後閑から沼田へ
暫くして、駅員さんが待合室に入ってきて、取り残されていた乗客たちに、状況説明を始めた。駅側の説明によれば、この後、関越バスによる代行輸送を始めるとのこと。とりあえず、後閑駅から高崎方面へ向かう乗客に対しては、関越バスの路線バスを手配。水上方面へ向かう乗客に対しては、高崎からの下り列車が沼田駅到着後、沼田駅から水上駅へ向けての代行バスを運転するとの事だった。また、「EL&SL奥利根号」に関しても、水上駅を出発していない状況なので、このまま運休(但し、復旧後、高崎までは車両を回送される筈)となる可能性が高いとの説明もしてくれた。私も、この一言で撮影を断念。代行バスを使って、高崎方面へ向かう事にした。
その後、バスの手配が完了したとのことで、高崎方面へは、16時08分にやって来る路線バスに乗るように説明を受けた。私は、高崎までの乗車券を購入し、バスの到着を待つ。そして、16時03分頃、関越バスによる沼田市保健福祉センター前行きが到着。早速、乗客達に振替乗車票を配り始めた。
後閑駅発行の振替乗車票。
さて、いよいよバスに乗ることになるのだが、入ってきた路線バスは、何と駅前広場の奥の方へ走り出した。何をするのかと思ったら、この駅は、バスの向きを変えるターンテーブルがあったのだ。後閑駅には、これまでにも何度か降りているのだが、このターンテーブルの存在を恥ずかしながら、この時初めて知った。
方向転換中のバス。
このバス用ターンテーブル、我が地元、東村山駅の西口にも、西武バスの折り返し用のターンテーブルが存在したのだが、再開発事業の進捗により、現在は無くなったらしい。
方向転換も終了し、いよいよ乗り込む。
この時、雨は小降りとなっていたので、バスに乗り込むのは楽だった。乗客全員が乗り終わるのを待って出発。16時10分頃、1時間半足止めを食らった後閑駅を後にして、沼田駅へと向かった。バスは、上越線の線路に沿った形で沼田方面へ向かう。走り出して3分ほどして、バスの運転士より、振替乗車票は運賃箱ではなく、直接手渡しで渡してほしいとのアナウンスが入った。その後、バスは順調に沼田駅へ向けて走り出すが、沼田駅に近付くに連れて、再び雨が強くなる。これは下車する時に大変だなあと思ったのだが、沼田駅に着くと、なんと駅前ロータリーのバス停には全て屋根が付いており、そのまま雨に濡れることなく駅舎まで辿り着けた。
さあ、沼田駅からはすぐに列車がいるものだろうと思いきや、列車はまだ到着していない。ヘルメットを被った腰の低そうな駅員さんが、バスから降りてきた乗客に対して丁重に説明を始める。我々が乗車しようとしている列車は、先程、渋川を発車したところだと言う。到着まで、まだ時間が掛かるというので、一旦待合室へ移動する。中には、特急が来ないのかと詰め寄る乗客もいたが、ちょうど特急に使用する185系が2編成とも水上駅構内に留置中と言う事で、沼田~水上間の運転再開を待たないと運転できないと言う状況である事を説明したため、諦めるしかなかった。
待合室で待つ事およそ15分ほど。ようやく高崎からの普通列車が到着した。どうやら741Mとして運転されていた列車のようである。沼田駅には、折り返しの都合上、2番線に到着した。
折り返し高崎行きとなるために、沼田駅2番線に停車中の115系。
2番線に停車しているシーンをカメラに収めてから、私も2番線へ移動。最後尾のクモハ115に乗り込む。すぐに発車かと思っていたのだが、車掌さんより17時04分の発車との案内を聞き、一旦改札口を出て、売店へお茶を買いに行った。そしてこの間に水上からの代行バスも到着。沼田からは所定748Mとして高崎を目指す。沼田から高崎までは、何事もなかったかのように運転し、17時52分頃、高崎駅8番線に到着。後閑からの長かった上越線の旅(?)も、ようやく終わりを迎えた。
その後、私の携帯に届いたダイヤ情報メールによると、上越線の沼田~水上間は、同日21時45分頃に運転を再開したとのこと。約6時間、運転を見合わせたことになる。関係各所の皆さん、本当にお疲れ様でした。
| 固定リンク | 0
「鉄道」カテゴリの記事
- 西武40000系 40164Fの甲種輸送を撮影する(2023.12.04)
- EOS6D MarkⅡ試運転 その2 秩父鉄道「パレオエクスプレス」と鉱石列車を撮影する(2023.11.28)
- EOS6D MarkⅡ試運転 その1 新所沢駅で2000系を撮影する(2023.11.25)
- 西武2000系 2529Fが横瀬車両基地へ廃車回送される(2023.11.21)
- 八高線 「DLレトロ八高号」を撮影する(2023.11.19)
「鉄道:JR東日本」カテゴリの記事
- 八高線 「DLレトロ八高号」を撮影する(2023.11.19)
- E217系Y-2編成の廃車回送を撮影する(2023.09.12)
- E491系 上野東京ラインを検測(2023.08.21)
- 185系「足利大藤まつり号」とE257系の特急列車を撮影する(2023.05.31)
- 「SLレトロみなかみ号」と「EL横川ナイトパーク号」を撮影する(2023.04.27)
コメント
バス用のターンテーブルなんてあるんですね。
自宅用にあったら車庫入れが楽なのにと思ってしまった~~
投稿: 舞 | 2008/08/18 00:46
舞さん、コメント有難うございます。
バス用ターンテーブル、同じようなものは、ビルの駐車場などでも見かけますよね。近くにいた若い女性からも、「ビルの駐車場にあるよね」なんて声が聞かれました。
自宅用にですか。なるほど。
投稿: TOMO | 2008/08/18 23:32
はじめまして。ああああと申します。
6時間も運転見合わせとは…お疲れさまでした。
スムーズな代行輸送だったようで、何よりです。
JR東日本では、私も1995年8月に信越本線の豊野から黒姫まで(姫川付近での集中豪雨により不通)の代行輸送に出くわしましたが、豊野駅では4台近くのバスが待機していました。
列車の輸送力が大きく、バスの手配が必要数が確保できず回らなくなると、相当な混雑になりますから…
投稿: ああああ | 2008/08/19 00:58
ああああさん、コメント有難うございます。
今回の大雨による運転見合わせは、6時間に亘ってしまいましたが、私自身は、JRのスムーズな代行手続きにより、高崎には18時前に到着する事ができました。
豊野駅での実例のご紹介有難うございました。やはりバスと列車とでは、乗車できる人数が違いますから、バス代行の場合は、バスが何台手配できるかが問題になるでしょうね。こう言うお話を聞きますと、水上駅はどんな感じだったのかが気になります。
投稿: TOMO | 2008/08/20 02:15
後閑駅のターンテーブルにはかつて(上毛高原開業前)
D51が展示されていました
投稿: とおりすがり | 2008/10/13 16:25
とおりすがりさん、コメントありがとうございます。
かつて後閑駅前には、現在、「EL&SL奥利根号」などに使用されているD51 498号機が保存されていました。私の記憶では、今回ご紹介したターンテーブルの位置とは、やや異なる場所に展示されていたような気がするんですが、20年近く前のお話ですので、ちょっと自信が無いです。
投稿: TOMO | 2008/10/14 01:27