高崎車両センター485系「宴」 長野総合車両センターへ廃車回送される
新元号「令和」2回目のブログ更新は、新しい時代を迎えられなかった車両のお話です。
今から30年以上前。国鉄が分割民営化された頃、ジョイフルトレインと呼ばれる、団体臨時列車や臨時列車等に使用される車両が数多く存在していた。車内の内装を畳敷にした、お座敷列車も、ジョイフルトレインの一つ。
1994年、お座敷電車「宴」が誕生。客車によるジョイフルトレインを電車化するために、485系の足回りを生かし、車体を新製したジョイフルトレインで、485系によるジョイフルトレインとしては三例目、そして、485系による初のお座敷電車となった。この車両は、当時、小山電車区(現:小山車両センター)に配属され、信号方式がATC専用区間でない限り、JR東日本の電化区間全域が走行可能で、各地を走り回った。
2015年からは、高崎車両センターへ転属。引き続き、団体列車を中心に活躍を続けてきたが、登場から既に25年が経過。車体はまだまだ使えても、足回りは40年以上が経過しており、ネット上でも、「そろそろ引退が近いのでは?」と言う噂を目にするようになってきた。そして、4月25日、新しい元号である「令和」を見ることなく、485系お座敷電車「宴」が、長野総合車両センターへ帰らぬ旅に旅立ってしまった。
この廃車回送の情報をTwitterで知った私。485系「宴」を最後に撮ったのはいつだったか。そう思って探したところ、最後に撮影したのは、2018年8月18日。川崎~奥多摩間を運転した、臨時快速「お座敷青梅奥多摩号」だった。この列車は、当初、同じく高崎車両センターに所属する、485系お座敷電車「華」を使用する予定だったが、同編成の故障により、急遽、「宴」が代走したもので、自宅からも行きやすい青梅線に入線したと言う事もあり、撮影に出かけていた。
令和を迎えることなく、引退してしまった、485系お座敷電車「宴」。(2018年8月18日撮影)
2018年8月18日、私は、青梅線に入線した、485系お座敷電車「宴」を撮影するため、青梅~宮ノ平間の有名撮影地、山根踏切へ向かった。まだ、201系が活躍していた頃、そして、その前は貨物列車が走っていた頃には、よく通った撮影地である。この日、約1カ月ぶりに、この踏切を訪れると、既に先客が数名待機しており、先客の隙間から撮影。6両編成の「宴」を何とか捉える事が出来た。
後追い。こちらの方が光線状態は良かった。(2018年8月18日撮影)
ちなみに、この時撮影したのは、奥多摩到着後、拝島への回送列車。奥多摩駅には夕方まで留置するスペースが無い為、日中は拝島駅留置となる。その為、奥多摩~拝島間を回送列車で1往復するのだが、営業列車も回送列車も姿は変わらない事から、回送列車を撮影した。まさか、この時が最後の撮影になるとは・・・今思うと、この時、撮影に出かけて良かった。
485系「華」は、引き続き運行される。(2018年7月21日撮影)
「宴」の引退により、JR東日本が所有するお座敷電車は、気が付けば、同じく高崎車両センターに所属する「華」のみとなってしまった。もう暫く運行されるようだが、こちらも、気付いた時には引退していたと言う事も考えられる。撮れる時には、しっかり撮っておかなくては・・・「宴」の引退の一報を見て、改めて、そう思うようになった。
485系お座敷電車「宴」、25年間、お疲れ様でした。
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