つの鉄道が今月一杯で廃線となる。一つは宮城県のくりはら田園鉄道。そして、もう一つが茨城県の鹿島鉄道だ。いずれも私自身、これまでに乗車した事が一度も無い。くりはら田園鉄道にも行きたかったのだが、スケジュールや体調面を考慮すると、少々不安がある。では、もう一箇所である鹿島鉄道はどうだろう。ここならば、充分に日帰りが可能。昼過ぎに現地に着けば、それなりに楽しむ事ができる。
廃止を目前に控えた3月21日。私は、日暮里から常磐線の普通列車に乗り込み、鹿島鉄道の起点である石岡を目指した。石岡に到着したのは、昼過ぎの事。駅構内の立ち食いそば屋で昼食を摂ってから、最初で最後の鹿島鉄道撮影記を始める事にした。
まずは乗る前に石岡駅の歩道橋へ。この上から、石岡機関区及び石岡駅ホームが一望できる。昼過ぎなので、構内に停められている車両の数は少ないが、機関区が良い雰囲気なので、撮影してみた。
廃止まであと僅か。最初で最後となる鹿島鉄道訪問を実行した。まずは乗車前に歩道橋上から石岡機関区を撮影。
撮影後、駅構内へ入り、鹿島鉄道ホームへと向かう。ちょうど鉾田行きが出たばかりなので、次の列車は途中の常陸小川止まり。とりあえず、一日乗車券を購入して、行けるところまで行く事にした。
10分ほど待って、KR-500形2両編成の列車がやって来たが、これは入庫してしまうと言う。そして更に5分ほどして、機関区からKR-500形の単行が入線。この車両が常陸小川行きとなる。乗車すると、すぐに発車。単線の線路をノンビリと走り出した。途中どこかで気に入った景色があれば、気軽に下車して、そこで撮影しようと思いながら観察していると、終点の常陸小川に到着してしまった。とりあえず下車すると、鉾田からの列車がまもなく到着すると言うので、上りホームへと移り、構内踏切付近から撮影する事にした。
常陸小川まで乗車したKR-502。
鉾田からやって来たのは、キハ432+キハ431の2両編成。
キハ431とKR-502が並ぶ。
常陸小川駅構内での撮影は手短に終わらせて、私は改札を出た。ここから少々石岡方向へ歩き出す。目指すは、先ほどの列車内で見かけたところ。常陸小川駅からも近いところに、良い感じの所を見つけたのだった。駅から歩いておよそ15分ほど。人気スポットらしく、結構ファンの数もあったが、まだまだ余裕で撮れる感じだった。この場所で暫く撮影する事に。
キハ431+キハ432の鉾田行き。
う~ん、このデザインは良い。昔走っていた東武熊谷線の車両を思い出してしまう。
先程の石岡行きワンマン列車も、折り返して常陸小川へ。
そして、暫くすると、また流線型の気動車がやってきたが、先程とはちょっと異なる内容であった。
次の石岡行きは、夕張鉄道からやって来たキハ714が先頭の2両編成。
夕張鉄道からやって来たキハ714は、独特な形からファンに人気がある。キハ431とは少々異なるデザインだが、ファンとしては、どちらも甲乙付け難い車両だ。
私は、この後、常陸小川駅へ。再び列車に乗り込み、鉾田へ向かおうとしたのだが・・・
キハ602+キハ714の鉾田行きが常陸小川駅に到着。
常陸小川駅を発車する鉾田行きを後追い撮影。
この列車に乗ろうとしていたのだが、上りホームから撮影していたため、乗車できなくなってしまった。仕方ない。次の列車まで時間があるので、暇つぶしに、一旦上り列車に乗って、一駅先の四箇村へ。ここで、後続の鉾田行きを待った。
四箇村に進入するKR-501の鉾田行き。
やって来た鉾田行きは、またしてもKR-500形。とりあえず、車内の空席を見つけて腰を下ろす。常陸小川を過ぎると、だんだんと霞ヶ浦が近付いてきた。暫くの間は、ノンビリと霞ヶ浦を眺めながら進む。車内から見えた霞ヶ浦はとても綺麗だった。こんな光景がもうまもなく見られなくなるのは、一鉄道ファンとしては、とても残念である。
終点の鉾田駅では、物凄い数の人が列車の到着を待っていた。
鉾田駅に到着。
とりあえず、一度改札口を出るが、既に時刻は16時。再び入場し、乗ってきたKR-501に乗り込んで、石岡方面を目指した。
そろそろ撤収時刻。ところがやって来た列車は1両編成とあれば、もう車内は大変な事になるのはお解かりの事だろう。車内は物凄い混雑で、遅れが増してくる。流石に我慢できなくなり、常陸小川で下車。ここで始発列車に乗り換えて、石岡に到着したのは、17時を過ぎていた。
最後に石岡駅で数枚撮影する。
運用を終えて入庫したキハ431+キハ432。
石岡駅全体を歩道橋から撮影。
運用を終えて、石岡機関区に集まる旧型車両たち。
この撮影を以って、最初で最後となる鹿島鉄道の撮影&乗車を終了。石岡駅からは、上野まで常磐線のグリーン車に試乗した。予想通り空いており、ビールが効いたのか、疲れが出たのか、土浦から先はぐっすりと眠ってしまった。
取材から一週間が経ち、いよいよ廃線まで残り3日となった。83年間の歴史をまもなく閉じようとしている鹿島鉄道。最後まで無事故で走り通して有終の美を飾ってもらいたいものである。
鹿島鉄道では、公式サイト上でも触れているように、構内の撮影を禁止していますが、鹿島鉄道の各駅に掲示してある文書を読みますと、禁止しているのは、石岡機関区の構内に無断で入って撮影することで、駅ホームでの撮影に関しては、安全な場所から、列車の進入を妨げず、フラッシュを使用しないと言う条件さえ守れば、撮影は可能となっていました。弊ブログで使用した画像は、この方針に従って撮影しております。
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コメント
はじめまして。railforumでは時々発言させていただいております。
私も今日、鹿島鉄道を訪問してきました。桜満開とは行きませんでしたけれど、天気が良くて良かったです。私は水戸から新鉾田に出てから鉾田に向かったので、そんなに人は多くありませんでしたけれど、石岡から来る人は多かったですね。
ダイヤも遅れ気味でした。ただ一つ残念なのは、マナーを守れない人たちが多々いたこと。踏切から路線内に入って写真をとっていたり(再三にわたって、運転士が警報をならしているのにですよ)、駆け込み乗車とか・・・。明日は最終日だけあって節度を守ってもらいたいものですね。
投稿: tikahiro | 2007/03/30 20:32
tikahiroさん、コメント有難うございます。
鹿島鉄道は、どうしても石岡が起点というイメージがありますから、東京から行く場合には、常磐線でと言う方が多いと思いますが、なるほど、確かに鹿島臨海鉄道を利用して新鉾田からと言う入り方もありますね。
私が訪れた21日も、常陸小川駅で構内踏切を直前横断したり、石岡機関区内に勝手に入り込む人もいたりと、マナーを守れない人は目に付きましたね。こう言う行為は絶対にしてもらいたくないものです。
投稿: TOMO | 2007/04/01 08:20
こんばんは。当日は失礼しました(笑)。
今回は別の用事の方がメインでしたので、時間が余れば顔を出そうという程度に留めておりました。しかし、最後の最後で旧夕張鉄道のキハ714系に乗れたりと満足のいくお名残乗車となりました。
廃止されて数日が経ちますが、まだ廃止されたという実感が湧かないのが現状ですね。でも、時が経つにつれて忘れていくことになるんでしょうけど、これもいたし方のないところでしょうか。
投稿: mattoh | 2007/04/04 21:59
mattohさん、コメント及びトラックバック有難うございます。また、当日はお世話になりました。
鹿島鉄道が廃止されてから、早いもので5日が経とうとしていますね。私もまだ廃止されたと言う実感が涌いていません。おそらく最終日の模様を見ていないからと言う事もあるのかもしれませんね。でも、いずれは線路が撤去されたり、残っている車両の処遇がはっきりしてくると、初めて実感が涌くようになるのかもしれません。
投稿: TOMO | 2007/04/05 23:03