EF55誕生70周年記念号が運転される
12月最初の土曜日となった2日、古稀を祝う列車が上野~高崎間に1往復運転された。古稀を祝うと言っても人間ではなく、電気機関車の話である。その機関車の名はEF55。
今から70年前の1936年(昭和11年)に誕生したEF55は、当時流行であった流線型スタイルで登場。計3両が製造された。デビュー当時は東海道本線でも使用されたが、後に高崎線に活躍の場を移す。片側のみが流線型で、後部の第2エンド側は切妻で運転台はあるものの、デビュー当時は構内入替用ぐらいしか使えなかった。電気機関車でありながら、折り返し時には転車台での方向転換が必要となる珍しい機関車である。
老朽化により一度は廃車となるが、1号機だけは運良く保存され、1978年(昭和53年)には、準鉄道記念物に指定された。その後、国鉄末期となる1986年に奇跡の復活を果たし、JR東日本に継承。現在まで高崎を中心にイベント用として活躍してきた。そのEF55が目出度く誕生70周年を迎えた。70周年を記念して、上野~高崎間に記念列車を運転する事になったのである。このところ出番が減っていたEF55にとっては、久々の上野乗り入れでもある。
私は、この70周年記念を撮影するため、午後から高崎線沿線へと向かった。前記事でもお解かりの通り、昼頃は、武蔵境駅周辺の観察をしているので、あまり奥へは行けない。最初は、北上尾~桶川間でどこか良いポイントが無いかと、線路沿いの道を歩いてみたのだが、宅地開発が進んだせいか、あまり良い所が無く、結局は撮り慣れていた宮原駅近くのポイントに来てしまった。ここもそれ程良いとは言えないのだが、パニックが予想されていた大宮駅で撮るよりはマシだ。このポイントに着いたのは、列車通過のおよそ10分前。なぜか先客が一人と言う、予想外の展開に驚いてしまった。下りの貨物列車が通過してまもなく、前方よりEF55のライトの灯りが見えてきた。慌しくカメラをセッティングして撮影開始。
誕生70年を記念して、上野~高崎間に「EF55誕生70周年記念号」が運転された。
その風貌から「ムーミン」と言う愛称でも呼ばれているEF55。古稀を迎えたものの、日頃の整備は行き届いているようで、車体はますます輝きを増しているようにも見える。今後も同機がイベント用として末永く活躍してくれる事を期待したい。
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コメント
いやぁ、70年ですかぁ・・・。
モノ持ち良いですね。ま、保存対象になっただけでもすごいのに動態ってのはさらにすごいです。
西武も赤い電機を動態保存してイベント列車でも走らせりゃええのに・・・とか思ってしまいますが、
一私鉄のできる事じゃないですね。
E851が12系を牽いてなんてのはあの時限りだから値打ちがあったんだと思います。
ところでE854以外の3両は全部解体されちゃったんですか?
横川あたりに置いても良かったんでねぇかと、残念至極です。
投稿: クハ1193@球場 | 2006/12/05 01:13
クハ1193@球場さん、コメント有難うございます。
ココログのメンテナンスと重なりまして、コメントが遅くなり失礼いたしました。
EF55は70年、JR東日本は、さらにEF58 61やD51なども、今日まで動態保存として維持していますから流石です。
西武のE851形ですが、仰るとおり854を除き解体されてしまいました。一私鉄としては、1両残すのが精一杯かもしれません。それ以前に赤い輸入電機も残している訳ですから、一鉄道ファンとしては感謝しなくてはいけませんね。
投稿: TOMO | 2006/12/07 20:27
そうですね。西武はEF55よりもはるかに古い文化財クラスの電機を、一両ずつ雨風のしのげる屋根のある場所に大事に保存しているのだから、立派なもんです。動かす必要も無いんじゃないかな?それに比べてあそこは…(人のブログなのでこれ以上は自粛)
それはさて置き、EF55を動態保存、しかも客車をしっかり牽ける程の保存状態を保っているのは大したもんだと、評価しない訳にはいきませんね。30年後も走っていそうな…?あ!後の客車は30年後は存在していないか?
投稿: あしがら&さがみ | 2006/12/07 22:35
こんにちは。
最近、とんと姿を見せていなかったので、ちょっと心配していたんですが、その心配は杞憂に終わりました。
「老いてなお矍鑠」と言う言葉がピッタリな、それでいて相変わらず、年齢に不釣り合いな「愛らしい表情」ですね。
80年、100年と、何時までも元気な姿を我々に見せて欲しいものですね。
投稿: 痛勤形酷電 | 2006/12/07 23:58
あしがら&さがみさん、痛勤形酷電さん、コメント有難うございます。
あしがら&さがみさん>
西武鉄道もJR東日本も、歴史的価値のある古い車両をしっかりと保存してくれているのは有り難い事です。西武に関しては、70歳よりも更に年上の車両たちを抱えていますから、仰るとおり、動かなくても良いかもしれませんね。
痛勤形酷電さん>
今回の記念列車は、EF55にとって久々の運転だったと思います。私自身も動いているEF55を撮ったのはいつ以来だろうと考えてしまいました。次は80周年記念列車を目指して頑張ってもらいたいですね。
投稿: TOMO | 2006/12/08 00:50