客車の見本市 オクシナを撮る
JR東日本の列車の中に、通称「オクシナ」と呼ばれている客車の回送列車がある。ブルートレインなどに使われる客車は、上野駅近くの尾久車両センターに配属されているが、尾久駅からは東京駅へ直結できないので、東京口で使われる客車は品川に常駐している。しかし、このままでは検査などが受けられないために、尾久~品川間を定期的に回送列車が運転されている。その列車は、一旦東大宮操車場を経由して運転されており、いつの頃か、尾久から品川へ向かう回送列車を「オクシナ」、品川から尾久へ向かう回送列車を「シナオク」とファンの間で呼ばれるようになっている。
昨日の午前中、鉄道ダイヤ情報を読んでいたら、「オクシナ」に「夢空間」が連結される事が解った。客車の定期的な移動のための列車だから、他にもいろんな車両が連結されている筈。そこに「夢空間」が追加されているとなると面白そうだと思い、時間に合わせて大宮駅へと向かった。
大宮駅の通過は16時10分頃だった。私は11番線の下り方で待機。同じ事を考えていた方が他に3人ほどいた。「オクシナ」は9番線を通過するのだが、先にホームのない10番線を通過する貨物列車のヘッドライトが見えてきたので、少し冷や冷やしていたのだが、途中からは「オクシナ」の方がスピードがあり、何とか被らずに撮影することが出来た。
この日の「オクシナ」は御覧のとおり、EF65のPF形が牽引しているが、いきなり機関車の次位にはオロネ25が連結されている。このような組み合わせは、営業列車では見られない組み合わせで、ちょっと面白い。
この後、同列車は東大宮操車場で機関車の向きを変え、今度は品川を目指す。大崎までは湘南新宿ラインのコースを走るので、こんな珍編成が池袋・新宿・渋谷を堂々と通過していくのだ。これも「オクシナ」の魅力でもある。そこで、今度は折り返しの列車を池袋で撮影することにした。
ちょっと天気が悪いので明るさが確保できず、こんな画像になってしまったのだが、池袋を通過する珍客の雰囲気はお解かりいただけるかと思う。
普段は後ろに出ることのないオロネ25が反射板をつけて走り去る姿と言うのも、この「オクシナ」ならではの光景。これもこの列車の魅力の一つである。昼頃に運転される品川~尾久間の「シナオク」も含めて、この列車は毎回編成が違っており、時にはこのように、新宿駅を機関車のみが通過すると言うこともある。
こんな模型的な編成も見られる。
機関車も運が良ければ、あのお召し機のEF58 61が入ることもあるらしい。まさに「何でもあり」と言った感じのこれらの列車は、模型をやられている人も色々と参考になる列車であることは間違いない。たまには、こんな回送列車を追跡するのも楽しいものである。
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コメント
これは勉強になりました。ゲテもの好きにはこたえられない珍風景ですね。さらに詳しい解説がほしいところです。
投稿: SATO | 2005/09/24 23:22
SATOさん、コメント有難うございます。
この「オクシナ」「シナオク」ですが、寝台列車用車両以外にも、お座敷客車「ゆとり」なんかもこのスジで回送される事があります。両数も、実際の特急列車に近い両数から、電源者のカニ24形1両のみなんて事もありますので、この辺りも魅力ですね。この列車に関しては、詳しい解説よりも実際にご覧になっていただくほうがいいかと思います。
ちなみに、これに似たような列車で、平日の昼間に尾久~上野~高崎~上野~尾久を走る試運転列車があります。これは大宮総合車両センターに入場、あるいは出場する列車の試運転や回送を兼ねた列車で、試運転対象車がなくても、控車のマニ50だけは機関車に引かれて運転されます。こちらも一度は見てみたい列車です。
投稿: TOMO | 2005/09/25 22:10