臨時快速「エアポート常磐号」を撮影する
さて、前記事でお伝えした「水上98号」を撮影した後は、昼食を摂ってから上野駅へと向かった。ここでの撮影目的は、臨時快速「エアポート常磐号」を撮影するためだった。
「エアポート常磐号」は、その名の通り、常磐線沿線から成田空港を結ぶ臨時の快速列車で、この冬の臨時列車として初めて設定された。下り・上りとも2本ずつが設定されており、下り列車は全車座席指定。上り列車は全車自由席として運転されている。使用される車両も、大宮総合車両センター東大宮センター所属の183系6両編成で、専用のヘッドマークを掲出しての運転と言うことで、ファンからも注目の的となっていた。運転時刻が偏っているため、朝の1往復をこなした後は、一旦、東大宮操車場へ回送される。私が撮影する3号は、出発前に東大宮操車場から回送されて来てからの運転だった。私は、入線時刻に合わせて、上野駅13番線に行くと、ちょうど回送列車が入選してきたところであった。ヘッドマークもステッカーで対応している事から、回送区間でもヘッドマークは掲出されたまま。こんな事ならば、回送区間でも撮影しておくべきだった。
上野駅から常磐線・成田線を経由して成田空港まで運転される臨時快速列車「エアポート常磐号」がこの冬初めて設定された。
人の流れが少なくなってから、この角度でも撮影。
今回、「エアポート常磐号」に使用されたのは、大宮総合車両センター東大宮センター所属の183系OM101編成。ご覧のように、上野方の先頭車には、シンボルマークが残されていた。「エアポート常磐号」は、上野駅13番線からの発着であり、東北・上越新幹線が開業する前までは、このホームから発着する長距離列車も多かった。それだけに、このホームに国鉄特急色の183系が停車するのは、良く似合っていた。
側面の行先表示もステッカーで対応。
撮影後、私は9番線へ移動。「エアポート常磐号」に先行する土浦行き特別快速に乗り込んだ。先回りをして、沿線での撮影をしようという考えなのだが、特別快速車内で、鉄道ダイヤ情報と時刻表を見ると、このまま行けば成田まで先回りできる事が解った。であれば、青春18きっぷで乗っているし、成田線内まで行こう。松戸で先行の快速に乗り換え、さらに我孫子から成田行きに乗り換えた。ここで改めて鉄道ダイヤ情報を見てみる。この日は、成田山への初詣団臨も1往復だけ設定されていた。その成田臨とどこかですれ違う事はないだろうか。すると木下駅ですれ違う事が解った。では、木下駅での交換シーンを撮る事にしよう。同じことを考えている人は多いだろうと思っていたのだが、現地は思ったより人は少なめ。私は上りホームの我孫子方先端に陣取り、「エアポート常磐号」の到着を待った。そして15時13分、まずは「エアポート常磐号」がゆっくりと入線して来た。
成田線木下駅に到着する「エアポート常磐号」
ここで、同列車は4分間停車し、485系を使用した成田臨と交換する。私は、決定的瞬間を撮ろうとカメラを構える。独特の緊張感の中で列車を待つが、時間になっても485系の姿が見えない。やや遅れているようだ。それからおよそ1分後、前方から4灯のライトが見えた。改めてカメラを構えて撮影を開始する。
「エアポート常磐号」と成田臨の一瞬の出会い。
成田臨の485系は、木下駅を軽やかに通過して行った。そして、成田臨が通過してからすぐに、「エアポート常磐号」も出発体制に。順光の中、美しく輝く国鉄特急色編成を見送った。
成田空港へ向けて出発!
ところで、ここ木下駅は、現在、駅舎の橋上化工事を進めており、平成21年3月の完成を目指して工事が進んでいる。新駅舎自体は、今年12月に使用を開始するようで、183系の背後に見えている古びた跨線橋も、まもなく姿を消す事になっている。この跨線橋をバックに、特急形車両同士の交換シーンが撮れたのは、私にとって良いお年玉と言えるかもしれない。
今回、初めて設定された臨時快速「エアポート常磐号」。上野から成田空港へ向かうには、殆どの乗客が京成を利用すると思われるので、実際のターゲットは、松戸や柏と言った常磐線の主要駅からの乗客だろう。この列車が、常磐線の利用客から受け入れられて、定期列車に昇格する事は実際にあるだろうか。今後の動きに注目したい。
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コメント
おはようございます。
バリアフリーの進行で古いタイプの駅がどんどんなくなっていきますね。
木下の交換の発見はナイスです。185系もいくら走れるのかと思うと貴重な記録だと思います。
投稿: なるさん | 2008/01/07 09:52
183系大活躍ですね。上野から成田空港まで行く電車は、よく考えると、TOMOさんもおっしゃっていましたが、松戸や柏からの乗客をターゲットにしているんですね。不思議と成田空港への直通電車がないですからね。ただ、スカイライナーや快速の速達効果にどこまで勝てるか疑問ですが。木下駅も変わるんですか。写真を見た限り、のんびりした雰囲気でいいと思うのですが・・・。エアポート常磐と成田臨の顔合わせ。いいお年玉になりましたね。
投稿: オグリキャップ | 2008/01/07 18:36
こんばんは。私も5日の4号に乗ってきました。成田を出てから我孫子まで1時間も掛かったのには正直辟易しましたが、単線区間であることを考えるとどうしてもやむをえないところでしょうね。
改めて調べてみましたが、成田空港と柏や松戸を結ぶバスは、ダイヤ上では100分となっています。今回の快速エアポート常磐号では、所要時間がちょうど1時間の2号を除けば他の3本は概ね1時間半を要していますので、柏や松戸あたりからだといい勝負と言えそうですね。TOMOさんのおっしゃるとおり、上野からの利用者よりは松戸や柏あたりからの乗客をターゲットにした列車としてアピールしていった方がいいかもしれません。
それでは・・・。
投稿: mattoh | 2008/01/07 22:09
やっぱり特急マークはあった方が顔がしまります。
色変えせずにマークだけ取っちゃうと、空いた空間がどうも間抜けな気がします。
外したパーツは捨てちゃったんですかね?
投稿: クハ1193@球場 | 2008/01/08 00:42
皆さん、コメント有難うございます。
なるさん>
駅のバリアフリー化は、時代の流れで、様々な益で進められていますね。木下駅に関しましては、完成予想図を見ますと、駅のイメージがガラリと変ってしまうようです。それだけに、今回の交換シーンは、貴重なシーンを押さえる事ができたと思っています。
オグリキャップさん>
木下駅は、ノンビリした感じで、本当に良いムードでした。ここでの交換シーンを撮る事にして本当に良かったです。
mattohさん>
トラックバック有難うございました。5日の4号に乗られていたんですね。松戸・柏から成田空港へのバスの所要時間は100分でしたか。であれば、JRも、松戸・柏の利用客がターゲットとして考えているのかもしれませんね。
クハ1193@球場さん>
大宮の183系特急色編成ですが、シンボルマークが無い車両は、かつて「あずさ」で使用されていた車両です。グレードアップ改造及び塗装変更の際にシンボルマークを撤去してしまいました。外したパーツの行先・・・ 一部は部品即売会に流れたんでしょうか?
投稿: TOMO | 2008/01/08 02:26