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まもなく見納め タイ国鉄仕様のC56を撮影

8月14日のお話。

SL列車で有名な静岡県の大井川鐵道。同社は、C10・C11・C12(日本ナショナルトラスト所有)・C56と複数の蒸気機関車を所有し、金谷~千頭間で毎日SL列車を運行している。このうち、C56は、太平洋戦争開戦と同時に戦時輸送のため隊に送り込まれた44号機で、1979年に帰国後、大井川鐵道で運用されてきた。帰国当初は、タイ国鉄仕様のまま使用されたものの、後に日本国鉄仕様に戻された。しかし、2007年、日本とタイの修好120周年を記念して、再びタイ国鉄仕様に戻されて、運用に就いていたが、今年9月に、同機が全般検査を受ける事に伴い、日本国鉄仕様に戻される事が、大井川鐵道の公式サイトで発表された。その事を知った、裏辺研究所の裏辺所長が、8月5日に急きょ、大井川鐵道へと向かい、タイ国鉄仕様のC56を撮影。当初は、何気なく見つめていた記事だったが、見納めになるのであれば、一度ぐらい見ておきたいという気分になり、私も急きょ、大井川鐵道へと向かう事にしたのである。まあ、この日は臨時列車を含めて、SL急行が3往復あると言うのも、現地入りの決め手となった。

当日、私は、品川駅から東海道新幹線で、まずは静岡へ。静岡停車の「ひかり」を選択した事もあって、静岡まではいたって順調だった。静岡からは、東海道本線の普通列車で金谷へ。この時点で朝9時。何とも早い到着である。まずは大井川鐵道の金谷駅で、千頭までの往復乗車が可能な1日乗車券を購入。そして普通列車に乗り込む。停車していたのは、元京阪特急に使用されていた3000系であった。座席はほぼ埋まっていたが、何とか空席を見つける。数ある大井川鐵道大井川本線の撮影ポイントの中から、私が選んだのは、青部~崎平間の第二大井川橋梁。やはり河原での撮影は、何となく待っている間も涼しそうだし、それにキャパも多いから、多少人が多くても大丈夫だろうと言う判断からであった。崎平駅で下車。青部方向に5分ほど歩き辿り着いた河原には、先客が、まだ3人ほどと言う状況だった。しかも、先に待機していた同業者の方は、地元のおじ様と談笑中。何とものんびりとしたムードだ。私もご挨拶をして、その近くで撮影準備をさせていただく事に。

この時点でSL急行通過まで約40分はある。お天気がやや心配されていたものの、多少風が強い程度で、雨は何とか降られずに済むかな?と言う状況であった。SLを待つ間、普通列車で練習したり、先客の方達と、風による煙の流れ方等を打ち合わせして暇を潰す。

そして、いよいよSL急行の通過時刻が迫って来た。遠くから聞こえてくるSLの汽笛。そして、だんだんとその音が近付いて来る。SLの撮影は、この瞬間訪れる緊張感が良い。少しずつ近づいて来る音を聞きながら撮影モードに突入する。

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第二大井川橋梁を行く、タイ国鉄仕様のC56 44号機。

時折ではあるが強い風が吹いていた第二大井川橋梁付近。風向きによっては、煙が待機していた側に流されてしまう為、ちょっと心配ではあったが、通過直前には風も収まり、良い感じで撮る事が出来た。

この後も、SL急行が更に2本ある。引き続き、この第二大井川橋梁付近に留まって撮影を続ける事にした。その間、1本目のSL急行を他の場所で撮って来た撮影者達が、2本目のSL急行までの間に、この場所へ先回りして来ると言う方が続々と増え始め、この場所も少しにぎやかになって来た。とは言うものの、まだまだ場所に余裕があり、のんびりと構える事が出来た。

C56 44号機牽引のSL急行通過から約1時間後の事。2本目のSL急行が、第二大井川橋梁に差し掛かった。

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緑色のプレートを付けたC11 190号機牽引による2本目のSL急行。

やや見難いかもしれないが、2本目のSL急行を牽引してきたのは、緑色のナンバープレートを付けたC11 190号機だった。この車両は、2001年まで八代市在住の個人の方が所有していたもので、大井川鐵道に入線後、大規模改修の上、2003年より営業運転に投入された。大井川鐵道の数あるSLの中では、まだ新入りの部類に入る車両である。

また、この列車で注目していただきたいのが、C11の後ろに連なる青いスハフ43である。この車両は、財団法人日本ナショナルトラストが所有し、大井川鐵道に管理を委託している。大井川鐵道には、同じく日本ナショナルトラスト所有の車両として、C12 164号機、オハニ36 11があるが、このうち、C12に関しては、ATS取り付け費用が捻出できず、2005年4月から運転休止中となっているが、スハフ43に関しては、このようにSL急行に連結される機会もあるようだ。

この後、3本目のSL急行を撮影する事になるが、3本目は、ちょっと場所を変えてみた。と言っても、この第二大井川橋梁と崎平駅の中間地点にある踏切からである。この頃になって、急に雨が降って来た。この後の撮影に支障が出るのではないかと心配になったが、雨は通過直前に上がってくれたので、撮影には影響が出なかった。

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C11 227号機牽引による3本目のSL急行。

茶畑の中を走るSL急行。これも大井川鐵道らしい光景である。3本目のSL急行を牽引してきたC11 227号機は、1975年に北海道で現役を引退した後、翌1976年に大井川鐵道入りし、現在まで34年間走り続けている大井川鐵道のSLの中では、最年長の車両である。

そして、この場所では、SL急行の捕機として連結している電気機関車も後追いで撮影する事が出来る。3本目のSL急行の捕機を務めていたのは、この車両だった。

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3本目のSL急行の捕機を務めたED501(いぶき501)。

捕機として連結されていたのはED501。「いぶき501」と言った方がお解りの方も多いかと思う。この車両は、東海道本線の近江長岡駅から分岐していた、大阪窯業セメント(現:住友大阪セメント)の伊吹工場専用線で使用されていた車両で、1999年に大井川鐵道入りした。その後、中部国際空港の埋立土砂輸送の為に、三岐鉄道入りするも、この501号車だけは、再び大井川鐵道へと戻ってきた。

この撮影を以て下りのSL急行の撮影は終了。引き続き上りSL急行の撮影へと移るのだが、実は、千頭駅構内にどうしても見ておきたい車両があった。その為、千頭へと向かう事になるのだが、崎平から千頭へ向かうと、折り返し1本目のSL急行を、まともに撮る事が出来なくなる。しかし、千頭駅構内に留置中の車両も気になるし・・・と言う事で、千頭へ向かう事に。下りの千頭行きで千頭駅に到着すると、まだ1本目の上りSL急行は停車していた。しかも、一番外側のホームから出発と言う事で、道路から撮影が可能だった。私は急いで改札を出場して、線路沿いの歩道へと向かう。

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千頭駅に停車中のスハフ43。

日本ナショナルトラスト所有のスハフ43を、間近に撮る事が出来た。そして、更に前へと進み、牽引を担当するC11 190号機を撮影する事に。何とか出発する瞬間に間に合った。

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千頭駅を出発する1本目の上りSL急行。

どうにか1本目のSL急行の出発シーンを撮る事が出来た。撮影後、ふと左側に目を向けてみると、目の前には、折り返し運転の為に整備中のC56 44号機を見る事が出来た。今度は、こちらも撮影してみる事に。

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タイ国鉄仕様のC56 44号機を真横から。

やや障害物があるものの、真横から撮る事で、塗装の違いなども解るように撮る事が出来た。

この後、構内に留置中の車両を急いで撮影した後、上りの普通列車で、SL急行より先回りをする事に。元近鉄特急車である16000系の普通列車に乗り込むと、ゲリラ豪雨が襲ってきた。これでは撮影どころではない。とりあえず、上り列車の車内で様子を見ながら撮影地を選ぶ事に。地名駅付近まで来た時点で、雨も上がって来た。この先で撮影できる場所は無いか、色々と調べてみると、抜里~家山間のポイントで上手く撮れそうと言う事が解った。そこで、抜里駅で下車する事に。幸いにも雨は上がっていた。急いで、撮影ポイントへと向かう。およそ5分ほど歩くと、撮影地が見えてきたが、先程の第二大井川橋梁で撮影されていた方とここで再会。一緒に、撮影する事に。準備をしていると、すぐに2本目のSL急行が迫って来た。

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C56 44号機が牽引する2本目のSL急行。

転車台が千頭駅構内にしかない為、通常は、下りSL急行は前向きに、上りSL急行は御覧のようにバック運転となるのが基本的なパターン。このようにバック運転が撮れるのも、大井川鐵道の魅力である。

そして、この場所では後追いで捕機も撮影してみる。C56 44号機とコンビを組む補機は・・・

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捕機を務めるE101。

この列車の捕機を務めていたのは、大井川鐵道自社発注車であるE101と言う電気機関車であった。1949年製で、結構古い車両である。

この後、3本目のSL急行もこの場所で撮影する事に。同じ場所で待機して列車を待ったのだが・・・

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C11 227号機が牽引する3本目のSL急行。

ここで疲れが出てきてしまったのか?ピント合わせに失敗してしまったようだ。

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後追いで捕機を撮影するが煙だらけ。

最後のSL急行だけは、やや消化不良のまま終了してしまった。この後、撤収作業をして抜里駅へ移動。上りの普通列車到着まで味わいのある駅舎内で過ごし、元近鉄南大阪線の特急車である16000系に乗って、金谷へと戻った。

タイ国鉄仕様となっているC56 44号機は、本日8月28日が、タイ国鉄仕様での最終運行となっている。日本国鉄仕様になったら、また撮影に行ってみようと思う。

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コメント

沼袋の踏み切り小屋で生まれ、西武線沿線から離れずに50年間過ごして、9年前に山形の天童に引越ししたものの、西武
池袋線の練馬高野台から石神井公園の高架化工事がどうなったのか気になっています。線路配置が判る様な画像と
報告記事を期待しています。
400系つばさが消えてE3系つばさだけになってしまった奥羽
本線・・・ 板谷越えは700系普通列車に限ります。かなり迫力がありますよ

投稿: 長島治房 59才 | 2010/08/28 20:42

国鉄仕様に復元すると言う事は、運転室屋根も復元するのでしょうか?現在のC56-44は運転室屋根が平たくなっておりますが、陸軍に徴用された時に「対空機関銃を装備出来るように」と改造されたからなんです。

投稿: 岩崎友裕 | 2010/08/28 21:08

大井川鉄道井。昔から行きたいと思いながら保存鉄道のイメージが強く足が遠のきがち。とは言え今となっては希少物。何かの機会に行きたいものです。スハフ43も魅力。特急はつかりと言われてもピンと来ませんが、晩年、四国でDF50に牽かれてた雑客の中にまぎれていたのは撮影。直角の座席とは違い、シートに感激したものです。ナショナルトラストに感謝です。

投稿: わるわる | 2010/08/30 23:00

皆さん、コメントありがとうございます。また、コメント返しが遅くなりまして申し訳ございません。

>長島治房 59才さん
西武沿線で50年間過ごされ、現在は山形在住でらっしゃいますか。となると、山形在住の今でも、西武沿線への思い入れは強いですよね。リクエストを頂きました池袋線の石神井公園付近、私自身、萩山在住な物ですから、普段から池袋線を利用する機会が少ないため、なかなか石神井公園付近の撮影ができません。他の西武系ブログと比べると、弊ブログは、池袋線のネタが少なめとなっている筈ですが、変化の多い路線ですので、出来れば、リクエストにお応えできるよう頑張りたいと思います。今後とも、弊ブログを宜しくお願いします。

>岩崎友裕さん
C56 44号機が、前回入場時のタイ国鉄仕様への改造の際に、どのような改造をしたのか、記憶がないのですが、もし、運転室の屋根をタイ国鉄仕様にする為に手を加えたのであれば、今回の入場時で元に戻される事は充分に考えられますね。

>わるわるさん
スハフ43、晩年は四国で使用されていたという記憶は、私の頭の片隅にあります。晩年まで座席は転換クロスシート仕様だったと思いますので、車内だけは、最後まで「はつかり」で運用された当時のままだったと言う事ですね。今後も、大井川鐵道での末長い活躍に期待したいです。

投稿: TOMO | 2010/09/06 20:41

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