名岐間の常識を変えた車両!JR東海311系
現在、名古屋と岐阜の間は、JR東海の快速電車に乗ると、最速18分で移動することが出来る。
昔から、この区間は、国鉄(JR)と名鉄との間で、激しいライバル争いが繰り広げられてきた。国鉄時代は、長距離輸送が主体だったこともあり、名鉄が有利であったが、時代が昭和から平成へ。国鉄からJRに移行されてからは、地域輸送に力を入れるようになり、JR東海の巻き返しが始まった。
平成元年3月、大垣~蒲郡間に新しい快速電車「新快速」がデビューした。同年7月には、金山総合駅が開業。これに合わせて、新快速電車の約半数に新型車両が投入されることになった。その車両が311系である。
311系は、211系5000番台車をベースに120キロ運転を対応にした快速用車両。車内には、普通列車用車両では珍しい、NTTのカード式公衆電話が導入された。公衆電話付きの車両は、現在でも特急用車両しか思い当たらないだけに、この設備は普通列車用車両では異色の存在と言える。
311系が投入された新快速列車は、名古屋~岐阜間で20分を切る19分での運転を実現。一気にJR有利となった。311系の新快速は好評で、翌年春のダイヤ改正時にも車両を増備。さらに新快速の運転区間を豊橋~大垣間に延長し、新快速は全列車311系での運転に改められた。豊橋~名古屋~岐阜間をかっ飛ばす姿は、私がJR東海にはまる要因にもなったと言っても過言ではない。
平成と共に歩んできた311系だが、313系登場後は主役の座を譲り、現在では各駅停車主体の運転になっている。
さらに311系には、さらに静岡進出と言う新たな使命が与えられた。これまで乗り入れていた大垣車両区の113系に代わっての事だが、静岡では3ドア転換クロスと言う姿は異色と言うことからか、2往復のみの入線に留まっている。
関東人の常識から考えると、3ドア転換クロスシート車両が、各駅停車主体の運用になっていると言うのは、実に勿体無いような気もするが、最近では、岐阜~名古屋間の快速列車混雑緩和策として、各駅停車を名古屋まで先着させるようにダイヤが組まれている。岐阜始発の各駅停車はゆったり座れるので、この時は311系が当たると嬉しいものである。
さて、各停運用が目立つ311系ではあるが、数は少ないものの、今でも新快速運用が朝夕に存在する。
御覧のように、単独の4両編成、313系の2両編成を連結し6両編成、311系を2本つなげた8両編成とパターンは豊富である。やはり311系には新快速が一番似合うと私個人的には思っている。
JR東海では、来年度から313系の増備が再開されるが、それに合わせて、この311系が静岡地区へ移籍するのではないかと言う予想している方もいるようである。かつて名岐間の常識を変えた車両が、今度は静岡地区の常識を変えるようになるのか、来年の今頃、311系はどんな使われ方をしているだろうか。
おまけ
311系は、先頭車両の冷房装置の効きが悪いと、途中から先頭車のみ大型のクーラーに載せかえられている。しかし、共通部品が少ないため、冷房装置に不具合があると、中間車と同じクーラーが載ることがある。この車両は、前後で冷房装置の形が違う。
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コメント
こんにちは。
私も311系の時代に新快速に出会いましたが、とにかく速いと
感じました。その後、名鉄特急とも出会い、今は乗る時に選んで
いますが、どちらにしても豊橋~名古屋~岐阜の区間で普通列車
に乗ることって少ない気がします。
ところで東海の編成って4両でも片側がクモハで中間にサハを
入れた編成が多いようで311系も同じですね。先頭車に乗った
場合、クハよりクモハが先頭になっている向きの列車の方が何と
なく速さを感じてしまいます。
投稿: GO | 2005/09/12 22:49
おもいっきり地元です。なつかしい。
投稿: ch-uno | 2005/09/15 01:45
GOさん、ch-unoさん、コメント有難うございます。
>GOさん
東海地区の電車は、仰るとおりクモハが先頭に立つ事が多いですね。短編成が多い地域ですから、どの車両もクモハをベースにしておけば、2~6両の固定編成を作る時も柔軟に対応できるからではないでしょうか。私もクモハ大好きですから、その辺りでも虜になってしまうでしょう。
>ch-unoさん
ようこそいらっしゃいました。私自身、JR東海の電車が好きなので、このブログも名古屋地区の話題も多く取り上げていますので、地元を思い出していただければ幸いです。今後ともどうぞよろしくお願いします。
投稿: TOMO | 2005/09/16 23:43