大月で富士急を撮影
では、再び9月1日のお話に戻ります。
猿橋駅で209系の配給列車を撮り終えた後は、立川方面へ戻る計画だった。しかし、列車の時刻表を見ると、上り列車が30分近く間隔が開いていた。そこで、予定を変更し、数分後にやって来る下り列車に乗って、お隣の大月駅へ移動する事にした。やってきたのは、長野総合車両センターの115系。スカ色の車両を期待していたのだが、残念ながら遭遇しなかった。
猿橋駅から乗車しておよそ3分後、大月駅に到着する。せっかくなので、富士急の電車でも撮影してみよう。JRのホームから富士急のホームを見てみると、見慣れないクリームと茶色のツートンカラーの電車が停まっていた。JRのホーム上からは、この列車を撮影し辛いため、改札を出場。駅に隣接している踏切から、停車中の1000系車両を撮影してみた。
大月駅に停車中の1000系リバイバルカラー車1001F。
富士急は、今年開業80周年。主力の1000系車両(元京王5000系)2編成を、昭和20年代並びに30年代に採用されていたカラーに変更して運転している。大月駅で見かけた1001Fは、リバイバルカラー第二弾、昭和20年代、富士山麓鉄道時代のモハ500形で採用されていたカラーに変更されている。
踏切で1001Fを撮り終えた後は、そのまま線路沿いの道をまっすぐ進み、駅の富士吉田方に有る歩道橋の真下までやって来た。ここで、河口湖へ向かう1001Fを撮る事にする。数分後、1001Fは大月駅を出発。構内のポイントをゆっくりと進みながらやって来た。
大月駅を出発する1001Fの河口湖行き。
この後、再び大月駅へと戻るのだが、ここで、次にやって来る富士急の電車が、8月より運転を開始した観光列車「富士登山電車」による運転と知る。「富士登山電車」は、JR九州の特急列車のデザインなどでお馴染みの水戸岡鋭治氏が外装デザインを担当した車両。関東では初の「水戸岡デザイン」の車両を一目見ておきたい。そう思い、先程1001Fを撮影した踏切で待機する。
数分後、上り列車がやって来た。さあ、水戸岡デザインの車両、しっかり撮らなくてはと思ってカメラのファインダーを覗いていると、見えてきたのは青い1000系。あれ、話が違うぞ。そう思っていたら、後ろには、今から80年前、開業当時の車両に採用されていた、「さび朱色」を纏った「富士登山電車」を確認した。まずは入線シーンを撮影する。
富士吉田方に「富士登山電車」を連結した4両編成でやって来た上り列車。
「富士登山電車」は、1000系車両を改造した観光列車で、マッターホルン号として運転していた1205Fを改造して誕生した。2両編成のうち1両は、座席定員制の着席券車両として運転されるが、各駅停車に充当されるため、多客時には、このように一般の1000系車両を連結し、4両編成での運転となる。
電車がホームに停車したのを確認して、今度は踏切上から、「富士登山電車」を撮影してみる。
大月駅ホームに停車中の「富士登山電車」(前2両)
水戸岡氏によりデザインされた「富士登山電車」は、中央のドアを塞いで窓を新設するなど、かなり大掛かりな改造が施されていた。
この日は、残念ながらこの後にも予定が幾つかあったため、この列車の撮影を以て、大月駅を離れる事にした。今回は、見るだけに留まった「富士登山電車」。この日出会えなかった昭和30年代のカラーに復元された1000系を訪ねながら、この列車に乗って、富士急行線の車窓をのんびりと味わうのも悪くはないだろう。
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コメント
富士急も気付いたら、いろいろ愉しいことになってますねー。
パッと見、能勢電鉄かと思いましたが、今、あっちはこの色じゃないんでしたっけね(^_^ゞ
実は近場なのにちょっとしか乗ったことないやー。
投稿: waka | 2009/09/09 08:54
画像の1001Fがまだ試運転していた時(富士急行でのデビュー前)に、河口湖で撮影した事があります。まさかこの編成が茶色+クリーム色帯になるなんて、思いませんでした。
投稿: 岩崎友裕 | 2009/09/09 11:38
wakaさん、岩崎友裕さん、コメントありがとうございます。
wakaさん>
私も、この1001Fのカラーを見たとき、第一印象は「能勢電鉄」でした。確かに、このカラーを纏っていた時期が有りましたよね。ちなみに、能勢電鉄は、今年100周年を記念して、リバイバルカラーの車両を運転しており、この富士急1001Fに似たカラーの車両も、2両登場しているそうです。
岩崎友裕さん>
1001Fを営業運転開始前、試運転で撮影されたとなると、今から15年ぐらい前の話ですね。この車両から、塗装のパターンも大幅に変わってしまいましたから、当時としては斬新に見えたのではないでしょうか?
投稿: TOMO | 2009/09/10 00:22
こんばんは。ちょうど1ヶ月前、ツーデーパスを利用して乗ってきました。やはり何といっても富士登山電車に付きますね。これまで九州や和歌山といった日帰りだとキツイところにしか走っていなかった水戸岡デザインの車両が首都圏に近いところで見ることができるようになりましたが、外観のみならず車内も水戸岡氏らしい趣向が凝らされていて、乗っているだけでも楽しかったですね。
ぜひとも一度乗車されることをお勧めいたします。
投稿: mattoh | 2009/09/11 23:06
mattohさん、コメントありがとうございます。
ツーデーパスで富士急が乗れると言うのは、大変ありがたい事ですね。この切符を使えば、気軽に富士登山電車にも乗る事が出来ますね。
水戸岡デザインの電車は、この車両が関東初上陸となりましたが、私自身は、実際に和歌山電鐵で乗車した事が有りますが、あちらは少ない車両の中の一部が水戸岡デザインになり、ラッシュ時にもごく普通に運用に就かせると言う事になっています。私が乗車した時は、貴志川線まつりがおこなわれていましたので、せっかく乗車した水戸岡デザインの車両も、ラッシュ時並みの混雑となっていました。混雑時に乗ると、逆に普通の車両が良かったりしますが、富士急に関しては、どうやら混雑時は一般車を増結し対応するようですから、じっくり楽しめそうですね。これは一度乗ってみて、その良さを体感したいと思います。
投稿: TOMO | 2009/09/12 01:28