ヘッドマーク付きで運転されたD51試運転を撮影
天皇誕生日である12月23日、上越線でD51 498号機の試運転があるらしいと小耳に挟んだ。先日の旧客を使用したロケ列車は、八木原で撮影した1回のみであった事から、年内にもう1回ぐらいはSLを撮っておきたいと思っていた矢先のお話。そこで、朝早くに家を出発。八高線経由で上越線へと向かった。
拝島3分、高麗川1分と言うハードな乗り継ぎをクリアして、高崎9時17分発の上越線水上行きに乗車。まずは、岩本を目指す事にする。車内で、ちろ氏他数名のメンバーと合流し、撮影地を目指した。高崎を出発してから40分程度で岩本駅に着くと、いつもの撮影ポイントには誰もいなかった。これまで、何度かこの場所で撮影をしてきているが、こんなのは初めての経験である。早速、撮影準備に取り掛かる。先行の貨物列車や115系の普通列車で練習を重ねながら待つ事にする。先行の普通列車が過ぎ去った頃になると、徐々にファンの姿が目立つようになった。そして、11時20分頃の事。D51 498号機の試運転列車が、ゆっくりと近付いて来た。
D51 498号機+12系の試運転が岩本付近を通過する。
この日運転された試運転は、御覧のように、かつての寝台特急「ゆうづる」のマークをイメージしたような「試運転」のヘッドマークを掲出しての運転。また、客車に関しても、普段の「SLみなかみ号」に使用されている12系客車ではあるが、通常の運転時より1両少ない5両となっており、普段とは全く異なる姿での運転となった。
岩本での撮影を終えた私達は、いつものように、後続の上越線普通列車に乗り込み、水上へと移動する。およそ20分ほどで水上に到着。天気は快晴だったが、雪がかなり積もっていた。除雪された道路を進み転車台付近へ向かう。既に、D51は方向転換を終えており、ピット線へと入っていた。
折り返しに備えて、ピット線で整備中のD51 498号機。
やや人が少なくなった頃を見計らって、正面へと移動する。ちょうど良い感じで陽が当たって来た。
正面から縦アングルでも撮影してみる事に。
そして、ヘッドマークを中心に撮影してみると、意外な事実が解った。
特別に用意された試運転のヘッドマーク。
このヘッドマーク、撮影時には気付かなかったが、よく見ると、描かれているのはコウノトリのようで、コウノトリの口ばし付近には、C61 20号機のナンバープレートが描かれていた。ご存知の方も多いかと思うが、JR東日本では、D51 498号機、C57 180号機に次ぐ、3両目の蒸気機関車として、群馬県伊勢崎市の華蔵寺公園に保存されていたC61 20号機を復活させる事を発表している。今回の試運転に際して用意されたヘッドマークは、C61復活決定を記念して、コウノトリがC61を運んできたと言うのをイメージして作られたようである。
この後、駅前のラーメン屋で昼食を摂った後、再びD51 498号機を見に行く事に。先程の賑わいがウソのように静まり返っていたが、留置してあったD51 498号機にある変化が見られた。
雪だるまが載せられたD51 498号機。
担当の乗務員さんの粋な計らいなのか、小さな雪だるまが載せられていた。
さあ、そろそろ上り列車の撮影準備に取り掛かる。私達は、水上駅から試運転に先行する高崎行き普通列車に乗り込む。どこで撮影しようかと悩んだ結果、上牧駅手前のカーブ付近で撮影する事にした。上牧駅で下車し、水上方向に歩く事およそ10分。撮影地に到着。撮影準備をしていると、光線状態も良い感じになって来た。あとは、通過直前に雲が掛からない事を祈るばかり。雲の動きを気にしながら待つ事およそ10分。前方から試運転列車がやって来た。
上牧付近を行くD51 498号機の試運転列車。
この場所は、下り勾配の筈なのだが、担当乗務員氏の粋な計らいなのか。御覧のように想像以上の煙の量で、迫力ある写真を撮る事が出来た。
そして、最後は、新前橋駅でのバルブ撮影に挑戦する事に。ここ最近の撮影パターンとしては、新前橋のバルブ撮影は、人が多くて避けていたのだが、今回は沿線で撮影している人の数も少なめだった事から、挑戦する事にしたのである。停止位置も程よい場所で、何と私が陣取っていた場所がドンピシャだった。
新前橋駅を出発するD51 498号機の試運転列車。
最後は、夜汽車のムードも撮影する事が出来た。
こうして、D51撮影は、これにて終了。新前橋からは吾妻線の普通列車で高崎へと移動。お世話になったちろ氏と、駅前の飲食店で祝杯をあげたのは、いつものパターン。そして、ほろ酔い気分で八高線に乗車し、往きと同じルートで帰宅した。
今回は思わぬ形でヘッドマーク付きの試運転を撮影する事が出来た。当日、上越線沿線に集まったファンの皆さんには、1日早いクリスマスプレゼントとなった事だろう。
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コメント
私にとって、鉄道の楽しみ、しかし今年はヘッドマークに恵まれず、特に11月以降、イベントの重複や悪夢と不運の毎日ばかりでした。
この日も、クリスマスだから東京近郊で京王サンタ特急とみなとみらい号があったため、高崎までは行くことができませんでした。しかも、試運転があり、ヘッドマーク付とは知りませんでしたので、撮影された方は大収穫かもしれません。
逆に私は、いつも貧乏くじばかり引かされています。
やはり、京王とみなとみらい号に比べては、D51のほうが迫力があり、注目が集まっています。
しかも失業中のため、18切符で計画的に立て、一発勝負で取り組まないと無駄使いとなるので、今回のD51はイベント競合が原因で不可能となってしまったのです。
その結果、不運の反省をするため、新年は迎えられないことから、新年は見合わせていただくよう、ご理解願います。
それでは、よろしくお願い申し上げます。(。>0<。)
投稿: K.A | 2009/12/26 09:33
拝見させていただきました。
こういった試運転があるのは全然知りませんでした。
SLの黒光りした車体は最高ですね。
特に最後の写真はいいですね。
投稿: 千葉港 伝助 | 2009/12/26 10:43
そのうち八高線あたりで旧型客車牽いてくれるのを期待しましょう。
みんな言わないだけで、架線は邪魔だと思ってるんですよ・・やっぱり。
昭和46年の八高線蒸機お別れ運転の再来でD51+C58+旧客なんて良いですね。
できない組み合わせでは無いので、タマにはやって見せて欲しいところですね。
投稿: クハ1193@球場 | 2009/12/27 00:47
皆さん、コメントありがとうございます。
>K.Aさん
ヘッドマークがお好きなようですね。この日は、御覧のようにD51の試運転列車に、このようなヘッドマークが掲出されたのですが、このD51の試運転に限らず、全国的に見れば、いろんな場所でヘッドマーク付きの列車が運転されていると思います。私は、幸運にもD51の試運転のヘッドマークを撮影する事が出来ましたが、逆にK.Aさんが撮影された京王のサンタ特急と、東急のみなとみらい号は撮影できなかった訳ですから、あまりご自身を不運だとは思わない方がよろしいかと思います。
>千葉港 伝助さん
今回の試運転、磐越西線のクリスマストレインと重なっていたせいか、それとも、あまり知られていなかったのか、沿線に訪れたファンの数は少なめでした。今回は、人が少なかった事もあって、新前橋駅でのバルブもやってみましたが、発車直前に撮ったこの写真が、良い感じに写ってくれました。
>クハ1193@球場さん
八高線でも何年か前にD51を走らせた事が有りましたね。非電化区間のSL運転。しかも首都圏エリア内と言う事で、集まったファンも多かったと思います。しかし、沿線の各撮影地では、ゴミの投棄やトイレの問題などで、地元の方からの苦情もあったと言うような話を聞いた事が有ります。その事が事実であれば、八高線でのSLの運転は、ちょっと難しいかもしれませんね。
投稿: TOMO | 2009/12/27 03:05