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ひたちなか海浜鉄道 キハ223のさよなら運転を撮影

7月26日、東十条での撮影を終えた後は、上野駅から常磐線の特急「スーパーひたち」に乗りこんだ。目的地は、先週に引き続き、ひたちなか海浜鉄道である。

ひたちなか海浜鉄道では、三木鉄道からのミキ300入線により、既存の旧型車両1両が廃車となる事になっているが、ミキ300の営業開始よりも一足早く、キハ223が引退する事になり、この日、定期列車に併結する形で、さよなら運転が実施されることになっていた。キハ223は、北海道の羽幌炭鉱鉄道から、ひたちなか海浜鉄道の前身である茨城交通に1970年やって来た車両である。北海道や東北地方で活躍していた旧国鉄のキハ22と同等の車両で、今となっては数少ないキハ22タイプを維持する車両である。

実は、先週、ひたちなか海浜鉄道の吉田社長とお会いした際に、留置中のキハ223も撮影したのだが、キハ205とキハ2005に挟まれた形ではどうにも納得できず、やはり最後の雄姿を見届けたいという気持ちになり、気付けば2週続けて常磐線の特急に乗り込む事になった。

上野駅8時発の「スーパーひたち」で出発。一路、勝田へと向かう。車内で時刻表を見ながら行動パターンを決める。すると、この列車で勝田に行っても、ひたちなか海浜鉄道との接続が悪いことが判明。いったん、水戸で下車し、水郡線の列車を観察してから勝田へ向かうことにした。勝田駅には9時50分ごろ到着。まずは1日乗車券を購入し、入線していた10時00分発の阿字ヶ浦行きに乗車。待っていたのは、先週の取材時に何度も乗車したキハ37100-03だった。この列車で中根へ向かう事にする。1日乗車券を購入する方が多く乗降に手間取ったのか、勝田駅を出発したのは10時04分の事であった。列車は淡々と走り、およそ10分ほどで中根駅に到着する。

中根駅、以前にもご紹介したが、駅周辺は水田が広がっており、どこから撮っても、のどかな田園風景が広がる。さよなら運転を行うキハ223を連結した定期列車は、私が勝田から乗車した阿字ヶ浦行きが、那珂湊で交換してくるため、この時点であまり時間がない。そこで、以前にも撮影した事がある、中根駅に隣接した踏切の近くから、上り列車を撮影する事にした。三脚にカメラを固定させて、列車の到着を待つ。撮影準備を終えてからおよそ5分後の事。キハ223を連結した勝田行きが、ゆっくりと近付いてきた。

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キハ205+キハ223が中根駅に差し掛かる。

途中、那珂湊駅でしか列車の行き違いができない事から、今回のさよなら運転は、定期列車と併結する形で実施。旧型車両で唯一の冷房付きであるキハ205との併結が予想されていたが、期待通り、キハ205と連結。更に、エスコート役ともいえるキハ205にも、キハ223引退記念のヘッドマークが掲出されていた。

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中根駅に停車中のキハ223。

駅に隣接した踏切のすぐ近くで撮っていた事から、停車中の様子も難なく撮影する事が出来た。

続いて、勝田から折り返してくる阿字ヶ浦行きの撮影に移る。今度は、待望のキハ223が先頭になるため、中根駅の勝田方へと撮影場所を変更する。ここも大勢の鉄道ファンが待機しており、その中に、くましげさんの姿を発見。以後、行動を共にする事に。くましげさんと撮影準備をしながら待つ事およそ20分。キハ223を先頭にした阿字ヶ浦行きがやって来た。

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キハ223を先頭に阿字ヶ浦へと向かう。

田園風景の中を行く2両の気動車。この日の主役であるキハ223を、ようやく捕える事が出来た。

キハ223さよなら運転の1往復目の撮影は、これにて終了。今度は2往復目に向けて移動をする。とりあえず、くましげさんと相談した結果、中根駅からやや那珂湊方へ移動した場所で狙う事にした。駅からだと徒歩15分程度の所なのだが、ちょっと離れてしまう事もあるのか、この場所は比較的空いていた。まずは勝田へ向かう列車から撮影を開始する。

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再び勝田へと向かうキハ205+キハ223。

手前の水田が水鏡となったが、水鏡にする割には、やや中途半端な形となってしまった。

そして、この後、勝田から戻って来る阿字ヶ浦行きを撮る事になるが、この場所からやや阿字ヶ浦方に移った踏切付近から撮影するが、日影がなく、待っている間とても暑かった。

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再び阿字ヶ浦へと向かうキハ223+キハ205。

順光の中で撮る事が出来たキハ223+キハ205。暑い中待った甲斐があった。

この後は、中根駅まで戻り、後続の下り列車で那珂湊へ移動する。駅で20分ほど待ち、キハ37100-03による阿字ヶ浦行きに乗車。冷房がガンガン効いており生き返る。車内で5分ほど涼んで那珂湊に到着すると、ラストランを終えたキハ223を切り離す作業が行われていた。

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那珂湊駅ではキハ223の切り離し作業が行われていた。

2往復に及ぶさよなら運転も無事に終了。キハ223は、ここでキハ205から切り離されて、那珂湊の機関区へと入庫する。キハ205は、引き続き営業運転に就くため、単行となって勝田を目指し出発していった。

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切り離されたキハ223。

切り離されたキハ223は、暫くして機関区へ入庫するため、入れ替えが始まった。

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機関区へと向かうキハ223。

那珂湊機関区内へと入っていくキハ223。これが本当の意味でのラストランと言えるだろう。多くのファンが見守る中、キハ223は、下りホームからよく見える場所に停車。最後のファンサービスか。ホーム上は自然と撮影会状態となった。

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最後の営業運転を終えて、那珂湊機関区に戻って来たキハ223。

キハ223、お疲れさまでした。

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こちらは留萌鉄道からやって来たキハ2005。

こうしてキハ223のさよなら運転は無事に終了した。撮影後、出場するため上りホーム側に移動すると、社長さんがいらしたので、先週のお礼方々ご挨拶をする。さよなら運転も無事に終わり、社長さんもホッとした様子だった。

この後、駅周辺の食堂で昼食を摂った後、那珂湊から勝田へ向かうことにした。那珂湊から乗車するのは、この車両である。

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那珂湊駅に入線するキハ205。

キハ223のエスコート役と言う大役を終えて、通常の運用に戻ったキハ205。車内は冷房が入っているのだが、バス用クーラーは効きが悪く、窓が開けられており、車内はとても蒸し暑かった。

このまま勝田まで乗り通す事も考えたのだが、やはり最後はキハ205だけの走行シーンも撮っておきたい。そう思い、再び中根駅で下車。折り返して阿字ヶ浦へ向かうキハ205を、後追いではあるが撮影してみた。

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単行で阿字ヶ浦へ向かうキハ205。

この時、初めて気がついた事なのだが、キハ223と連結し2両編成で運転していたせいか、勝田方は「ワンマン」の表示がなかった。何となく国鉄時代に戻った感じに見えた。

撮影後は、再び中根駅へと戻り、続けてやって来たキハ37100-03による勝田行きに乗り込み、勝田へと戻った。

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コメント

続けてのお出まし、ありがとうございました。
またしてもバタバタの真っ最中で、ろくにご挨拶もできず、失礼いたしました。
応援団仲間の撮った車内からの中根の様子を見たら、あぜ道いっぱいの人の列・・・しかし、幸いにも道が狭すぎて一列にしかなれないためでしょうか、見送る人が大勢いることなど感じさせない風景に仕上がっていますね。

私自身は乗ることもなく見送りましたが、最後に車庫に入るところを見ることができました。
そして今日、那珂湊を通ったら、またよく見える外に223が・・・車内では「223だ!」とささやく鉄道少年たちがいました。

投稿: | 2009/07/30 18:05

 暑い中、お疲れさまでした。
 ワンマン表示、忘れてましたね。
 貴重なシーンということでご勘弁を。
(吉田)

投稿: ひたちなか海浜鉄道 | 2009/07/30 21:44

コメントありがとうございます。

舞さん>
先日は暑い中お疲れさまでした。こちらこそ、慌ただしくご挨拶してしまい、失礼いたしました。中根駅周辺は、仰る通り、畔道いっぱいに鉄道ファンが集まっていました。しかも夏なので線路近くの草も伸び放題。こりゃ足元が映らないかなあと思っていたのですが、実際に撮影してみると、それほど気になる事もなく、更に周りに人が多い事を感じさせない仕上がりになってくれたのはホッとしました。キハ223は、長年の現役生活を終えて、今はゆっくりと休んでいると言うところですね。暫くは構内に留置と言う事になるのでしょうか。また近いうちに那珂湊に行ってみたいと思います。

ひたちなか海浜鉄道 吉田社長様>
先日はありがとうございました。当日は暑い1日となりましたが、キハ223とキハ205を思う存分撮る事が出来て、とても充実した1日となりました。最後のキハ205のおまけも有り難く頂戴いたしました。

また近いうちに沿線にお邪魔したいと思います。今後とも、どうぞ宜しくお願いします。

投稿: TOMO | 2009/08/01 00:50

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