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大糸線のキハ52を撮る

富山港線の次は大糸線である。

大糸線は、長野県の松本から新潟県の糸魚川までを結ぶローカル線で、途中の南小谷を境に、JR東日本とJR西日本とで分かれている。また、JR東日本区間は全区間電化されているのに対して、JR西日本区間は全区間非電化と言う対照的な違いもある。この非電化区間も、かつては大阪方面からのシュプール号などが直通し、賑わいを見せた時期もあったが、現在ではそれも無くなってしまっている。

現在の大糸線非電化区間の主力である、糸魚川地域鉄道部のキハ52は全部で3両存在するが、その中に国鉄時代のカラーを継承する車両が2両存在している。国鉄色車2両は、どちらも塗装が違っており、朱色とクリームのツートンカラーである一般色と、朱色一色の首都圏色が存在している。つまり、在籍するキハ52は3両で3種類の塗装パターンがあることになるのだ。まさに鉄道ファンにはたまらない環境なのだが、このキハ52も、いずれは老朽化が問題となってくるであろう。いつ置き換えの対象となってもおかしくない。また、いつ国鉄色を解除してもおかしくないと言うことから、今回の遠征では、撮影重点路線の一つに指定されたのだった。

我々が糸魚川駅に到着したのは12時ちょっと前のこと。次の大糸線南小谷行は、まだ入線していない。ホーム上から糸魚川地域鉄道部構内を覗くと、赤レンガの検修庫と国鉄急行色のキハ58が目に付いた。車番や所属表記を見ると金沢総合車両所の車両と判明した。

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糸魚川に来ていた金沢総合車両所のキハ58

このキハ58、現在入場中で運用離脱中のキハ52首都圏色車両の補充としてやって来たようで、言わば予備車的存在のようだ。大糸線はキハ52の単行によるワンマン運転が主体となっているので、このキハ58を運用するには車掌を乗務させないとならない。

暫く観察していると、クリーム地に緑の斜めラインが入ったキハ52が、糸魚川地域鉄道部の奥の方から出てきて入替を始めた。

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糸魚川駅構内で入れ替え中のキハ52

このキハ52、元々は福井と九頭竜湖を結ぶ越美北線用として使用されていた車両で、越美北線へのキハ120系投入により大糸線に転用されてきたのだ。それまではキハ58を使用していたのだが、キハ58だと最低でも2両編成で運転しなくてはならないので、利用客が少ない大糸線では輸送力過剰になることから、このキハ52が抜擢されたのだ。この緑のラインが入ったキハ52は、当時の越美北線カラーの生き残りでもある。

一旦改札を出て昼食用の食材を確保。再び改札を入ると、大糸線のホームには、先程の緑帯の車両が入線していた。

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糸魚川駅で発車を待つ大糸線列車

早速、大糸線の列車に乗り込む。ドアを手で開けて車内に入ると、単行列車と言う事もあって座席はそこそこ埋まっていた。とりあえず、先頭の乗務員室後部のロングシート部分に腰を下ろす。この列車で上下列車が交換する3駅目の根知駅まで乗ることにした。根知駅に着くと、雪が激しく降っていた。

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根知駅に到着

とりあえず下車して、ホームの先端より糸魚川行きの到着シーンを撮ることにした。ところが予定時刻になっても対向列車が現れない。どうやら遅れているようだ。糸魚川行きが到着したのは、それから5分ほど後のことだった。

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根知駅に進入するキハ52国鉄色車

この列車の到着で、待ちに待ったキハ52の並びを撮影。贅沢を言えば両車とも国鉄色だったら良かったのだが、首都圏色車が入場中となれば仕方がない。

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根知駅で見る事が出来るキハ52同士の交換シーン

この後、我々が乗車してきた南小谷行きに乗っても良かったのだが、乗車せず、糸魚川行きの出発シーンをホーム上から撮影する事にした。

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根知駅を出発する国鉄色車

撮影終了後、駅舎内へと向かった。この駅は無人駅ではあるが、未だに駅舎が残っているので、とりあえず雪からは免れる事が出来る。駅舎内で食事をして、次の交換シーンを撮るために備えようかと思ったのだが、ここでとんでもない勘違いが判明。何と次の列車は、南小谷から戻ってくる糸魚川行まで1時間半近く列車が無い。しかも、この時は列車交換が無いのだ。おまけに国鉄色車が入庫してしまうことも時刻表上で判明。仕方なく、駅舎内で昼食の後、この列車まで待って糸魚川に戻る事にした。駅舎内の掲示によれば、ちょっと歩くと糸魚川行きのバスが出るバス停があるらしいが、こちらも1日8本。列車と大して変わらずで当てにならない。これではどうしようもない。

結局、ちょっとした雪国体験を発車時間まで堪能して、先程乗ってきた車両に再び乗車し、糸魚川へと戻ったのだった。これなら、撮影後に南小谷行きに乗って、南小谷まで往復してきた方が良かったかも。

糸魚川に戻ると、なんと留置していたキハ58のエンジンが回っていた。これは出庫か?暫く様子を見ていたのだが、結局、夕方の富山港線撮影のための移動時間となり、その後どうなったのかまでは確認できなかった。せっかくだから国鉄色のキハ58の大糸線走行も見てみたかったが、これは適わなかった。と言うより、本当に走ったのかとても気になっている。

どなたか、大糸線のキハ58走行シーンを見た方がいたら教えてください。

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コメント

>>南小谷から戻ってくる糸魚川行まで1時間半近く列車が無い。

ちょっとローカル線に対する考えが甘かったですねw
飯田線で自分の学校の最寄り駅の場合、テストの日にあるパターンなんですが、11時57分発の次は13時15分発w
結果的に駄科着は1時間30分差です。

キハ58ですが、以前(鉄道の日かな??)、大糸線を通って松本まで来たことがあるみたいですよ。

投稿: 快速特急INAJI | 2006/01/07 21:51

快速特急INAJIさん、コメント有難うございます。

まあ昼下がりのローカル線はどこもこんなでしょうね。私自身、大糸線の次の列車が1時間30分後だと言うのは知っていましたが、ちょっと勘違いをしていまして、次の列車も列車交換があるものと思っていました。それが無いと解り、ちょっとガッカリした訳です。更には国鉄色車が入庫となると・・・ テンションの下がり具合はお解かりかと。まあ、考えが甘かったと言われても間違いではないかもしれませんね。

投稿: TOMO | 2006/01/10 01:00

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