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上信電鉄を撮影する その2

では、続いて1月17日の上信電鉄撮影記。

朝から、ちろ氏とともに行動したこの日。磯部駅でEF55の回送を撮影した後は、後続の普通列車で高崎へと戻り、駅ビル内で昼食。そして、いったん新前橋までの往復乗車を挟んでから、上信電鉄の撮影に入った。

前回、11日に訪れたポイントは、既に先客がいたため、私達は更に南高崎方向へ進む。小さな踏切で999号を撮影したのだが、あまりうまくはいかなかった。再び、高崎駅方向へと戻って、11日に撮影したポイントへ戻ろうとすると、出場したばかりの500形第2編成が、高崎検車区構内で試運転を実施しており、本線の手前まで出てきていた。残念ながら、あと一歩と言うところで撮影が出来なかったものの、貴重なシーンを見る事が出来た。

撮影ポイントに到着後、気を取り直して、入替作業で検車区から出て来た別の車両を撮影する。

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入替作業のため、本線手前までやって来た1000系車両。

1000系は、1976年に輸送力増強と旧型車の置き換えを目的として、新潟鉄工所(現・新潟トランシス)で製造された生え抜きの車両。登場時は3両編成だったが、後に輸送力過剰となり、2002年より2両編成に改められた。

1000系の入替作業を終えると、次の下仁田行きまで暫く時間がある。その間に前方を見ると、503Fが「試運転」幕を出したまま停まっているのが見えた。そこで、この場所から503Fを撮影してみる事に。

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「試運転」幕を表示したまま、検車区内に留置されている500形503F。

西武時代は、「急行」や「準急」など、種別を表示していた左側の幕に、今は「試運転」と表示されている。上信電鉄では、基本的に全列車が各駅停車となっているので、普段は左側の幕に「ワンマン」と出されるのみ。「ワンマン」以外の文字が左側に表示される機会は、それ程多くないのかもしれない。それだけに、こう言う形で撮影できたのは嬉しかった。

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デハ252+クハ1302による下仁田行き。

250形は、1981年、6000系と同時に新潟鉄工所(現・新潟トランシス)でデハ251と252の2両が製造された。2両編成の6000系と異なり、250形は、単行運転並びに200形の増結用として登場した事から、200形同様、非冷房車として登場している。このデハ252は、冷房化の際に、1000系の2両編成化で余剰となったクハ1301と固定編成を組み、現在に至っている。現在では、ご覧のように下仁田のコンニャク食品メーカーであるヨコオ食品工業のラッピング車となっている。

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マンナンライフのラッピング車である155Fの下仁田行き。

前回も撮影した150形第3編成である155F。今回は、倉庫代用として残っている旧451系の103Fと、JRの留置線に停められている183系と合わせたスリーショットで撮影してみた。

ここまで撮影したところで、今度は反対側に移動し、上り列車を撮影してみる。

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クハ303+デハ251の高崎行き。

クハ303を先頭にやって来たこの編成も、先ほど撮影したデハ252+クハ1301同様、最近では固定編成化された組み合わせで、2両とも「人形処かんとう」のラッピング車となっている。

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デハ251側も撮影。

この後、私とちろ氏は、撮影地を後にして高崎駅へ移動する。実は、私自身、上信電鉄にはこれまで乗車したことが無い。そこで、体験乗車と称して、高崎駅から2駅目となる根古屋駅まで乗車してみる事にしたのである。待っていたのは、先ほど撮影したばかりの「人形処かんとう」のラッピング車となっているデハ251+クハ303の編成である。

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高崎駅で出発を待つ下仁田行き。

デハ251とコンビを組むクハ303は、西武所沢車輛工場で生まれた車両である。この車両が生まれた頃、西武所沢車輛工場では、自社車両だけでなく、このように地方私鉄の車両も作っていた。いざ乗り込んで見ると、同時期に作られた701系や101系に通じるものがあり、西武沿線で育った私には、どこか懐かしさを感じた。

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クハ303車内の製造銘板。西武所沢車輛工場生まれの証。

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クハ303車内にある扇風機。

今年、生誕40年を迎えるクハ303は、併結相手のデハ251に合わせて、バス用エアコンを使って冷房改造も実施されていた。しかし、車内にはご覧のように扇風機も残されているのだが、この扇風機、以前は西武の車両にも同じ物が付けられていた記憶がある。

さて、ここまで撮影したところで、いよいよ発車時刻となる。私はクハ303の車内に空席を見つけて腰を下ろした。出発後、すぐに南高崎に停車。南高崎を出ると、新幹線の高架が近付いてくる。そして、すぐに信号所に入り、上り列車と交換。その後発車して、烏川を渡り、根小屋駅へと到着した。高崎~南高崎間の一駅間と比べると、信号所有り、鉄橋有りと変化に富んだ区間だった。

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根小屋駅。

根小屋駅。ホームが片面だけの小さな駅だが、いざ降り立つと、駅員さんが、改札口で乗客一人一人に「おかえりなさい」と声をかけながら出迎えてくれた。初めて降り立つ駅だが、この光景に、何かホッとさせるものを感じた。鉄道の駅は、近年、自動改札化も進み、駅員さんとの触れ合いが、昔から比べれば減っている。私の地元駅でも、自動改札化されるまでは、改札口に駅員さんが立ち、夕方、駅に降り立てば、乗客一人一人に「お疲れ様でした」と声をかけてくれた。その声を聞いて、帰って来たんだなと言う安堵感を感じたものだ。一昔前なら、どこでも見られた光景を久々に見る事が出来て、何か嬉しい気分になった。

この後、私は、20分後にやって来る高崎行きの電車で折り返す。やって来たのは、この車両であった。

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根小屋駅に到着した500形「銀河鉄道999」ラッピング電車。

ご覧のように、銀河鉄道999号となった501Fである。撮影後、いざ車内へ。西武時代を色濃く残す外観だけに、車内も昔のままかと思ったのだが、なかなかどうして、上信電鉄でのワンマン運転に際して、車内にはLED式の表示機が設けられるなど、結構手は加えてあった。そして、天井にも銀河鉄道999の絵が描かれている点も驚いた。

車内の装飾に驚いているうちに、終点の高崎に到着した。ここで再び同編成を撮影する。

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500形車内にある銘板。

この車両は、上信電鉄入線に際して、西武鉄道の武蔵丘検修場にて改造工事を実施している。その為、車内には西武車両の銘板も貼られている。一応、更新扱いとなっているようだ。

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車内に描かれた999の絵。

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高崎駅に停車中の500形「銀河鉄道999」ラッピング編成。

この撮影を以て、1月17日の上信電鉄の撮影を終了として、JR高崎駅構内へ移動した。

初めて乗車した上信電鉄。今回乗車したのは僅か2駅だったが、懐かしい光景も見られて、充実した一時を過ごすことが出来た。今度、群馬へ出掛けた時は、もう少し先まで足を延ばしてみようと思う。

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コメント

TOMOさんこんにちは。上信電鉄、久しぶりに写真を拝見しましたが、夏に乗りたくなりました。沿線に富岡製糸場があるんですよね。そこも行ってみたいです。マンナンライフの広告電車、かわいいですね。

投稿: オグリキャップ | 2009/01/25 15:35

オグリキャップさん、コメントありがとうございます。

上信電鉄、魅力ある車両が多く良いですよね。私も、今回は2駅だけの乗車ですが、全線通して乗ってみたくなりました。仰る通り、沿線には学校の教科書でも一度は見たことがあるはずの富岡製糸場があります。こちらも合わせて訪問するのも良いかもしれませんね。

投稿: TOMO | 2009/01/26 12:12

こんにちわ。
失礼を承知のうえ…いやはや上信がノーマークだったとは正直以外でした
(すみません。
上信線は沿線の各駅の構えも個性的なので気が向いたら是非とも踏破して
欲しいです。
503Fもようやく出場のようで。昨秋のイベント(10/末)で既にバラされた状態だった
ので長丁場の離脱となったみたいですね。
撮影も元801系のサファリ号を入れればまずはひととおりではありますが広告車等
知らぬ間にデザインががらりと変わる編成もあるので油断できなかったりします(笑。

投稿: 明之秀次(仮名) | 2009/01/26 13:26

明之秀次(仮名)さん、コメントありがとうございます。

高崎市内には、親戚もあったり、友人もいたりしますので、これまでに何度も高崎を訪れているのですが、上信は、つい高崎駅で見る程度でして、これまで一度も乗車していませんでした。西武鉄道の中古車が走っているのですがねえ。その反面、同じ群馬県内を走る上毛電鉄は、何度か乗車した事がありますが、前回乗ったのは、西武鉄道の旧351系が走っていた頃ですね。

元801系であるサファリ号に関してですが、こちらは1月11日の撮影時に、高崎駅構内に留置されていたのですが、留置スペースの関係で良く撮れませんでした。この編成に関しては、次回訪問時のお楽しみにしておきたいと思います。

投稿: TOMO | 2009/01/26 23:51

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