愛環 2000系小変化
今、中京地区の熱い路線の一つ、愛知環状鉄道のお話。
愛知環状鉄道では、今年開幕する愛知万博に向けて、輸送力増強を図っている。その一環として、車両の置き換えが上げられる。昭和62年10月、JR東海岡多線から転換し開業した当初から活躍中の100・200・300系電車に代わり、平成14年、JR東海の313系3000番台車を基に製作された2000系電車が登場。以来、毎年増備を重ね、ついに平成16年度には2両編成15本の体制となり、全車両の殆どが2000系電車になった。
ところが、この平成16年度に増備された6本は、前年度までに投入された車両と少し違っていた。6本中4本に関しては、Mc車のパンタグラフが2台になった。残る2本は、従来どおりパンタグラフは1つだが、ダブルパンタ車に合わせて、前側にも増設できる構造になっている。そこで、この車両の屋根上を撮影したいと思い、元日の昼頃、岡崎駅へと向かった。
岡崎駅に到着したのは12時少し前のこと。岡崎駅0番線には、12時ちょうど発の高蔵寺行が停車していた。この車両、平成16年度増備車のG12編成で、2本のみ存在するパンタ増設準備仕様車だった。慌てて改札を出て、岡崎駅の東西自由連絡通路から屋根上を撮ってみた。
G12編成の屋根上↓
新年早々、思わぬ偶然で珍車を撮ることが出来た私は、気をよくして、次の列車で愛知環状鉄道の運転の拠点である北野桝塚まで往復することにした。次の列車は、北野桝塚行きだったが、終点で始発の高蔵寺行きに接続している。要するに車両交換である。さて、何が来るかと思ったら、2000系のG8編成だった。この編成も平成16年度増備車で、こちらはダブルパンタ車だった。
2000系ダブルパンタ車。前パン姿が勇ましい。↓
一通りの撮影を終えて乗り込む。やはりJR東海313系3000番台車のコピーと言っても過言ではない。出発時の乗降促進メロディも313系と全く同じだ。走り出すと、車掌は乗務しているものの、無人駅が多いため、車内改札に回ることから、アナウンスは自動放送だった。約15分ほどで北野桝塚に到着。ここで待っていた高蔵寺行きは、開業当初から活躍している100・200・300系電車だった。
北野桝塚で新旧車両が並ぶ。↓
さて、この北野桝塚駅だが、愛環の運用上の拠点となる駅なので、ホームも2面4線、1番線から4番線まである大きな駅だ。どんな駅だろうと下車してみたらびっくり。この駅は何と無人駅だった。最初は、高架駅なので階段を下に降りれば改札があるのだろうと思ったら、改札口も無かった。切符を買うにも自動券売機も無い。あるのは、ローカル線に良くある乗車証明書発行機だった。
駅周辺を散策がてら、車両基地の方まで歩いてみた。駅の近くはそれなりの住宅地だが、この辺りは自動車が主体なのだろう。住民全部が愛知環状鉄道を利用してくれれば、北野桝塚駅も無人駅にはならないのだろうが・・・ そんな事を考えながら、駅へと戻り、再び岡崎へと戻った。帰りの電車も2000系のダブルパンタ車。G11編成だった。帰りは最前部に乗車した。この時に解ったのだが、ドア扱いは運転士がやるのだ。これも無人駅対策で飯田線に似ている。車掌は車内改札に走り回っていた。岡崎駅にはJR東海との境界部分に改札口が無いため、車掌も運賃の収受に漏れが無いよう必死だ。でも、駅間がそれほど長いわけではないので、車掌も乗客全員まで把握できているのか。私も見ていて少し不安に感じた。これから万博開催時は列車の増結も考えられる。そうなると、今のやり方でうまく回せるのだろうか。愛知環状鉄道の対応が気になる体験乗車だった。
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