D51試運転を撮影
9月13日のお話。
昨年12月に遠征先でのボイラー故障の影響で、運用を離脱していたD51 498号機。復帰まで1年半は掛かると言われていたが、予定よりも大幅に早く、9月4日、大宮総合車両センターを出場したのは、先日お伝えしたばかりである。
出場後は、10月3日から、高崎~水上間にて、SLみなかみ号として営業運転を開始する予定だったが、急きょ9月19日からの5連休(21日を除く)にも、SLみなかみ号の運転が追加された。営業運転に先立ち、9日より試運転が開始された。試運転の模様を撮りたいと思っていた矢先、13日にも試運転が有りそうだと言う情報をインターネット上で見つけた。本当にあるなら撮影してみたい。私は13日の朝、復活したD51に会うため、上越線沿線へと向かった。
前日中に入手していた「ツーデーパス」を使用して新小平を出発。家を出る時間がやや遅れたことと、高崎線が人身事故の影響で遅れが出ていた為、大宮から高崎まで新幹線を利用した。流石は新幹線。大宮~高崎間を20分少々で行けると言うのは凄い事だ。「ツーデーパス」は、2日間普通列車が乗り放題ではあるが、青春18きっぷと異なり、特急券を購入すれば、新幹線にも乗れると言うのが有りがたい。高崎には8時40分頃に到着した。
駅構内で朝食を摂った後、上越線の普通列車に乗り換え先を目指す。今回は、1回目から渋川以遠で撮影をする事にした。高崎問屋町・井野と撮影者がゼロだった事から、試運転が本当にあるのか不安になった。しかし、八木原から先に進むと、各撮影ポイントに撮影者が出始めているのを見て、試運転が有ることを確信した。私は、そのまま上越線の普通列車に乗り続け、お馴染みの岩本駅で出車。ここで、D51を待つ事にした。
岩本のお馴染みのポイントは、私が到着した時点では、約10名が待機していた。思ったより少ない。私は、中学生ぐらいの少年達が集団で構えている所のやや後ろで待機する事に。D51通過までの約1時間、ここで待ち続ける。約40分後、D51に先行する普通列車が到着すると、この場所も徐々に人が増え始めた。私の前にも少年達がに入って来る。「後ろでも撮っているからあまり出ないでね」と少年達にお願いをすると、一度は下がったのだが、もう前方にD51の姿が確認できた頃になって、上り線の道床部分の近いところに、三脚を置いて撮ろうとする少年が出てきた。さすがに、これをやられると、私のカメラの画面に入ってしまう。撮りたい気持ちも解るが、SL通過直後には、上りの特急列車が通過する事も解っていたため、安全面も考慮し「入るよ」と注意。どうにか試運転一発目は無事に撮る事が出来た。
D51 498号機が、ついにホームグラウンドへ。本番に先駆けて実施された試運転を、まずは岩本で撮影。
悪夢のボイラー故障から約9カ月。奇跡の復活を遂げたD51 498号機は、上越線の線路を1歩ずつ踏みしめるかのように、私の目の前を通過して行った。これまでに、上越線でD51の撮影は何度も実施してきているが、今回が、今までの中で一番輝いて見えたような気がした。また、後ろに連なる12系客車にも、小さな変化が見られたが、この場所では撮影をしなかった。
さて、この後は、いつものように水上へと追跡する。岩本駅へと戻り、後続の普通列車を待つ。やって来たのは、107系の4両編成だった。そのまま乗り通し水上に到着。ここで、改札を出て転車台へと向かうのだが、改札前で、知人と遭遇する。以降、行動を共にする事に。
知人とそのお仲間の方と合流し、3人で転車台付近へ行くと、既にD51の方向転換は終了しており、ピット線で整備中であった。
折り返しに備えて整備中のD51 498号機。
まずは、整備中のD51 498号機を撮影。この時点では、やはり撮影を終えて追っかけてきた人たちで、この付近もごった返しており、なかなかまともには撮れなかった。その後、少し落ち着いて来た頃を見計らって、別アングルからも撮影してみる。
別アングルでも撮影。
この旧水上機関区跡地だが、転車台を使ってSLが方向転換する作業を見物する方が多くいる事から、今回のD51運転再開に合わせて整備を行い、ちょっとした公園風に生まれ変わっていた。公衆トイレも設置されており、その変りようにちょっと驚いてしまった。
一通り撮影もしたので、このあとは駅前のラーメン屋で昼食を摂った後、上りの撮影に移ることにする。まずは水上駅を離れる前に、連結されていた12系をちょっとだけ撮影してみた。
両端のスハフには、テールマークらしきものが・・・
今まで、客車側に装飾をしたということはなかったのだが、今回から、客車にテールマークを付けるようで、両端のスハフには、カバーがかかった状態ではあるが、マークらしきものが付けられていた。12系にテールマークと言うと、急行「ちくま」「だいせん」に使用されていた車両や、お座敷客車に改造された車両を思い出す。
「SL試運転」の幕
通常の「試運転」に加えて、わざわざ「SL試運転」と言う専用の幕が用意されていた。こんなサプライズが有るとは思ってもいなかったので、これを見たときは正直驚いた。
そして、私達は、水上から高崎行きに乗って2駅。後閑へと移動する。駅から10分ほど歩いた月夜野病院付近のポイントで撮影する事にしたのだが、現地へ行ってみてびっくり。手前に介護施設が建ったせいで撮り辛くなっていた。先行列車でリハーサルを重ねて、何とか撮れる事を確認。本番もここで撮る事にした。そして、15時40分頃のこと、D51の試運転が私の目の前を通過して行った。
一路、高崎へと向かうD51 498試運転。
この場所は、後閑駅に近く、冬場であれば、間違いなく煙が期待できる場所だった筈なのだが、煙は風に流されてしまったのか、目立たなくなってしまった。
後閑駅発車の際、D51 498号機の汽笛が、いつもより気持ち長く聞こえた。まるで「帰って来たぞ!」と言っているようだった。D51 498号機は、復活前、この後閑駅で保存されており、もしかしたら、担当の機関士の粋な計らいで、いつもより長く鳴らしていたのかもしれない。
この撮影を以て、D51 498号機の試運転の撮影を終了。後閑駅へと戻り、後続の普通列車で高崎へと向かった。
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コメント
方向幕に「SL試運転」が用意されていたのは、初めて見ました。あとスハフ12に取り付けられたテールマークとおぼしき代物、あれは取り外し出来るのでしょうか?
投稿: 岩崎友裕 | 2009/09/18 00:12
岩崎友裕さん、コメントありがとうございます。
方向幕は、私も初めて見ましたので、正直驚きましたよ。テールマークに関しては、後付けですし、取り外しは可能じゃないでしょうか?
投稿: TOMO | 2009/09/18 07:17
TOMOさん、どうもです。
私が撮影した17日は、らしきものは取り付けられていませんでした。
投稿: ちろ | 2009/09/19 21:16
ちろさん、コメント&トラックバックありがとうございます。
17日の試運転では、テールマークらしきものが外されていたのですね。正直19日の運転開始まで付けたままだと思っていましたから、これは意外でした。
営業運転開始後も一度は行かないと・・・
投稿: TOMO | 2009/09/21 18:07
TOMOさん、どうもです。
本日(23日)、SLみなかみ号を撮影に行ってきました。
高崎方のスハフにゴールドのテールマークが取り付けられていました。
また、水上方のスハフは青いものが取り付けられていたようです。
おそらく、先日TOMOさんが撮影されたのは、大きさから考えても
このマークにカバーが掛けられていたもののようですね。
ただ、SLにはヘッドマークは取り付けられていませんでした。
投稿: ちろ | 2009/09/23 22:36
ちろさん、コメント&トラックバックありがとうございます。
SLみなかみ号の撮影お疲れさまでした。本番では、客車のテールマークが付いていたのですね。しかも、両端でデザインが違うとなれば、これは後追いもしっかり撮らないといけませんね。
投稿: TOMO | 2009/09/24 00:01
マエストロです。お久しぶりです。
D51の復活、本当に嬉しいですね。連休中に上越線まで出向いてその様子を撮影してきました。次はぜひ乗車しようと思います。
ブログの方が、以前と変わりました。今後はこちらでよろしくお願いします。
投稿: マエストロ@管理人 | 2009/09/28 00:59
マエストロさん、コメント&トラックバックありがとうございます。
高松での生活は慣れましたでしょうか?このシルバーウィークは、地元へ帰ってらしたのですね。D51は、およそ10ヶ月間、運用を離脱していましたので、私が試運転を撮影しに行った日も、多くのファンがD51の雄姿を見ようと、上越線を訪れていました。
この列車は、どうしても撮る事が主体となり、なかなか乗ると言う方の方が少ないと思うのですが、たまには、のんびりとSL列車の旅を楽しむのも良いのかもしれませんね。
投稿: TOMO | 2009/09/30 06:41