川越車両センターまつり会場へ行く
さて、所沢での野暮用を済ませた後は、西武新宿線の特急「小江戸13号」で本川越へと移動する。
この日、川越の町は「川越まつり」が開催されていた。今年はNHKの朝の連続テレビ小説でも、川越が舞台だった事もあり、「川越まつり」を訪れる方も多いようで、普段は空いている「小江戸号」も、普段より気持ち乗客が多かったように感じた。
本川越駅からは、徒歩で川越駅へと移動するが、ちょうど祭の真っ最中。いつもならスムーズに移動できる両駅間も、この日は祭の見物客や山車を避けながらの移動となり、普段よりも時間がかかってしまったが、乗車予定の川越線上り電車には、何とか間に合った。
川越駅から、川越線の上り電車で一駅。南古谷で下車する。この南古谷駅は、川越線・埼京線の車両を管理する川越車両センターの最寄り駅。この日は、川越まつりに合わせた訳でもないだろうが、この川越車両センターでも、「川越車両センターまつり」と称したイベントが開催されていた。このイベント、ここ数年は毎年開催されているのだが、イベントの告知が、川越車両センターの最寄り駅のみの告知とあって、これまではイベントそのものの存在をなかなか知る事が出来なかったのだが、今年は前日にこの情報を入手した事もあり、今まで行った事がない川越車両センターに行ってみる事にしたのである。
イベントの開催時間は14時30分まで。南古谷駅から車両センターを目指して歩き、会場内に到着したのは、13時55分頃のことであった。既に終了まで30分少々。入口で記念品を貰った後、会場で出会った知人と共に、車両が展示されている留置線へ。こんな車両たちが展示されていた。
川越まつりと同じ日に開催された川越車両センターまつり。会場内ではこんな車両たちが展示されていた。
事業用車や特急形車両など、多彩な車両たちが顔を揃えた。
集められた車両には、ヘッドマークや方向幕の回転サービスなどは無く、他の車両基地のイベントから比較すると、やや地味ではあるが、自分自身、興味のある車両であり、それぞれを有り難く撮影する事にする。
209系を改造した試験車両「Mue Train」
試験車両「Mue Train」は、在来線車両の技術革新のために改造された試験車両で、E233系投入に伴い余剰となった209系を改造した車両。種車は、旧浦和電車区のウラ2編成で、川崎重工で製造された209系量産車のトップ編成である。改造後は、この川越車両センターに配属されたが、試験車両と言う事で、各線へ出張しており、中央本線でも試験走行をする事がある。また、7両編成でありながら、中間のサヤを抜いた6両編成で運転される事も多い。これまでにも、撮影チャンスはあったのだが、走行していた事を後から知ったりと、あまり縁がなかった。今回、念願の初撮影となり、しかもフル編成での7両編成で撮影できたことは嬉しかった。
209系試験車両「Mue Train」と湘南色の115系。
209系と115系、こうして見比べると、209系のスマートさが解る。
高崎車両センターから出張してきた115系。
かつては宇都宮線・高崎線で良く見る事が出来た湘南色の115系も、今となっては、高崎周辺でしか見る事が出来なくなった。この日、川越車両センターにやって来た115系は、クモハ115とサハ115が連結された4両編成。11編成ある高碕車両センターの115系の4両編成の中で、クモハとサハが連結されたタイプは、T1044編成とT1159編成の2編成のみ。T1044編成に関しては、D51 498号機の試運転を撮影した9月13日に、岩本駅付近で遭遇している。この日、川越にやって来たのは、もう1編成のT1159編成であった。
4両編成で展示された185系200番台車。
上野から上越線・吾妻線方面へ向かう特急列車に使用されている、大宮総合車両センターの185系。この日、川越車両センターで展示されたのは、OM06編成。本来は7両編成なのだが、なぜか4両編成での展示となった。伊豆方面へ向かう「踊り子」に活躍中の田町車両センター所属の0番台車も含めると、185系は、最短5両から最長15両まで、その用途に応じた編成両数で運転をしているが、このように4両編成での走行実績は、私自身聞いた事がない。
事業用車、クモヤ143-11。
各車両基地での入替や職員輸送などに使用される事業用車両クモヤ143。最近では、構内入替もアントによって行う車両基地も多くなってきており、クモヤ143の活躍の場も少なくなってきた。その為、クモヤ143も少しずつではあるが姿を消しつつある。地味な存在であるクモヤ143も、この日は主役級として展示された。
普段は目にする機会のないクモヤ143が、これだけ撮り易い位置に置かれているとなれば、これはしっかりと撮影したい。そこで、暫くの間、クモヤ143を様々な角度から撮影する事にした。
様々な表記。
首都圏の多くの路線に入線できるよう、様々な機能が備わっている事から、それを現す表記も賑やかである。それぞれの表記を分析してみると・・・
【電気指令】
この川越車両センターからも103系は消え、所属車両は205系・209系のみとなった。電気指令式ブレーキ車が占める割合も多くなった事もあり、クモヤ143も、一部の車両が電気指令式ブレーキ車と協調が可能なように改造された。協調運転が可能な車両には、このように電気指令の表記が入る。
【ATC100】
1985年に開業した埼京線は、開業時よりATCを使用している。しかし、埼京線は山手線や京浜東北線よりも最高速度が高く設定されている事から、ATC対応車も、そのままでは入線できない。そこで、埼京線仕様に合わせ改造を実施。この川越車両センターに所属するクモヤ143-11と、東京総合車両センターの一部のクモヤ143に、この表記が見られる。
【P・SN・C】
それぞれ、ATS-P形、ATS-SN形、ATCを装備している証である。
DT21C台車。
2エンド側からも撮影。
もともと時間が短いにも関わらず、このクモヤ143だけで、かなり時間を割いてしまった。
洗浄線体験用に使用された八高・川越線用の205系(左)と、埼京線用205系(右)の並び。
埼京線用205系と、「リゾートエクスプレスゆう」の並び。
485系「リゾートエクスプレスゆう」は、勝田車両センターに所属するお座敷電車。1991年に登場し、当時は1列+2列の座席タイプだったで、4号車はイベントカーとなっており、登場時は「走るディスコ」と称された。1998年に、4号車を除きお座敷電車に再改造。4号車は現在でもイベントカーとして残されている。この日、「リゾートエクスプレスゆう」は、休憩用車両として使用されていた。
構内入替用アントと連結された、入替中の205系。
ここまで撮影して来たところで、イベントも終了の時刻となった。本当は検修庫内でも205系の展示があったようだが、撮影会場が空いていた事もあって、通常のイベント会場よりも落ち着いて撮影してしまい、時間切れとなってしまった。最後に、Nゲージの運転が行われていた詰所内に立ち寄り、写真などを鑑賞。その中には、こんなものも飾られていた。
埼京線開業・川越線電化開業記念ヘッドマーク。
1985年の埼京線開業及び川越線電化開業時に、両線で運用される103系の先頭車に、このヘッドマークが掲出されていた。
この後、会場でお会いした方達と、川越車両センターを後にして、大宮へと移動する。ここで暫くの間、撮影していたのだが、17時頃になり、7番線に回送列車が入線してきた。
大宮駅7番線に入線してきた「リゾートエクスプレスゆう」
川越車両センターで展示された「リゾートエクスプレスゆう」の回送列車だった。「リゾートエクスプレスゆう」は、暫くの間、大宮駅7番線に停車した後、高崎・宇都宮線方へ向かっていった。おそらくは、東大宮操車場へ向かったものと思われる。
8番線側からも撮影してみる。
この回送列車を撮影した後も、同様の回送が来るかと、暫く張り込んでみたのだが、来る気配もなかったため、快速「むさしの号」に乗って大宮を後にした。
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コメント
こんにちは。
10月は各地で鉄道イベントが続いていますね。川越
車両センターといえば205系の印象が強いだけに、
ここでの185系や115系は珍しい風景に思えます。
ところで川越線と高崎線って線路が繋がっていたの
ですね。大宮は地下と地上というイメージが強いので。
投稿: GO | 2009/10/18 20:28
川越車両センター行かれましたか。あそこは毎年情報掴むのが大変なんです。ちっちゃいポスター1枚だけと言うのも珍しくありません。
川セの公開だと毎年外展示車両はHM付けません。倉の中は付けることがありますが…。
185系は車輪削りにまれに川セに来るようですよ。
投稿: ミスター | 2009/10/18 21:28
迂闊でした、行っておけば良かった・・・。来年こそは、行こうと決意させて戴きます。それにしても川越祭りの最中の本川越駅から川越駅までの移動、本当に御苦労様でした!さぞ大変だったろうと思います。
投稿: 岩崎友裕 | 2009/10/18 21:56
皆さん、コメントありがとうございます。
GOさん>
川越線と高崎線は、現在でも線路がつながっています。ちょうど鉄道博物館の近くに連絡線が有り、車内からも確認できます。ミスターさんからのコメントにもあるように、185系は、大宮配置となってから車輪添削で川越車両センターに来る事も多いようです。
ミスターさん>
毎年、あとから公開の事実を知り、行けなかった事に後悔するのですが、今年はどうにか事前に知る事が出来ました。初めて、川越の公開に行きましたが、方向幕の回転やマークの掲出が無い分、撮影スペースも人が少なかった事もあって、一つの車両をじっくり撮影する事が出来ました。こう言うイベントも良いものだなと思いましたよ。また来年も開催してもらいたいです。
岩崎友裕さん>
実は、私も毎年岩崎さんと同じ感想を持っていました。川越まつりの最中の移動、確かに大変でしたが、お祭りのムードを楽しむ事が出来ましたから、ちょっときつかったけど、良い経験が出来たと思っています。
投稿: TOMO | 2009/10/19 01:44
南古谷駅のポスターは見てましたが、今年は行きませんでした。
展示車両に485系とあったので、「大宮近辺に展示に使える485なんてあったっけ?新潟車はフェアーウェイに使ってるし・・・」と思ってたら、「ゆう」だったんですか! 展示はともかく(^^;;)送り込みを荒川で撮りたかったです(ちなみに去年は「なのはな」、一昨年は「やまなみ」だったらしいです)。
しかし営業運転に伴う回送じゃないからか、DJ誌にもスジが載らないんですよね・・・。
あと、車輪添削にやって来る車両ですが、185系の他にも183系や189系「彩野」もやって来ます。去年車両センターで、非常脱出などの訓練コンテストが行われた時は、E233系の付属編成が来た事もあります。
投稿: ゑゐ | 2009/10/19 22:24
すみません、車輪転削に関する追加情報です。
添削する編成は大抵月曜か火曜に入区し、木曜までは転削。金曜日に車庫から出て、13時過ぎに荒川鉄橋を通過して大宮へ戻ります。
私は金曜日の13時頃に荒川鉄橋で待っていて4回撮影成功(185系2回・183系1回・彩野1回)してますので、よろしかったらご参考までに。
投稿: ゑゐ | 2009/10/19 22:32
ゑゐさん、コメントありがとうございます。
展示車両で485系と聞くと、新潟の国鉄色なのか、それとも勝田の車両なのか時になりますが、結局はお座敷電車だったと言う話は、以前、東京総合車両センターの公開でも有ったと思います。結局のところ、休憩用車両として使用したいと言う思惑が有るでしょうから、このようなイベント時には、お座敷電車の出番が多くなるのでしょうね。
車輪転削に伴う回送列車の情報ありがとうございます。作業は計画的に実施している筈ですから、日頃から観察できると、パターンがつかめますね。回送シーンを何度か撮られているとのことでうらやましいです。私も、大宮付近の川越線~高崎線の連絡線部分を行く回送列車を撮ってみたいです。
投稿: TOMO | 2009/10/20 23:55
こんばんは。先週はお疲れ様でした。
地元にいながらまだ行ったことがなかった川越車両センターのイベントでしたが、今年ようやく念願叶って行くことが出来ました。
公開された車両そのものは普段見慣れている車両ばかりでしたが、コンパクトながら車両展示や体験コーナーなど、他所のイベントにも負けない内容でなかなか楽しいイベントでした。
惜しむらくはあまり告知がされないことですかね。南古谷駅には事前に告知がされていたようですが、他の川越線の駅にはそのような告知が全くなく、直前まで開催するのか心配になっていました。せめて川越線沿線だけでも告知されているとありがたいところでしょうが、そうなれば混雑することは必至で、あれだけの規模の施設だとこれも致し方のないのかなとも思います。
投稿: mattoh | 2009/10/25 23:34
mattohさん>
私もこのイベントは毎年、開催後に知って悔しい思いをしていたのですが、今回は行くことができました。欲を言えば、もう少し長い時間いたかったです。
この種のイベントは、近年、どこの会場でも混雑が激しく、撮影もし辛いという状況が多くなっている中、イベントの存在そのものがあまり知らされていないせいか、今回のイベントは、会場内も空いていて、落ち着いて楽しむことができましたね。もう少し多く告知もしてもらいたいというのも正直な気持ちではありますが、逆に人が少ない方が見易いと言う事もあり、難しい問題ですよね。
投稿: TOMO | 2009/10/26 13:17