« 富士急の主力 1000系を撮る | トップページ | 8月14日の萩山駅 »

「パノラマエクスプレスアルプス」の生まれ変わり 「フジサン特急」を撮る

富士急シリーズもいよいよ大詰めです。

富士急では、今年、特急運転開始10周年となる。当初は、京王からの譲渡車である1000系車両で運転を開始したが、2002年より、JR東日本のジョイフルトレイン「パノラマエクスプレスアルプス」を譲り受け改造。富士急では2000系として再デビューを果たし、以降、「フジサン特急」として運転している。

この「フジサン特急」は、今となっては165系の数少ない生き残りである。急行形電車大好き人間の私は、今回の富士急線遠征に際して、「フジサン特急」との出会いを楽しみにしていた。6月28日の午後、三つ峠~寿間の定番撮影ポイントで、「フジサン特急」を撮影してみた。

2008_06_28_0260001

JRのジョイフルトレイン「パノラマエクスプレスアルプス」を改造して誕生した、富士急2000系「フジサン特急」(この車両は第2編成)

「パノラマエクスプレスアルプス」は、展望車のクロ165を先頭にした6両編成で運転されていたが、種車の構造上、3号車と4号車は、クモハ165改造のクモロ165となっていたため、実際には3両編成2本としての運転が可能となっていた。今回の富士急入りに際しても、この構造がフルに発揮され、富士急では3両編成2本として活躍をしている。しかし、車両の向きを統一しなかった事から、富士吉田駅を基準にして、大月・河口湖方の先頭車が展望車となった編成と、富士吉田方が展望車になった編成と2種類存在する事になった。今回、最初に撮影した編成は、大月・河口湖方の先頭車が展望車となった第2編成である。

Img_d06660005

富士吉田方先頭車が展望車となった第1編成。

第1編成は、富士吉田方先頭車が展望車となっているため、この場所で大月行きとして撮影した場合には、クモロ2200形が先頭となる。クモロは、JR時代も中間に入っていた事から、クモハ165時代の面影が好く残っており、急行形電車らしいお顔を拝む事ができる。またパンタグラフがシングルアームパンタになっているのも、第1編成の特徴である。

Img_d06690006

第2編成の河口湖行きフジサン特急。

この後、私は撮影場所を変更。このポイントからやや三つ峠方向に移動した場所で、再び撮影してみた。

Img_d06830007

第1編成の河口湖行きフジサン特急。

三つ峠~寿間での「フジサン特急」の撮影は、この撮影を以って終了。全ての撮影を終えて、私は三つ峠駅から各駅停車で大月方面へと向かう。途中、東桂駅で、この日最後の下り「フジサン特急」と交換した。

Img_d06920008

東桂駅を通過する最終の下り「フジサン特急」

ここまで撮影したら、なんだか「フジサン特急」に乗ってみたくなった。時刻表で調べてみると、まだ上りの「フジサン特急」は乗れるようだ。そこで、乗車していた大月行きを都留文科大学前駅で下車。ここから大月まで、「フジサン特急」に乗ってみることにした。都留文科大学前駅で自由席特急券を購入。僅か15分ほどの乗車であるが、「パノラマエクスプレスアルプス」譲りの豪華車内を味わおうと思ったのである。

都留文科大学前駅から「フジサン特急」に乗り込むと、まずまずの乗車率である。とりあえず3号車に空席を見つけて座ってみる。私は「パノラマエクスプレスアルプス」に1度だけ乗車した事があるが、その時と全く変らない座り心地で、とても豪華。さすがはグリーン車の座席である。下吉田からの徒歩移動で疲れた体を休ませるには、とても良い車両だった。大月までのおよそ15分間は、私にとって、とても至福な時間であった。

2008_06_28_0320002

「フジサン特急」の座席。

さて、大月到着後の「フジサン特急」を観察していると、1号車のクモロ2200形の前面方向幕が、「普通」表示に変った。最初は信じられなかったのだが、大月駅の案内放送によると、この車両が次の各駅停車河口湖行きになるとの事。何とも豪華な各駅停車だった。

2008_06_28_0420003

大月到着後は、各駅停車河口湖行きとなる。

大月駅のアナウンスによると、1号車の展望車には乗車できないが、それ以外の車両には乗車券のみで乗れると言う事で、実に豪華な各駅停車である。

2008_06_28_0440004

分散クーラー付1000系と並んだ2000系。

1号車の展望車側には、各駅停車で運用されるための掲示は一切見当たらなかった。

国鉄(JR)の165系では数少ない生き残りとなった富士急2000系。この日は、実際に撮影&乗車の両方を楽しむ事ができた。またいつか、フジサン特急を訪ねて富士急線沿線に出かけてみようと思う。

| |

« 富士急の主力 1000系を撮る | トップページ | 8月14日の萩山駅 »

鉄道」カテゴリの記事

鉄道:富士急」カテゴリの記事

コメント

な・・・なんかスゴイ列車ですねぇ・・・

投稿: | 2008/08/13 00:47

舞さん、コメント有難うございます。

「フジサン特急」は、各車両に富士山を模したキャラクターを車体に沢山描いていますから、別記事の「トーマスれっしゃ」にも匹敵する奇抜なデザインですよね。私も、最初にこの車両を見たときは、正直驚きました。しかし、月日が経ち、この塗装も見慣れてきましたので、今ではこれもありかなと思えるようになりました。お近くへ行かれたときは、このスゴイ列車を是非生で見てください。

投稿: TOMO | 2008/08/13 23:46

TOMOさんこんにちは。すごーい。フジサン特急の車両にただで乗れるなんて。リゾート21並の大サービスですね。富士急はホリデー快速河口湖号でいちど通っただけなのですが、我が家からも近いことですし、いちどフジサン特急の展望車で河口湖まで言ってみたいです。

投稿: オグリキャップ | 2008/08/15 18:33

TOMOさん再度メールします。昨日コメントで寄せていただいたときに書いた、ただで乗れる。不適切な発言でしたね。正しくは乗車券のみで乗れる、でしたね。お詫びして訂正させていただきます。

投稿: オグリキャップ | 2008/08/16 18:08

オグリキャップさん、コメント有難うございます。

コメントへのお気遣い有難うございました。さて、富士急の場合は、夕方の各駅停車が2000形充当で、特別料金無しで乗車できますが、オグリキャップさんが例として出している伊豆急のリゾート21と比較しますと、車内のグレードは、富士急2000形に軍配が上がりそうです。時間帯からして、地元の方でないと乗るのは厳しいかもしれませんが、私も機会があれば、この各駅停車に乗ってみたいです。

なお、本文中にも触れていますように、2000形は種車の都合上、展望車の向きが統一されていません。大月から河口湖まで展望車で移動してみたいとは思いますが、下り列車で乗る場合は、富士吉田方が展望車となっている第1編成のほうが良さそうですね。

投稿: TOMO | 2008/08/17 10:03

明日2009年4月18日から、
「リバイバルカラー列車」登場だそうですね。
詳細は同社ページをどうぞ。

投稿: たこさん | 2009/04/17 14:26

たこさん、富士急情報ありがとうございます。

早速富士急のサイトを確認しました。京王から譲渡された1000形車両に、昭和31年から採用されたカラーを纏うのですね。このカラー、小田急からの譲渡車までは採用されていましたが、現在の主力車両である1000形では採用されませんでしたね。今回のリバイバル企画で、初の組み合わせとなるのですが、富士急のサイト内に出ていたイメージを見ますと、なかなか似合っていますね。

6月からは、更に昭和20年代のカラーの車両も走るようですから、今年の富士急線は、楽しみがいっぱいですね。いずれ、このブログでも取り上げたいと思います。

投稿: TOMO | 2009/04/19 11:53

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 「パノラマエクスプレスアルプス」の生まれ変わり 「フジサン特急」を撮る:

« 富士急の主力 1000系を撮る | トップページ | 8月14日の萩山駅 »