10月10日(日)の出来事。
名古屋の新規開業路線、あおなみ線に乗車した話を書いたが、今回の名古屋遠征の目的は、あおなみ線だけではない。鈴鹿サーキットで開催されたF1日本グランプリの観客輸送を視察するのが本当の目的である。本来なら、夜行列車「ムーンライトながら」で名古屋入りし、早朝から臨時列車を視察する予定だったが、台風の影響により、10日に新幹線による名古屋入りとなった。その為、臨時列車に関しては、午後の分を観察するのが精一杯だった。しかし、午前中だって、F1開催日ならではの光景を見ることは出来る。あおなみ線に乗る前に、この時点で出来ることを消化することにした。
私が、「のぞみ45号」で名古屋へ到着したのは10時16分だった。まず最初に、在来線乗り換え改札口を抜け、11番線へ向かう。お隣の12番線には、10時30分発の快速「みえ3号」がまもなく入線してくる。ホームは、鈴鹿へ向かう客であふれている状態だ。発車5分ほど前に名古屋車両区から入線してきた車両は、いつもと同じキハ75系だが、2両多い4両である。通常は「みえ」に使用されない、武豊線のワンマン運転用キハ75系も動員されていた。
F1輸送で増結されている「みえ」 いつもは2両だ。後方2両は武豊線用だった。↓
キハ75系の4両運転は、それほど珍しい物ではない。知多半島を走る武豊線は、名古屋からも近く、キハ75系の投入により、現在では、並行する名鉄と十分対抗できるレベルになってきた。朝夕を中心に、土日は日中にも名古屋直通があり、名古屋直通列車では4両で運転されることも多い。しかし、津・松阪方面へ走る快速「みえ」については、通常は2両での運転が主体である。私自身も、「みえ」の4両運転を撮るのは、今回が初めてだった。
その後、JR東日本の183系によるF1観戦ツアー団臨の折り返し回送に遭遇すると言う偶然に気を良くした私は、キハ75系の4連「みえ」の走行写真が撮りたくなった。名古屋の近場で撮影しようと思い、11時8分発の関西線亀山行きに乗り込んだ。313系電車によるワンマン運転の電車だ。名古屋を発車すると、名古屋車両区やあおなみ線を見ながら、近鉄線と並んで走る。しばらくして八田と言う駅に着くが、ここはいつの間にか高架の新駅に生まれ変わっていた。続いて春田という駅に着く。ここは全く新しい駅で、この駅が開業してからは関西線初乗車だった。そこで、今回は、この新駅で下車し、4連の快速「みえ」の走行を撮影。なかなか面白い駅で、単線の関西線は、ここで行き違いをするのだが、列車によっては、この駅を右側通行で通過する列車もある。単線でのスピードアップには、こうした工夫も大事である。「みえ5号」を撮り終えた後は、一旦名古屋へ戻り、あおなみ線を1往復した。
さて、あおなみ線の乗車も終わり、いよいよ後半戦突入である。メインイベントの14系客車によるF1臨撮影である。14系使用の快速は、鈴鹿サーキット稲生発が17時を過ぎており、もう走行写真は無理であるが、朝の運用が終わると、留置場所の関係で、伊勢市へ回送される。ちょうど折り返しの回送が、松阪駅で長時間停車があった。そこで私は松阪へと向かった。その前に、四日市で伊勢鉄道の気動車を撮るため、まずは名古屋14時8分発の関西線亀山行きに乗る。先程と同じ313系だった。四日市に着くと、怪しげなキハ75系4連の回送がいた。これもF1臨へ充当だろう。さらに、伊勢鉄道の気動車を撮影。そして慌しく四日市発14時58分発の快速「みえ11号」に乗車する。午前中の列車同様、この列車も4両編成になっていた。調べてみると、一部の「みえ」を除き、殆どの列車が4両編成での運転だったようだ。さすがはキハ75系。高規格路線の伊勢鉄道をかっ飛ばし、あっという間に松阪へ着いた。
松阪へ着くと、私を待っていたのは、真っ赤なDD51型ディーゼル機関車と、青い14系客車だった。一昔前なら当たり前のように見られた光景だが、今では本当に珍しくなってしまった。
赤いDD51と14系の組み合わせ。松阪にて。↓
同じ列車を後ろから見る。この最後尾車両はスハフ14形のトップナンバーだ。↓
その後、駅近くで出発の瞬間を撮り、後続の快速「みえ18号」で名古屋へと引き返す。途中駅で、鈴鹿サーキット稲生発の名古屋行臨時快速を追い越すはずだ。この列車には、キハ11型の5両編成が使われる。通常は名古屋駅へ姿を見せない車両なので貴重なシーンを撮るチャンスだった。ところが、この快速「みえ」が途中駅で遅れが出てしまい、なんと終点まで臨時快速を追い越せなかった。それどころか、名古屋駅手前で信号待ちにより止められ、やっとの思いで動き出したと思えば、なんとキハ11の回送が出て行ってしまったのだ。これは大ショックである。おまけに、キハ11を優先したために、もう1本の臨時快速を撮り損ねてしまった。これには、JR東海では少数派のキハ47型が使われていただけにショックも大きい。
仕方ない。あきらめて、臨時特急の観察をしよう。鈴鹿サーキット稲生~名古屋間では、臨時快速の他に、臨時特急「鈴鹿F1号」が運転されていた。上りは2本(2号と4号)設定され、どちらもキハ85系が使われた。
まず、2号だが、この列車は、名古屋~紀伊勝浦間で運転されている特急「南紀」の表示でやってきた。確かに、「南紀」の臨時列車のダイヤを使っているのだが、これでは「南紀」そのままの状態で、普段より両数が長いと言う程度の差しかなかった。一般客の人は、記念撮影をしている人もいたが、名古屋地区以外の人だろうか。本当に珍しい物を見るような目で撮影していた。
「南紀」表示の臨時特急「鈴鹿F1 2号」 名古屋駅にて。↓
このF1号だけでは、いつもの「南紀」と変わらない。4号はどうだろうか。少しでも違う形の物を撮りたくて、他のことをしながら待つことにした。待つこと約2時間。4号がやってきた。今度は前と違う。「臨時」表示だった。先頭車も、鈴鹿方が貫通タイプの車両で、前の2号とは見た目も違っていた。待ったかいがあった。
「臨時」表示の「鈴鹿F1 4号」 携帯電話のカメラによる画像なので、ちょっと字が見にくいかも。↓
今回のF1臨、撮り損ねた物もあり、自分では決して満足な結果には終わらなかったが、逆に期待していなかった物も撮ることが出来た。これはこれで良かったのだろう。とりあえず、DD51牽引の14系が撮れた事が一番の成果だろう。来年もF1臨があれば、ぜひとも撮影に行きたいと思っている。
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