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「ありがとう123系ぐるっと善知鳥・塩嶺号」を撮影

春は出会いと別れの季節。今年も3月16日のダイヤ改正を機に、誕生するものの裏で、ひっそりと引退するものがある。

東京から信州を経て名古屋までを結ぶ中央本線。塩尻を境に、中央東線・中央西線と呼ぶ事も有るが、このうち中央東線部分の岡谷~塩尻間は、飯田線が分岐する辰野を経由するルートの方が、かつては本線となっていた。伊那谷出身の大物政治家により、このルートとなった事から、政治家の名前を取って「大八周り」と呼ばれているが、1983年に塩嶺トンネルが開通した事により、岡谷~塩尻間は大幅に短縮され、辰野経由の「大八周り」は、一気に支線扱いとなってしまった。このうち、岡谷~辰野間は飯田線からの直通列車が主体となり、JR東日本のエリアでありながら、JR東海の路線のような雰囲気さえ感じられる。一方の、辰野~塩尻間については、1987年11月に実施された、国鉄最後のダイヤ改正より、荷物電車クモニ143を旅客車化した123系電車による単行列車での運転となった。荷物車から旅客車への華麗なる転身。これは、かつて身延線で運用されていた123系電車と同じである。しかし、辰野支線用に改造された123系は、たった1両で、検査等で運用に就けない時は115系が代走していた。

旅客車として生まれ変わってから、これまで26年。「ミニエコー」の愛称で親しまれ、辰野と塩尻の間を行ったり来たりしていた123系も、ついに、3月16日のダイヤ改正で、大糸線で運用されているE127系に置き換えられる事になった。これまで、123系は、一度だけ乗車したことはあるが、最後にもう一回、撮影と乗車をしておきたいと思い、やや仕事が一段落した3月9日、久々の土曜日休みを利用して、辰野支線の123系を訪ねることにした。

当日、立川駅を9時00分に発車する「あずさ7号」で出発する。辰野支線は、列車の本数が少なく、計画的に動かないと、撮影と乗車を両立することができない。とりあえず、この列車で岡谷まで行き、そこから普通列車で、塩嶺ルート唯一の中間駅である、みどり湖で下車。辰野支線の東塩尻信号場跡まで徒歩で移動し、123系を撮影。その後、塩尻へ出て、辰野まで1往復乗車するという計画だった。

しかし、立川を出発した後、車内でツイッターを活用し、123系の状況を確認すると、なんと、今日は定期運用から外れ、臨時列車としての運転とのこと。地元紙には載っていたらしいが、そんな事、全く把握していなかった。下手をしたら、乗れないどころか撮影もできないという状況に陥るため、どうしても気持ちが焦ってしまう。スマホで地元紙のサイトを探すが、123系の臨時列車の記事は、探し方が悪いのか引っかからない。ようやく、ぴたのりダイヤ情報で、臨時列車の運転情報を見つけたときは、ホッとした。幸いなことに、臨時列車のダイヤも、みどり湖で待っていれば、30分ほどでやって来る事も分かったのだが、更に、辰野支線で倒木により、列車が運転を見合わせているという情報をキャッチ。123系の臨時列車は運転するが、いつ来るか解らないとのこと。もしかしたら、塩尻まで行けば、まだ123系が出ていないんじゃないかという思いもあったが、結局は、みどり湖駅で待機することにした。

みどり湖駅。岡谷~塩尻間の新線に唯一設けられた駅で、開業当初より無人駅となっている。掘割区間に設けられており、上りホーム・下りホーム共に、階段を上がると直接道路に出られるという構造になっている。今回は、一度、道路に出て、上りホームへと移動。ホームの東京方に陣取って、塩嶺トンネルから出てくる123系を狙う事にした。ホーム上には、同じ事を考えていると思われる先客の方が5名ほど待機しており、邪魔にならないよう、先客の皆様の背後よりカメラを構える事に。この日は、長野県内でも暖かく、ホームで待機するには、ちょうど良い陽気ではあるが、なかなか列車はやって来ない。その間も、塩尻駅で撮影してきた方などが合流し、お話を聞いて見ると、約1時間半遅れで運転しているとの事。そして、13時08分頃のこと。ようやく123系がやって来た。

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塩嶺トンネルを抜け、塩尻へと向かう「ありがとう123系ぐるっと善知鳥号」

ようやくやって来た123系。塩嶺トンネルを抜けてくると言うこのアングルでは、長編成の方が見栄えも良くなるのだが、通常は123系が通らない場所だけに、ここは、あえて塩嶺トンネルを目立たせるように撮影してみた。

それにしても、この123系、かなりのスピードで運転しており、後追いの撮影は出来なかった。

この後、123系は、塩尻駅より「ありがとう123系ぐるっと塩嶺号」として折り返してくる。時間的に、みどり湖駅以外の撮影ポイントへ向かうだけの時間は無い事から、今度は下りホームから撮影する事に。123系が通常通らないみどり湖駅で撮影すると言う事で、今度は、みどり湖駅の駅名標を入れて撮影する事にした。

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みどり湖駅を通過する「ありがとう123系ぐるっと塩嶺号」

先程と同様、かなりのスピードでやって来た123系。みどり湖駅の駅名標を入れて撮るのは、想像以上に厳しく、どうにか撮れたと言う感じだった。

さて、123系は、この後、岡谷から旧線(辰野支線)を経由して塩尻へと向かう。そこで、みどり湖駅から、辰野支線の東塩尻信号場跡を目指して、徒歩で移動する事にした。頼りになるのは、スマホの地図。直線距離にして、1キロちょっとの筈で、道に迷わなければ、およそ20分ほどで辿り着ける筈。方角は合っていると思ったのだが、途中で微妙に道を間違えたらしく、思うように進めない。間違いに気付き、途中で引き返すが、1時間半以上遅れている123系が、いつ来るかわからない状況だっただけに、気持ちがどんどん焦ってしまう。そして、ようやく、東塩尻信号場跡へ通じる、心臓破りの坂道を見つけ登って行く。坂を上り終えたとき、その先には、10名ほどの撮り鉄さん達が待機している姿を見て、間に合った事が解り、ホッとする。

東塩尻信号場。ここは、みどり湖経由の新線が開業するまでは、現役の信号場であり、また、普通列車のみではあるが、旅客扱いもしていた。ただし、乗降用のホームは、スイッチバック式の着発線に設けられたが、仮乗降場扱いだった事から、ホームは1両分ほどしかない。しかし、電車のドアは全て開いてしまう事から、ホームのない場所でもドアが開いていると言う奇妙な写真を、子供のころに見た事があったのだが、実際に、この地を訪れて、その構造がようやく理解出来た。

そんな東塩尻信号場を観察していると、背後より115系の辰野行きがやって来た。どうやら、この列車がお隣の小野駅で、123系と交換する模様。そして、115系の通過から、およそ10分後のこと。123系が東塩尻信号場跡にやって来た。

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東塩尻信号場跡を行く「ありがとう123系ぐるっと塩嶺号」

先程のみどり湖駅の通過時とは異なり、ゆっくりとした速度でやって来た123系。流石に、こんな速度でやって来れば、後追いするだけの余裕もある。

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今度は振り向いて後追いも。

これで、123系の撮影は終了となるが、せっかく来た東塩尻信号場跡。もう少し、信号場の跡を観察した後、辰野から戻ってくる115系の普通列車を撮影してみた。

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辰野支線を行く2両編成の115系。

この2両編成の115系は、これまでにも、123系が検査等で運用に就けない時には、辰野支線の運用に就いていたが、3月16日のダイヤ改正を機に、しなの鉄道線へ転用されることになり、辰野支線を走る姿は、見納めとなりそう。既に、この編成も、ワンマン運転用の車外スピーカーが付いているのが、ここからでも確認する事が出来る。

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後追い。

そして、この115系の塩尻行きも、後追いを撮影してみた。画面右端には、信号場が現役時に使われていたと思われる詰所らしき建物が写っている。

この撮影を以て、東塩尻信号場跡から撤収。再び、みどり湖駅まで歩き、同駅より下り普通列車で松本へ。駅ビル1階の蕎麦店で、遅い昼食を摂った後、123系電車が入庫した松本車両センターへ行ってみる事にした。駅から、歩くことおよそ5分。松本車両センターの正門付近へ行くと、運用を終えた123系がE351系と並んで留置されているのが見えた。

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E351系と並んで、松本車両センター内に留置されていた123系。

臨時運用を終えて、車両センターに戻って来た123系。よく見ると、臨時運用時に掲出されていたヘッドマークが外され、通常の「ミニエコー」のヘッドマークになっていた。

この後も、暫く車両センターの正門付近で様子を見ていると、職員さんが帰宅するのか、構内に停められていた乗用車が少しずつ姿を消して、やや強引ではあるが、こんな並びを撮る事が出来た。

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123系とクモヤ143-52との並び。

123系とクモヤ143-52。共に、生まれた時は、荷物電車のクモニ143だった。国鉄末期、荷物列車の廃止に伴い、旅客車化されたクモハ123。そして、クモニ143時代の外観そのままに、牽引車として生まれ変わったクモヤ143-52。123系の引退を目前して、やや強引ではあるが、この並びが撮れた事は、とても嬉しかった。

この並びの撮影を以て、123系の撮影を終了とした。最後に123系に乗ると言う目的を達成できなかった事は、心残りではあるが、クモヤとの並びが撮れた事で、少し気分も晴れた。この後乗車した「スーパーあずさ」車内では、かなり疲れていたらしく、上諏訪を過ぎた辺りから大月付近まで、ほぼ爆睡状態だった。

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