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3月ダイヤ改正で花輪線から消滅!盛岡のキハ52とキハ58を見に行く

それでは、これより2007年最初の鉄道撮影記の話題をお送りします。新年最初の「鉄初め」は元日から。って全く休みなしであります。

2007年1月1日、私はJR東日本の「正月パス」を利用して、東北方面へと出かけてきた。目的は、3月のダイヤ改正で勢力が弱まってしまう盛岡のキハ52・58と、仙台の455系の撮影と乗車。国鉄急行形車両が好きな私にとっては、どちらも放ってはおけない車両たちである。少々強行軍ではあるが、正月パスを使えば両方見る事は可能だ。前夜まで名古屋方面へ出かけていた体を、一気に東北へ向かわせるのは少々過酷ではあるが、本業が長く休める正月休みだから出来る技である。

元日の朝、自宅でお雑煮を食べて正月ムードを高めてから家を出発。自宅からJRで一番近い駅である、武蔵野線の新小平駅から、正月パスの使用を開始した。東北新幹線に乗るために、まずは大宮へと向かう。武蔵浦和経由で大宮に着くと、時刻は8時10分頃であった。ここから一番早く盛岡を目指すには、8時22分発の「はやて・こまち5号」があるが、既に満席。うっかりしていた。「はやて・こまち」は全車座席指定だったのだ。満席であれば、立ち席で乗ることは可能だが、さすがに盛岡まで立っていくのは辛い。仕方ない。後続の新幹線で行く事にしよう。指定席に空席のあった「やまびこ45号」に乗ることにした。「やまびこ」と言っても、車両は「はやて・こまち」と共通のE2系+E3系。大宮の駅員も「はやて号、こまち号ではありません」と何度もアナウンスを繰り返していた。ここから約3時間、東北新幹線の旅となる。思えば、私は東北方面へ足を向ける事が少ない。何か行き辛いのか、東北新幹線で、仙台から北へ進んだのも、8年ぶりの事になるかもしれない。

大宮から3時間の長旅を終えて、盛岡に着いたのは11時48分。目指すは、約1時間後に出発する花輪線の列車だ。まずは、構内でご当地のローカル列車の主役である701系などを撮影。そして、東北新幹線の八戸開業で、一気に寂れてしまった盛岡駅の在来線ホームを暫くの間観察した。その後、花輪線のホームを探す事になるのだが、どこから出るのかさっぱり解らない。一旦改札口(しかも自動改札だった)を出て、ようやく真相が判明した。花輪線は、東北本線と好摩駅から分かれるのだが、東北新幹線の八戸開業に伴い、この区間は第三セクターのIGRいわて銀河鉄道に転換されていたのだ。花輪線は、JRの路線でありながら、盛岡~好摩間をIGRいわて銀河鉄道に乗り入れる形をとっており、列車の乗り場も盛岡駅の片隅に設けられたIGRのホームからとなるのだ。IGRは、正月パスでも乗り降り可能なので助かるが、まともに花輪線を利用する人は、IGR線の運賃も負担する事になるので、少々お気の毒ではある。そして、同じ盛岡駅なのに、一旦改札口を出て大きく迂回しなくてはならないと言うのも少々問題ではあるような気がした。

そんな感じで構内を探し回っていたら、花輪線の発車時刻が迫ってきた。まずはJRの2・3番線から、入線して来た花輪線の列車を撮影してみた。運良く、国鉄急行色のキハ58による運転だった。

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3月のダイヤ改正で花輪線からは消滅する、盛岡車両センターのキハ52とキハ58。元日の昼過ぎ、盛岡を出発する花輪線列車には、国鉄急行色のキハ58が充当されていた。

久しぶりに再会するキハ58の国鉄急行色。盛岡の車両には、ご覧のように、正面の運転台付近の窓がパノラミックウィンドウになっていたり、スカートが付いていたりと、他の地域の車両とは少々違っている。しかも、この画像では解り難いかもしれないが、屋根上にはクーラーが容易に付けられるように、冷房準備工事がしてあったりするのだが、この地域は、急な勾配が続く線が多く、冷房電源を供給できるキハ28を連結できる余裕もないことから、冷房準備仕様のまま生涯を終えてしまう事だろう。

今度は1両ずつ撮影してみる事にした。

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大館方先頭、キハ58 1513。

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シンプルな大館行きのサボ。

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盛岡方先頭、キハ58 1523。

ここまで撮影していたら、まもなく発車時間となってしまった。当初は、この列車に乗り込む予定だったのだが、この盛岡駅での撮影だけでは、光線状態も悪く納得がいかなくなった。前方を見てみると、発車の瞬間をここで見送り、後追いで撮影すれば、順光の状態で撮影できる事が解った。そこで、盛岡駅ではこの列車に乗らず、出発シーンを撮影することにした。

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大館を目指して盛岡を出発。暫くはIGRいわて銀河鉄道線の線路を走る事になる。

やはり順光で撮る国鉄色は綺麗だった。ここは見送って正解だったようだ。納得して、今度はIGRいわて銀河鉄道の乗り場へと向かう。時刻表を見ると、次のIGRの列車で厨川まで行き、6分ほど待つと、大館からの快速「八幡平」に乗ることが出来る。僅かな区間だが、キハ58に乗っておこうと言うわけだ。厨川と言えば8年前にも利用した事があった。あの頃と違うことは、第三セクターになった事ぐらいだった。肌寒い中、ホームで待っていると、今度は盛岡色とも言うべきキハ58を4両連結した快速列車が入ってきた。早速車内に乗り込み、座席に座ってみる。足元のダクトが丁度良い足置きになる、急行形気動車独特の感触は健在であった。

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昔懐かしいボックスシートが並ぶ車内。足元のダクトが足を乗せるのに丁度良い。

急行形気動車の独特の感触に浸っていると、あっという間に盛岡到着。第三セクターに転換されているとは言え、元々は大幹線である東北本線の線路だけに、キハ58も滑らかな走りだった。

盛岡駅は、先ほどと同じくIGRのホームに到着。急いで改札を抜けて2階へと上がり、今度はJRの改札を入場。再び2・3番線から編成写真を撮影する事にした。

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快速「八幡平」は、キハ58盛岡色の4両編成だった。

私は早足にJRのホームへと向かったのだが、この写真を撮影し終えたところで、キハ58は盛岡車両センターへ向けて回送されてしまった。車両基地へと向かうキハ58を見送って後ろを振り向くと、そこに停まっていたのは、こんな列車だった。

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キハ52による山田線快速「リアス」

この日初めて見るキハ52である。残念ながら2両とも盛岡色であったが、快速運用と言う事で、老兵の華やかな運用を見る事ができた。この場所では少々暗いので、後ろの車両に回る事にする。

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山田線快速「リアス」の盛岡方に連結されていたキハ52 141。

盛岡のキハ52は、大きな特徴が一つある。それは側面の窓の構造。通常のキハ52は2段窓になっているのだが、盛岡のキハ52は、キハ58のように一段窓に改造されている。確か腐食防止や隙間風対策だったかと思うのだが、何となくキハ22に似てしまっており、キハ52らしさが見られないのが少々残念ではある。

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盛岡のキハ52の最大の特徴である側面窓が解るような角度で撮影。

快速「リアス」もそろそろ発車時刻。この列車が出発する2番線とは反対側になる、IGRの1番線へ向かえば、もう少し綺麗に編成写真が撮れるのだが、そこまで行く余裕は無さそう。仕方なく2番線の青森方の方から正面気味に、出発シーンを撮る事にした。

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キハ52の2両編成による、山田線快速「リアス」が盛岡駅を出発。

この列車、少々遅れて出発して行ったため、実際にはIGRのホームへ辿り着けたかもしれないが、結果的に撮影できなければ、意味が無い訳で、このような場所での撮影となってしまった。

3月のダイヤ改正では、花輪線へキハ110系が投入されるため、キハ52とキハ58にも何らかの動きが出るものと思われる。今回はキハ52の国鉄色を撮る事ができなかったので、出来れば、もう一度、盛岡のキハ52とキハ58を追跡してみたいと思っているのだが、3月以降、これらの車両がどういった動きを見せるのか。大変気になるところである。

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コメント

ともさん、新年あけましておめでとうございます。

東北旅行記、楽しく読ませていただいています。
私も年末に野暮用で久々に東北に行きました。
往路は「はやて5号」に乗り、一ノ関まで2時間15分。速かったですね。そして一ノ関から東北本線に乗ったのですが、大幹線にたった2両の701系が、何か場違いのようでした。

この先の旅行記、そして鉄日誌を楽しみにしています。

今年もよろしくお願いいたします。

投稿: タコ安 | 2007/01/06 22:28

あけましておめでとうございます。
一応ブログチェックさせていただいてます。

だいぶ鉄道関係から離れてしまったのでむつかしい話は分からなくなっていますが、楽しく読ませていただいてます。

東北行ったんだ〜。いいな〜。
きりたんぽ、おいしいよね。

投稿: kimu | 2007/01/07 01:48

あけましておめでとうございます。僕は、昨日と一昨日で山田線 花輪線に乗り、写真も撮りました。なんと昨日の快速八幡平盛岡行きは、国鉄色のキハ58と全面が未更新のキハ52でした。一昨日は、国鉄色のキハ52でした。特にキハ58はさびてる車両もありました。

投稿: 103系まん | 2007/01/08 01:21

タコ安さん、kimuさん、103系まんさん、コメント有難うございます。

タコ安さん>
年末に東北に行かれましたか。「はやて」は、「のぞみ」の東北版という感じがしますから、やはり早いですよね。私が乗車した「やまびこ」は、大宮から盛岡まで3時間掛かりましたからね。盛岡が凄く遠く感じました。東北本線の701系、仙台周辺では長編成が見られますが、盛岡周辺は2両が目立ちますね。ホームも人が少なくて、東海道本線とはかなり趣が違いました。

kimuさん>
いつもご覧頂き有難うございます。キリタンポ、私も10年前の秋田新幹線開業時に秋田へ行ったとき食べました。美味しかったです。また食べたいですね。

103系まんさん>
3連休で花輪線・山田線に行かれましたか。私も当初は、この3連休で行こうかとも考えましたので、もしかしたらニアミスになったかもしれませんね。一昨日の八幡平は良い編成だったようで羨ましいです。

投稿: TOMO | 2007/01/08 09:45

TBさせていただきまいした。

花輪線の沿線が地元です。
本当に何もない山里の中を、のどかに走るだけの鉄道なんですが、東京に出てきてかなり時間が経ったということもあり、前よりも愛着が沸いてきています。

投稿: タウム | 2007/12/01 14:56

タウムさん、コメントありがとうございます。

花輪線が地元と言う事で、今回の車両の置き換えは興味深く見守られたのではないでしょうか。折りしも、本日、花輪線で使用されていた旧型気動車たちが、ミャンマーへ輸出されるため、川崎方面へ回送されたそうです。新天地での活躍に期待したいですね。

投稿: TOMO | 2007/12/02 00:39

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