浜松工場 新幹線なるほど発見デーに行ってきた
お待たせいたしました。それでは、7月27日に出掛けてきた、JR東海浜松工場の公開イベント「新幹線なるほど発見デー」のお話です。
7月27日、私は東京11時3分発の「ひかり369号」で浜松へと向かった。本当はもう少し早く出掛けたかったのだが、こんな時間となってしまった。浜松到着は12時33分。到着後、すぐに浜松工場へ行けるように、昼食は車内で駅弁を食べる事にした。様々な駅弁が並ぶ中、選んだのは深川めし。小田原を通過した辺りから食べ始める。
12時33分、浜松に到着。物凄く暑い。東京を出発する時は、それ程暑さを感じなかったのだが、この暑さは異常だ。でも、暑さに負けるわけにはいかない。まずは改札口へと向かう。ここで、浜松在住のmaaさんと合流。さらに、静マサさんとお会いして、暫く立ち話。そして13時過ぎに浜松工場へ向けて出発した。もうこの時間だと、無料送迎バスも簡単に乗れる。約10分ほどで浜松工場に到着した。
到着後、まずは総合受付へ行き、パンフレットを貰う。このイベントは、毎年2日間開催しているが、この日も会場内はかなり混雑していた。同じ日に、JR東日本でも仙台の新幹線車両基地の公開を実施しているので、そちらにも多少は流れるのだろうと思っていたのだが、浜松も盛り上がっている。尤も、浜松と仙台、両方の会場を回ると言う強者も世の中にはいらっしゃるようだが、私の場合、EF58やED18等との1年に1度の対面を大事にしたいので、どうしても浜松に足が向いてしまう。
さて、浜松入りが午後になってしまったので、あまり時間がない。広い工場なので足早に回らなくては。まずは検査中の車両の観察から始める。
7月27日、恒例の「浜松工場新幹線なるほど発見デー」へ出掛けてきた。まずは、検査中の車両の観察からスタート。
検査中の700系車両。普段はなかなかお目にかかれない連結面の部分も、工場内なら簡単に拝む事ができる。こう言った光景は、各社の車両工場が公開されると、良く見かける光景ではあるが、流石に新幹線車両だと、1両辺りの大きさが在来線車両とは異なるため、1両単位でも、その大きさに圧倒されてしまう。
整備中の700系(手前)と300系(奥)。
700系と300系では、帯のパターンが異なるのだが、こうやって並べると、その違いが良く解る。
車体上げ乗せ作業実演に使用される700系先頭車。
この日最後の車体上げ乗せ作業実演が14時からスタートと言うことなので、まだ少々時間がある。とりあえず、この場から離れて、屋外の車両展示会場へ先に行くことにした。
今年も展示された「ドクターイエロー」T4編成。
実際に営業運転で走る新幹線の列車と同じ速度で走行しながら、架線・軌道の状態を検測する「ドクターイエロー」。月に数回、定期的に走行しているとは言え、普段はなかなかお目にかかれない車両だけに、この車両の周りには、大勢のファンが集まっていた。
運転台見学及び車掌体験用として展示された300系。
N700系の増備が進む中、老朽化が進む300系は廃車が進行している。この編成も、もしかしたら、この展示が最後のご奉仕なんて事になってしまうかもしれない。
その300系の留置場所を更に進む、懐かしい顔が私を待っていた。
国鉄時代末期からJR初期の東海道新幹線を支えた100系。
国鉄時代末期に登場した100系。二階建て車両の導入など、新幹線に新たな風を吹き込んだ車両であるが、既に東海道新幹線では営業運転を終了しており、営業用車両として現存するのは、JR西日本の山陽新幹線「こだま」用車両のみ。この浜松工場には、先頭車と食堂車が1両ずつ残されている。
そして、100系の後ろ側には更に懐かしい顔が・・・
0系新幹線の先頭車も展示された。
昭和39年に登場した0系。40年以上に亘り、日本の鉄道の高速輸送を支えてきた0系車両だが、最後まで残ったJR西日本の車両も、いよいよ今年、現役を引退する事になっている。JR西日本に残った0系は、昔ながらのカラーに戻されており、引退までに一度は見に行きたいと思っている。
運転台見学用車両として展示されたN700系。
ここまで見てきたところで時刻は14時を迎えた。車体上げ・乗せ作業実演コーナーの見学に行く。早足で実演コーナーへ向かうと、ちょうど作業が始まったところであった。
車体上げ・乗せ作業実演中の700系車両。
このイベントの最大の見せ場でもある車体上げ・乗せ作業の実演。頭上を新幹線車両が越えていく姿は、まさに圧巻であった。
この後、私は再び屋外の車両展示会場へ向かう。
300系試作車両の先頭車。
今年の4月11日に浜松工場周辺を散策した際にも、公道から目撃した300系試作編成の先頭車両。今回のイベントでも展示された。やはり、この車両は計画中のJR東海博物館に展示される事になるのだろうか。
そして、300系試作車両の後ろには、試験車両であるこの車両が展示されていた、。
955形試験車両「300X」の先頭車。
300系に続く次世代の新幹線車両の開発の為に登場した試験車両である955形、通称「300X」。この車両で得たデーターは、後に登場する700系やN700系にしっかりと反映されている。
入替用車両と連結された状態で置かれていた700系中間車。
ここまで見学してきたところで、今度はいよいよ在来線車両の見学となる。ここ数年、JR東海では機関車が続々と運用を離脱。その結果、毎年、このイベントでは在来線車両の展示車両が厚みを増すという、何とも皮肉な現象が起きている。まず、私を出迎えてくれたのは、この車両だった。
EF58 122号機。
飯田線の「トロッコファミリー」などで使用されていたEF58 122号機。この後ろには青いEF58の姿も見えており、JR東海に残っていた2両のEF58が、2両とも浜松工場で撮影した1枚の画像に収まってしまうと言うのは、何とも寂しい話である。私自身、この車両を最後に撮影したのは、2006年5月5日に撮影した飯田線の「トロッコファミリー号」だった。
EF58 157号機。
EF58 122号機と共に、飯田線などで活躍を続けていたEF58 157号機も、昨年ついに引退となり、ここ浜松工場にやって来た。同機は、現役で走る最後の青いEF58として人気があった。私も、EF58に関しては、茶色よりも、このカラーの方が個人的には好きである。この車両を最後に撮影したのは、2007年7月1日に撮影した飯田線の工臨。この日は、飯田線の野田城付近で工臨を撮るだけの為に、午後から新幹線で現地へ出向いた。
クモヤ90005。
72系電車を改造して誕生した事業用車両クモヤ90。JR化後も、JR東日本・東海・西日本に継承されたが、既に現役を退いている。JR東日本にも、東京総合車両センター内にクモヤ90801が残されているが、保存状態はあまり良くない。浜松工場に残るクモヤ90005は、綺麗に再塗装もされており、更に72系特有の三段窓も当時のままのようで、貴重な存在と言えるかもしれない。
モハ111-1+モハ110-1。
トキ900形。
トキ900形は、1943年から1946年に掛けて製造された戦時設計の三軸無蓋貨車。浜松工場では、2000年に構内作業用として残っていた下回りを利用して復元された。
2000年に浜松工場で復元された事を証明するプレート。
「ユーロライナー」廃車後は工臨などで活躍していたEF64 35号機。
2005年4月に廃車となったJR東海のジョイフルトレイン、「ユーロライナー」の専用機として活躍をしていたEF64 35号機も、「ユーロライナー」廃車後は、工臨などで細々と現役を続けていたが、ついに現役を引退し、浜松工場入りとなってしまった。私自身、この車両を最後に撮影したのは、2007年7月1日に飯田線の工臨を撮影に行った帰りに、豊橋駅にて留置中の姿であった。この時はパンタグラフも下がっていたので、あまり良い画像とは言えない。運用中のものとなると、2006年5月4日の深夜、名古屋駅で目撃した単機回送が最後かもしれない。
飯田線の「トロッコファミリー」に使用されていたED18 2号機。
1992年に、飯田線の「トロッコファミリー」用として浜松工場で動態復元されたED18 2号機。2005年の夏に致命的な故障を起こしてしまい、休車扱いとなってしまった。私自身、この車両を最後に撮影したのは、2005年7月30日、浜松工場のイベントに出掛ける前に、飯田線で「トロッコファミリー」の撮影をしたのだが、これが本当に最後の撮影となってしまった。この時撮影した画像のうち、トロッコ客車のオハフ17の画像は、2006年3月に小中学校向けの壁新聞に採用され、私自身にとっても忘れられない撮影となった。
ラッセル車DE15。
在来線車両の展示は以上であるが、今年は更にこんな車両を見る事が出来た。
入場中の117系中間車。
浜松工場は、在来線車両の検査もやっているため、このような車両も入場しているのだが、これまで、イベント開催時には、在来線車両の入場車が人目につくことは殆どなかった。しかし、今回は、このように通路となっている場所で、117系を見る事が出来た。
ここまで見てきたところで、会場内には「蛍の光」が流れ出した。私は、会場を離れ、今度は公道から数枚撮影する事にした。
DE15と無料送迎バスに使用されている遠鉄バス。
EF64 2の姿を発見!
JR東海の電気機関車では、最後まで工臨に使用されていたEF64 2号機が、ついに運用を離脱し、ここ浜松工場入りしてしまった。今回のイベントで展示される事を密かに期待していたのだが、残念ながら展示車両とはなららず、入替用車両とDE10の後ろに少しだけ見える状態で撮るのが精一杯だった。私自身、この車両を最後に撮影したのは、2008年1月26日の事。静岡県内へ西武30000系の甲種輸送を撮影に行った際、偶然にもEF64 2号機牽引の後輪に遭遇したのであった。今思えば、この時、静岡県内まで甲種を撮影に行った事で工臨まで撮れた訳で、この時は行って大正解だった。
この撮影を以って、浜松工場の撮影を終了。私とmaaさんは、路線バスで浜松駅へと戻った。
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コメント
先週は浜松までの遠征お疲れ様でした。
急なメールに対応していただきありがとうございました。
私自身4年振りの浜松工場でしたが仰る通りに機関車が増えてる印象が強いです。
今のJR東海の機関車に対する方針が出ていて寂しい限りです。
JR以外で浜松の鉄道ネタとして遠州鉄道の高架部分伸延工事もありましたが忘れていました。
今後も宜しくお願いします。
投稿: maa | 2008/08/02 13:19
maaさん、こちらこそお付き合い頂きまして有難うございました。
普段は関東エリアで活動しているため、なかなか浜松地区の話題を取り上げる事はできませんが、浜松は好きな地域の1つですので、年に何回かは、浜松周辺の話題を取り上げたいと思っています。今後ともどうぞ宜しくお願いします。
投稿: TOMO | 2008/08/03 13:51
こんにちは。
その日は仙台に行っており、ファステックの最終展示という情報もありました。
仙台はあいにくの曇り空で、多少蒸し暑かったものの、風もあったのでそうでも無かったですね。
機関車の扱いは、全般的に老朽化も激しいですし運用効率もよくないし、一番の少子化対策では、3Kを嫌がるのも多くて、難しいですよね。
投稿: 横山 正典 | 2008/08/03 13:56
横山正典さん、コメント有難うございます。
仙台へ行かれましたか。暑い中、お疲れ様です。ファステックは、今回が最終展示ですか。となると、そろそろ試験走行も終わってしまうのでしょうか。
機関車に関しては、仰るとおりですね。乗務員の育成も必要ですし、今後、JR貨物以外のJR各社は、JR東海と同じような動きが出てくるかもしれませんね。
投稿: TOMO | 2008/08/03 18:11
こんにちは。
先日は遠いところからお疲れさまでした。
久しぶりの浜松工場のイベントに参加出来て、
かなり楽しむことが出来ました。
ちょこっと小旅行気分を楽しめました。
銀河が引退した理由というのは、JR東海の機関士育成を行ってなかったことみたいですね。
ここ数年でカマの運用がガクンと減りましたし、現役引退となりましたからね。
今度、三島へ来る際はご連絡をお待ちしております。
今後ともよろしくお願いします。
投稿: 静マサ | 2008/08/05 16:41
静マサさん、コメント有難うございます。
浜松ではお世話になりました。私の出発が遅れてしまったために、慌しく改札近くでの立ち話になってしまって申しわけございませんでした。でも、お会い出来てよかったです。
三島に行く時は連絡を入れますので、スケジュールが一致すればまたお会いしましょう。
投稿: TOMO | 2008/08/06 23:41