JR東海 身延線、脇役も活躍
11月20日(土)の続き。
夕方の富士駅。私は東海道本線の運用を調べながら、身延線の様子も観察していた。私が富士駅に到着すると、クモハ123が停車していた。この車両は、国鉄時代末期に、飯田線で活躍していたクモユニ147を旅客化改造したもの。主に富士周辺のワンマン運転を中心に活躍している。313系デビュー後は脇役になってしまった感じがする。↓
このクモハ123、JR東海が所有するのは、身延線用の7両。5040番台、5040番台を前面貫通化改造した5140番台(5145のみ)、クモヤ145を改造した600番台と3タイプが存在する。写真の車両は、最もポピュラーな5040番台。123系はワンマン運転が主体だが、一部には例外がある。5040番台車使用だと、こんな列車もあるのだ。↓
ワンマン2両運転の場合、無人駅では、運転士による集札業務があるため、互いの車両が貫通できるように、5145号車か600番台2両が使用される。しかし、この5040番台車同士の2両運転では、互いの車両が貫通できないため、ワンマン運転が出来ない。従って、この列車はツーマン運転である。私もこの組み合わせは初めて見た。
続いて、さらに地味な脇役を紹介しよう。湘南色の115系である。でも、よく見てもらいたい。この編成どこかが違います。↓
中間車のモハ114がポイントである。このモハ114、パンタグラフが2つある。通常、115系のパンタグラフは、モハ114型1両あたり1台なのだが、この編成はダブルパンタ。つまり1台は霜取り用パンタと言って、冬場、架線に付着した霜を落とすためのパンタグラフなのだ。集電用パンタグラフのみだと、この霜と接触することにより、パンタグラフを破損してしまう恐れがあるため、保護用のパンタグラフを予め用意しておくのだ。この霜取り用パンタ、冬場以外は、パンタグラフが上昇しないように固定されて、集電用パンタのみを使用するのだが、この時点で2つ上げていると言うことは、もう霜取りを実施していることになる。↓
身延線の115系のうち、このようにパンタグラフが2台ある編成は1編成のみ。冬場は限定運用を組む。この列車は、富士駅16時23分発の西富士宮行3567M。実は、今年の3月末に身延線を訪れた時も、同じ列車に充当されていた。と言うことは、既に限定運用に組まれている可能性が高い。冬の訪れを感じた瞬間でもあった。
最後に、面白い列車を紹介しておこう。身延線の115系・123系・313系は、実は沼津を拠点に運用されている。特に115系と313系は御殿場線と共通運用を組んでいることもあり、その方が効率が良いのだ。その為、1日数本、沼津発着の直通列車が存在する他、沼津~富士間で定期回送列車が設定されている。その中でも、沼津駅を11時50分に発車する身延行4229Mは、なんとクモハ123型の2両編成。短い区間とは言え、天下の東海道本線をクモハ123が走っていく姿は何ともユニークである。沼津方面へお出かけの際には、ぜひ、この列車にも注目して欲しい。
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コメント
クモハ123は意外にも本州会社3社に在籍するんですよね。
ところで3ドア改造をされた123がいると思うのですが、それは5040の続番ですか?
投稿: SATO | 2004/11/27 08:12
SATOさん、どうもです。
3ドアのクモハ123ですが、これは本編でも少しだけ触れた600番台です。この600番台はクモヤ145改造で、JR東海になってから追加で改造されました。登場時から3ドアで、おそらく乗降時間短縮が目的だったのでしょう。他の車、5041~5044と5145は、国鉄時代末期の改造で、非冷房時代は40番台を名乗り、41から45までとなっていました。従って、45号になりますと、クモハ123-45と数字並びが大変面白い組み合わせになっていました。
投稿: TOMO | 2004/11/28 00:59