しなの鉄道169系湘南色編成を撮影する
前の記事でお解かりの通り、11月15日の朝と夜は、中央線の特別ダイヤの観察をしたが、昼間は日帰りで長野へ行ってきた。
9月に奇跡の復活を果たした、しなの鉄道の169系湘南色編成。リバイバル運転の模様は、弊ブログの9月14日付記事でお伝えしたとおりである。来年3月までの期間限定で復活した湘南色編成は、これから先、長野県内各地でのリバイバル列車に使用されることになっているが、それ以外の時は、しなの鉄道線の一般運用に就いている。湘南色編成の運用情報は、毎月、しなの鉄道の公式サイトに発表されており、朝から夕方まで運用に就く41運用に入る日が狙い目となるのだが、なかなか土日に当たる事が少なかった。しかし、11月15日は久しぶりに土曜日に41運用に入る事になっていた。もともと9月に訪れた時も、落ち着いたら普段着の姿で走る姿を撮っておきたいと思っていたので、これは願ってもないチャンス到来である。私は長野行きを決めた。
15日朝、まずは国分寺と西国分寺で中央線の撮影。そして、武蔵野線・埼京線を経由して大宮へ移動。大宮から長野新幹線「あさま509号」に乗り込む。同列車は、国分寺駅の指定券券売機で確認したところ満席。仕方なく自由席にした。混んでいても高崎までだろうと甘い考えで、大宮駅乗車前に、朝食用のカツサンドを購入し乗り込んだが、自由席はラッシュ時の通勤電車並みの混雑。高崎で下車客がいたものの、それを上回る乗車があり、軽井沢まで立ちっぱなしだった。ようやく軽井沢で空席を見つけ、座席に座りカツサンドを食べた。
10時07分、上田駅に到着する。ホームに降りた瞬間、肌寒さを感じた。持参したベストを着て、しなの鉄道の乗り場へ向かう。出札窓口で、11月24日までの期間限定で販売中の1日乗車券を購入し、10時19分発の長野行きに乗り込む。9月にも訪れたテクノさかきで下車する。この駅で降りた理由は、およそ3分後に、41運用の中に含まれる快速602Mが通過するからである。169系の運用は、事前に発表されてはいるが、何分にも古い車両なので、故障等で運用に入れなくなる可能性が無いわけでも無い。確実に走っている姿を見るまでは安心できない。ここで赤い電車が来てしまったら、ここまで来た意味が無くなってしまうのだ。ホーム上でカメラを構えて撮影準備をしていると、前方から湘南色の169系が接近してくるのが確認できた。これで一安心。
11月15日、2か月ぶりにしなの鉄道を訪れて、169系湘南色編成を撮影した。
快速小諸行き602M。2か月前は、この時間帯に撮影しても、側面に日が当たったと思うのだが、今は正面しか当たっておらず、1発目の撮影は、ちょっと失敗に終わってしまった。
テクノさかき駅周辺では、この後も少しだけ撮影し、11時28分発の長野行き1637Mで屋代へと向かった。ネットで検索していると、屋代駅から割と近い場所に、上り列車が良く撮れる場所がある事は確認していた。そこで、湘南色編成が通過する前に場所取りしておきたかったのである。屋代駅で下車し、戸倉方向へ歩くこと10分弱。駅から数えて3つ目の踏切がポイントとなる。既に先客がお1人いらっしゃったので、声をかけて、その方の右隣に三脚を置かせてもらった。そして、およそ10分後、小諸からの639Mが通過。言うまでもなく湘南色編成での運転である。上り線側から撮影するが、逆光気味で、あまりよく撮れなかった。
小諸から戻って来た湘南色編成。
撮影後、上り快速606Mに備えて、下り線側で待機する。最初は三脚を用意していたのだが、狭い場所なので、この後も撮影される方が来るのではないかと考慮し、三脚を片づけ、手持ち撮影に切り替えた。そして、上り644Mでリハーサル。
115系による644M。
順光の中を行く115系。良い感じで撮影出来た。これで、あとは169系による606Mの接近を待つばかりだ。しかし、この頃から時々曇りがちに。なんとか順光で撮りたい。そう思いながら待機していたら、通過直前になって再び光線状態が良くなってきた。そして、時刻となり169系湘南色編成がやって来た。
快速列車として再び小諸へ向かう169系湘南色編成。
曇ってしまった時は、どうなる事かと心配していたのだが、どうにか光線状態も良好な状態で撮影することが出来た。この場所には、最終的に5人の撮影者が集まったのだが、ここに集まった人たちの願いが通じたのかもしれない。以前は各地で見ることが出来た湘南色の急行型電車。3両編成で快速運用に就く姿は、国鉄末期からJR転換時によく見られたシーンである。リバイバル列車の時とは違った、昔懐かしいこの姿の画像は、帰宅後、早速PCの壁紙画像に指定してしまった。
さて、この後は、上り列車に乗り込んで一駅、戸倉駅へ移動する。ここで、駅構内の立ち食いそばでおそい昼食とした後、屋代方向へ歩き出す。駅から10分ほど歩いた場所に、撮影できそうな場所を見つけた。既に4人の先客がいらしたが、ご挨拶をして後ろから撮影する。この頃から雲行きが怪しくなり、時折小雨が降り出して来た。カメラが濡れないようにタオルをかけて列車の通過を待つ。せめて撮影本番のときぐらいは、雨がやんでほしい。その願いが通じたのか、169系湘南色車の通過前には雨が上がってくれた。
色づいた木々をバックに長野へと向かう169系湘南色編成。
ついこの前まで暑いなあと思っていたが、11月に入りすっかり秋らしくなり、特に信州は東京よりも一足もふた足も早く秋が進んでいる。走行中の169系の後ろにそびえる山の木々も色づいており、湘南色編成とうまくマッチしていた。
この日の169系湘南色編成は、この後、長野からの戸倉行き1656Mが最後の列車となる。私は更に屋代方向へと進んだ踏切から、1656Mを撮影してみた。
41運用最後の列車となる戸倉行き1656M。
この撮影を以て、41運用の撮影を終了とした。
そして、この後は、いったん上田へ戻る事に。上田へ向かう列車に乗る前に、まずはホーム上から、駅構内の留置線に留置中の湘南色編成を撮ることにした。
1日の運用を終えて、戸倉の留置線に留置される湘南色編成。
上田へは、JRの115系で移動する。そして、上田で40分ほど休憩し、次に乗車するのは長野行き快速609M。この列車は、「しなのサンセット号」の送り込みとなる列車なので、当然、169系での運転となる。この日充当されたのは、8月に検査を受けたばかりのS54編成。まずは、ホーム上から上田駅停車中のS54編成を撮影する事に。
上田駅で出発を待つS54編成。
17時47分発車と言うことで、この時期では真っ暗。上田駅ホームは、ある程度の長さがあるのだが、3両編成の列車しか発着しないと言う事から、3両分だけしかホームの照明も点けられていないため、クモハ側からの撮影は正面に明かりが回らなかった。
撮影後、車内へ。長野までの30分間、急行型電車の走りを堪能するため、今回も最後部のクモハ169に乗車する。その前に、クモハ169のデッキにある、この箱を撮影してみた。
クモハ169-13のデッキにあるATS-P制御装置の箱
しなの鉄道所有の169系では、唯一のATS-P取り付け車と言うことで、クモハ169のデッキには、このような箱が置かれている。
さて、クモハ169の車内の空席に腰を下ろすと、すぐに出発となった。戸倉・屋代・篠ノ井のみの停車と言うことで、この日も往年の急行を彷彿させる走り。長野までの約30分間はあっという間に終わった。
長野駅3番線に到着すると、折り返しは「しなのサンセット号」になるのだが、その折り返し時間の合間、隣の4番線には、こんな車両が停まっていた。
長野駅で並んだ、169系と485系ジョイフルトレイン「いろどり」
この日、485系「いろどり」は、しなの鉄道の小諸から、長岡までの団体列車に使用されていた。日帰りのツアーだったようで、遭遇したのは長岡からの帰り道。長野駅で20分ほど停車するダイヤになっており、ちょうど169系の折り返し時間とピッタリ一致した。
この後、駅に隣接したビル内の蕎麦屋で食事した後、長野駅から新幹線で東京へ。普段は大宮で下車するのだが、この日だけは中央線の特別ダイヤを観察するために東京まで乗り通した。思えば、東京駅から東北・上越・長野方面の新幹線に乗る事はあったが、逆に東京駅まで乗車するのは、この時が始めてだったかもしれない。朝の下り列車とは異なり、車内はガラガラだった。
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コメント
169系が3両編成で走っていると、まるで長電に乗り入れた頃を思い出しますね!
全盛期、サロ2・サハシ1編成に入っていた頃…長大編成で走る姿も迫力がありましたが、この3両編成で走る姿もなかなかです…。
私もこの秋に軽井沢や御代田でこの169系を見ました。
気付いたのは貫通幌がTc側でなく、Mc側に装着されているんですね…。
しかし…よく整備していますね!MT54は115系と共通でまだ部品も大丈夫でしょうが、台枠や車体は昭和43・44年製造です!補修大変だと…思います!
投稿: 準急豊島園 | 2008/11/17 08:26
準急豊島園さん、コメントありがとうございます。
165系や169系は、クモハがある点で、最短で3両編成での運転が可能となりますから、サロやサハシを連結した長編成も魅力的ですが、3両編成で走る姿も、この形式の魅力の一つだと思います。せっかく復活した湘南色編成、しなの鉄道と長電の関係も良好のようですから、長電線内での復活運転も期待したいところでありますが、今現在、屋代の工場を通さないと線路はつながっていないそうです。でも、実現してもらいたいと思っているファンは多いと思います。
投稿: TOMO | 2008/11/18 07:36