JR東海 伝統の列車、東海号の現状
11月20日の出来事。
この秋、JR東海の御殿場線が命名70周年を迎えた。それを記念して、御殿場線沿線では、EF58型電気機関車による特別列車を、20日と21日の2日間走らせることになった。当然、私も撮影に行くことにした。
JR東海ファンの私としては、御殿場線へのルートも色々と考えてしまう。今回の特別列車は、浜松が始発駅で、20日は山北、21日は御殿場までの運転となる。東京から行くには、山北で待つのは楽だが、それでは芸が無い。そこで時刻表を見ると、ちょうどいい列車があった。東京駅を7時18分に出発する、特急「ワイドビュー東海1号」である。
国鉄時代から見て、この東海号は伝統の列車である。元々は、準急電車としてデビュー。当時としては最新鋭、東海型として親しまれた80系電車に始まり、後に急行に格上げ。車両も80系から153系へ。153系から165系へと変わって行った。そして、平成9年の春、165系も東海号から引退し、373系特急型電車へ置き換えられ、これと同時に特急へ格上げ。伝統の列車は、ついに特急へと進化したのだ。
その特急東海号、現状はどうなのだろうか。私も何年かぶりの乗車である。朝、高田馬場駅で切符を買おうとすると、みどりの窓口が混み合っていた。これでは間に合わない。Suicaで入場し、品川駅へと向かう。品川駅に着いたのは、東海号発車の8分前だ。慌ててみどりの窓口へ向かう。駅員に、「品川から沼津までの乗車券、東海号の自由席特急券」と言うと、駅員さんが「沼津?三島じゃないんですか?」と言われた。予想通りの展開。駅員氏は、1日2往復の特急ではなく、新幹線を売ろうとしているのだ。私は、在来線の特急東海だと告げ、きっぷを発券してもらった。今回はJR東日本の窓口で購入したのだが、新幹線と違い、東海号ならば、熱海まではJR東日本の売り上げになる訳だから、もう少し駅員も積極的に売って欲しいものだ。
なんとか発車3分前に改札を通過しホームへ向かうと、やはりホームで東海号を待つ人は少ない。6両中、自由席は4両なのだが、入線してきた列車を見ると、やはり車内は空いていた。私も楽に自由席車両で着席成功である。列車が発車し、川崎までの間に、車掌の検札があった。いつの間にか、担当車掌がJR東日本の東京車掌区になっていた。以前乗ったときは、JR東海の車掌が全区間担当だったのだが、この日観察すると、境界駅の熱海で交代していた。
乗客の流れだが、川崎からの乗車は僅かだが、横浜・大船と停まる度に乗客は増えていった。特に大船からの乗車数はすごかった。車内の電光掲示機でも、「大船~静岡間、最速1時間○○分」と言う売り文句が流れた。その広告の通り、大船からの乗車は多かった。大船の場合、新幹線も停車せず、新横浜と小田原に挟まれていると言う立地条件から起きた現象だろう。JR東海も、東京駅からの乗客は取れないと思っているのだろう。大船からは積極的である。1号はまだ乗るほうだが、午後の3号はもっとひどい状況だ。このままでは廃止になってしまうかもしれない。これならば、新宿発着にするなど、JR側の改善もお願いしたいところだが、1日2往復のみ運転の列車では、JRもあまり乗り気ではないのだろう。結局、この日も、混み合ったのは熱海までだった。私は予定通り沼津で下車したが、沼津で下車した客は少なかった。
伝統の列車も、これからどうなって行くのか。頑張れ、特急東海号。↓
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コメント
東海号は、特急に格上げ直前の165系に乗ったことがあります。この当時でも明らかに鉄道マニアという類(もちろん自分もその1人)しか乗っていなかったように感じます。このときの記念オレカを持っています。果たして特急になってどうなるかと思っていたのですが、案の定のようですね。
しかし、新宿発としてしまうと「あさぎり」との兼ね合いも出てしまうのではないかという気がします。
大船の需要に応えているのと「踊り子」の一種的な存在にまでなり下がっているようにも思います。これからどうなってしまうのか、自分も1度乗って確認してみようかと思いました。
投稿: Kaz-T | 2004/11/23 00:01