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東北のニューフェイス E721系

1ヶ月ほど前、私は、東北地方で終焉を迎える国鉄形電車の記録に出かけた。一連の撮影記に関しては、先月末に弊ブログで取り上げていたが、私自身、何かを忘れているような気がした。ずっと考えていたのだが、昨日あることに気が付いた。「あの車両の話題をやっていない」と言う事を・・・

そこで、今日は、ブログで取り上げていなかったこの車両についてのお話。

2007年2月、仙台地区に新風を巻き込む新しい車両がデビューを果たした。その車両の名前はE721系。仙台地区に残る国鉄形車両(417系・455系・717系)の置き換え用の0番台車と、同年3月に開業した仙台空港線用車両の500番台の計2種類がある。E721系は、在来車両より一回り小さい直径の車輪を採用し、東北地区特有の低いホームでも、バリアフリーに対応できるように設計されている。その為、独特な車体構造となっているのが特徴。今回の遠征でも、どこかで必ず見ることが出来るだろうと思っていたのだが、早速、郡山駅でその姿を拝む事ができた。

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東北地方に登場したニューフェイス、E721系。東北地方独特の低いホームでもバリアフリーに対応するために、従来より小さい直径の車輪を採用し、車体を低くしている。

郡山駅で見かけた、このE721系は、折り返し福島行きになると言う事で、暫くホームで停車していた。そこで停車時間を利用し、新型車両の観察をする事にした。

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座席はセミクロスシート。

座席配置は、大量に投入された701系とは違い、セミクロスシートになっており、青春18きっぷ愛好家の皆さんは、喜んでいる事だろう。そのボックスシートに腰を下ろしてみたが、国府津車両センターに所属するE231系や常磐線のE531系のボックスシート車に近い座り心地であった。また、中央線に投入されたE233系に準じた部分も幾つかあり、車内放送もE233系と同じものであった。

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ボックス座席部分にあるテーブル。缶を置くスペースだけ凹みがある。

バリアフリー対策で、従来の車両より小さい直径の車輪を使用していることから、車体の高さを低くしているが、乗務員室では、踏切事故対策で運転台の高さを高くすると言うのが、最近の車両の傾向となる。運転台の高さを高くすると言うのは、ご他聞に漏れず、この車両も一緒。しかし、そのままでは、運転台の高さが低いままとなる。そこで、E721系では、こうやってその問題点をクリアーした。

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乗務員室部分を真横から見る。

なるほど。この手があったか。私はこの車両を見た瞬間、そう思った。客室は高さが低くなったが、乗務員室の高さは変えないと言うのだ。

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車内から乗務員室を見る。段差への注意を促す貼紙に注目!

他の車両へ移動せず、最寄のドアだけを使っていれば、この段差は全く問題ない。

このE721系だが、2月より投入が開始され、徐々に国鉄形車両を置き換えていった。この日は、郡山での撮影後、仙台へと向かったのだが、仙台では、東北本線のほかに、3月からは常磐線、そして4月からは仙山線へも進出している。仙台周辺での撮影の際にも、何度かE721系に遭遇しているので、国鉄形車両の合間に撮影してみた。

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常磐線の山下行きに充当中のE721系。南仙台駅にて。

さて、E721系には、老朽車置き換えの他に、もう一つの顔として、仙台空港輸送と言う使命がある。空港アクセス用車両は、大きな荷物を置くスペースも確保されている事から、500番台となっており、さらに、仙台空港鉄道も同型のSAT721系を3編成所有している。今回の遠征では、仙台空港線の初乗りも兼ねて、空港用車両の撮影も実施した。

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仙台空港線用のE721系500番台車。(JR東日本所属)南仙台駅にて。

仙台~仙台空港間運転の列車は、データイム2連、ラッシュ時4連で運転されており、いずれも全区間でワンマン運転が実施されている。今回、仙台駅から南仙台駅までの移動には、この仙台空港行きに当たったのだが、最後部車両に車掌さんが乗っていないことに、一瞬驚いてしまった。

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同じく仙台空港線用のSAT721系。(仙台空港鉄道所属) 南仙台駅にて。

E721系500番台車と、SAT721系は、所属会社が違うものの、運用は共通運用となっており、両車の併結運転も実施されている。見た目は、SAT721系の方が明るく見えるような気がする。

南仙台駅で、国鉄形車両を撮影した後、このSAT721系に乗車して、仙台空港まで往復してみた。私は、名取駅から仙台空港行きに乗車したが、列車自体は、仙台駅から通しで仙台空港鉄道の運転士さんが乗務していた。この辺りは、何となく、しなの鉄道と似ている。私が乗車したのは快速列車だったので、名取からの仙台空港線内は、中間の2駅(杜せきのした・美田園)は通過していたが、杜せきのした駅最寄には、大型ショッピングプラザもあるため、将来的には快速列車の停車も考えられるかもしれない。

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仙台空港駅に停車中のSAT721系。

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空港用車両車端部にある大型荷物置き場。

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SAT721系車内。

仙台空港まで往復してきたあとは、再び沿線での撮影。国鉄形車両を一通り撮影した後、夕方になって4両編成に増強されたE721系を撮ってみた。

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SAT721系4両編成による仙台行き。長町駅にて。

4両編成の列車も、全区間ワンマン運転。JR東日本管内では、4両編成でのワンマン運転は初めてのことではないだろうか。今後、他の線区でもワンマン化が更に進むかもしれない。

E721系は、これから秋に掛けて、更に増備が進み、国鉄形車両を完全に置き換えることになっている。仙台地区の主力車両として、今後の活躍に心から期待したい。

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E721系は、床面高さを大幅に低減しステップのないフラットな出入口を実現するなどバリアフリーに配慮している。国鉄形電車の置き換え目的で2006年から製造が始まり、2008年度の鉄道友の会ローレル賞を受賞した。... [続きを読む]

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