西武多摩川線 101系甲種輸送を撮影 前編
中央線の武蔵境と、府中市の是政とを結ぶ西武多摩川線。
西武多摩川線は、数ある西武鉄道の路線の中で、唯一、他の西武線と繋がっていない路線である。この線の車両が定期検査を受ける場合、武蔵境駅で繋がっている中央線の線路を利用し、甲種輸送という形で、JRの機関車に牽引され新秋津へと運んでもらい、西武鉄道の車両検修場へと向かう。検修場からの出場の場合は、この逆のパターンというように、JRの線路を使わないと、車両の出し入れが全く出来ないと言う、まさに離れ小島的な路線である。
しかし、中央線の三鷹~立川間連続立体化工事開始に伴い、多摩川線の生命線ともいえるJRとの連絡線が寸断され、専用車両が線内封じ込めとなってしまった。工事期間中は、交換部品を多摩川線の白糸台車両基地に陸送しておいて、同基地内にてメンテナンスを実施、塗装の塗り直しも、車両基地内で実施されていた。この措置は、高架工事が完成するまでの7年間続き、本線系統では見られなくなった、101系低運転台車両が最後の活躍を続けていた。しかし、昨年12月に、JR中央線の上り線の高架工事の完成と合わせて、JRとの連絡線も復活。再び甲種輸送による車両交換が可能となった。また、西武鉄道では30000系の増備に伴い、運用を離脱した新101系の4連を、多摩川線に残る低運車の置き換え用として、多摩湖線で活躍中の101系リニューアル車と同等の改造を開始。第1陣となる247Fが完成し、本日、多摩川線へ送り込まれる事となった。
7年ぶりの復活となった、多摩川線車両の甲種輸送。今回は、車両の置き換えが絡んでいる事もあり、確実に撮影しておきたかった。しかし、確定申告シーズンで本業多忙と言う時期の実施。一度は撮影を諦めたのだが、せめて西武線内だけでもと思い、本日は早朝出勤。昼間の所沢の往復の時間分を早朝と夕方に振り分ける事で、外出の許可を貰った。
西荻窪の勤務先を12時20分頃出発。路線バスで西武新宿線井荻駅へと出て、ここから西武新宿線で一気に所沢へ。13時20分頃、所沢駅に到着すると、6番線には、これから多摩川線へ送り込まれる真っ白な101系が停められていた。
池袋線の30000系と並ぶ、多摩川線用新101系リニューアル車247F。
多摩川線向けの改造車247Fが、武蔵丘検修場を出場したのは、2月17日の事。御覧のように、真っ白な車体がとても印象的で、これまでにも、同編成を見た友人から画像付きメールが送られてきたり、西武鉄道を取り上げている複数のブログの記事にて、この車両の事は確認していたが、実際に自分の目で白い247Fを見るのは、これが初となる。
30000系の飯能行きが出発した後、247Fのみを撮影してみる。
白糸台へ向けて出発準備が続く多摩川線用新101系リニューアル車247F。
最後尾車両から前方を見渡した感じで撮影した後、前へ向かって歩いて行く。これまでの甲種輸送では、電気機関車のE31が牽引を担当していたが、今回、この247Fの牽引を担当するのは、多摩湖線で活躍中の263Fであった。
263Fと247Fとの連結面。
263Fは、登場時より牽引車として使用する事を考慮し、オールMで構成されている。この日の使用を前に、1月31日午後、南入曽車両基地へ回送され、その後、連結器を自連に変更し小手指車両基地へ移動。以後、約1ヵ月間、甲種輸送本番に備えた訓練が繰り返されていた。
出発を待つ263F+247F。
一連の撮影を終えた私は、改札を出場し、所沢陸橋へと向かうが、その前に東口駅前広場へ向かう階段付近からも247Fを撮影してみた。
東口へ向かう階段上から247Fを眺めてみる。
ここではあまり時間もないので、1枚のみの撮影に留めた。
撮影後、足早に所沢陸橋へと向かう。事務所を出た時には上がっていた雨が、所沢では再び本降りの状態となっていた。せめて、247Fが通過するときだけは上がってほしいのだが、どうやら、上がる気配は無い。所沢駅から歩く事およそ10分。所沢陸橋に到着すると、約20人ほどのファンが263F+247Fを待ちかまえている状態だった。
とりあえず、いつでも撮影できる状態にして、通過直前まで歩行者の邪魔にならない位置で待機する。待つ事およそ10分、13時52分頃の頃であるが、263Fに牽引された247Fが、ゆっくりと連絡線上をやって来た。
新秋津へと向かう263F+247F。
この後、普段の甲種撮影で有れば、新秋津へと追跡して、更に撮影を続けるところであるが、今日は仕事が残っている。私は駅周辺で遅い昼食を摂った後、国分寺経由で西荻窪の職場へと戻り、残っていた仕事の続きをした。
そして、夜になり、今度は八王子へと向かう。多摩川線へ向かった247Fは、いったん八王子へと向かい、日付が変わる頃まで、ここで過ごす事になっていた。これは、多摩川線への搬入を深夜に実施するためで、更に、武蔵野線から中央線の東京方面へは、直接入る事が出来ないと言う事も影響しており、多摩川線の車両交換は、以前も、この八王子を経由していた。
河口湖行きの中央特快で八王子に到着する。どこに247F入るだろうと思って探してみると、普段はレール輸送用のチキが停車している辺りに、DE10と連結された状態で停められていた。
八王子駅構内に留置中の247F。
白1色の車体は、暗闇でも良く目立つ。八王子駅構内で探すのには好都合であった。
この後、247Fを外から撮影しようと思い、駅南口へ降りて、線路に沿った道を歩いてみたのだが、手前にレール輸送用のチキが停まっていたりして、なかなか思うように撮影できなかった。南口の周辺をぐるっと1周した形で再び改札口へ。入線してきた中央線の東京行きに乗り込み、八王子を後にした。
後編へと続く。
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