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西武 E31形電気機関車さよならイベントへ 前編

3月28日のお話。

この日、西武鉄道のバラスト輸送や新車搬入などに活躍をしてきたE31形電気機関車が、24年間に亘る現役生活にピリオドを打つ事となり、横瀬車両基地において、「E31形電気機関車さよならイベント」が開催される事となった。

E31形電気機関車の活躍ぶりは、これまでにも弊ブログで何度も取り上げてきた。バラスト輸送が一足早くモーターカーに置き換えられてからは、走行する機会も少なく、最近ではハンドルを握る乗務員氏の高齢化も問題となっていた。そこで、西武鉄道では、多摩湖線に残っていた101系低運車の置き換えと兼ねて、牽引業務もこなせるオールMの101系263Fを登場させた。実際に、263Fが牽引業務に就くまでは、様々な紆余曲折があったようだが、3月6日から7日にかけて実施された多摩川線車両の甲種輸送で、牽引車としてのデビューを果たし、この結果、ついにE31が平成21年度内を以て引退する事となった。

さよならイベントの詳細は、西武鉄道の公式サイトで発表され、横瀬車両基地内での撮影会と、横瀬~西武秩父間で3重連によるラストラン1往復がメインと言う。最後の力走ぶりは、是非とも押さえたいところ。しかし、撮影場所が限られる事から、イベントの開始時刻よりも前に、現地入りし、撮影場所を確保しようと思っていたところ、イベントの当日、送り込みを兼ねて、E31牽引による101系低運車の廃車回送があるらしいとの話を聞き、急きょ、早朝からの出撃となった。

当日、朝6時前に家を出発。まずは所沢経由で飯能へと向かう。よせばいいのに、前夜「24シーズン7」の最終回を見てしまい、睡眠時間1時間と言う思いっきり寝不足の状態でスタートした。途中、所沢駅で、眠そうにしている知人に遭遇。聞けば、やはりE31狙いだとか。北飯能信号所へ行くと言うが、その彼は聞いてみると睡眠時間4時間だと言う。4時間も寝た人の方が、私よりも寝不足のような顔をしていると言うのはちょっと・・・

20106Fの飯能行きで飯能に到着。乗車してきた飯能行き車内には、いかにも「鉄ちゃん」と言う感じの人も多かったが、彼等は、そのまま目の前に停まっていた西武秩父行き車内に消えていった。このサプライズに関しては、西武沿線のファンの間で知られているのだけのようで、沿線外から来るファンには、あまり知られていないようであった。私は、所沢駅で出会った知人と、北飯能信号所を目指して歩く。どのぐらいの人が撮影に来ているのか、やや不安だった。飯能駅から歩く事およそ10分。東飯能4号踏切に着くと、既に何名かの鉄道ファンが待機している状態だった。ただ、思ったよりは少ないと言う状況。とりあえず、私は5号踏切の方に向かうが、ここも既に2名の方が待機しており、ちょっと撮影し辛い状態だった事から、4号と5号の間の駐車場付近より撮影する事にした。この場所も既に5名ほどの方が待機しており、先客の邪魔にならない場所で待機する。地元のおばさんからの「がんばってくださいね」と言う温かい声援で勇気付けられながら、待つ事およそ20分。E34+101系217F+E32+E31と言う編成が武蔵丘車両基地を出庫。飯能駅に向かっていった。

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ついにラストラン当日を迎えたE31。さよならイベント当日の朝、3両のE31達は、廃車解体のため横瀬車両基地へ向かう101系217Fを挟んで、横瀬車両基地へと向かっていった。

E34を先頭に、飯能へと向かうE31+217Fの回送。E34が先頭に立つのは、武蔵丘車両基地~飯能間だけであり、まずは無難に撮影する事が出来て良かったと思う。それにしても、E31最後のお仕事が、廃車となる101系を挟んで横瀬に行くというのも、長年、西武鉄道を支えてきたE31らしい最後と言えるかもしれない。

さて、E34を先頭に飯能駅へ向かった回送編成だが、まずは序章が過ぎ去ったと言ったところで、これからが回送列車の本番となる。私は、北飯能信号所で合流した仲間を引き連れて、飯能駅へと向かう。この後の行動を考えて、飯能駅最寄りの飯能逆1踏切(元加治13号踏切)で撮影する事にした。ここも既に先客が5名ほどといった状況だったが、合間から撮影させていただく事にした。

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池袋に向かう9000系に見送られて飯能駅を出発する、E31+E32+217F+E34。

撮影後、急いで飯能駅へ向かう。飯能駅8時20分発の快速急行西武秩父行き1003列車で追跡する。この列車、ダイヤ改正後より、4ドア車での運転となったようで、この日充当されていたのは、2089Fであった。改正前は、101系または3000系での運用だったため、座席数も多く、更に扉が少ない事も有って、車内も暖かかったが、この日はとても寒く感じられた。列車は、東飯能を過ぎ、高麗に向かう途中、武蔵丘信号所において、E31の回送列車を追い越した。よって、ここから先は先回りとなるが、あまり時間が無いため、駅間の撮影地に行くのは不可能。車内より、沿線の撮影地の状況を眺めてみた。流石に、高麗のカーブや吾野のお立ち台付近は、もう多くのファンが待機していると言う状況。皆さん、情報をしっかりと掴んでいるようで関心する。私達は、無理をせずに芦ヶ久保で下車。ここで、側線の3番線に入線するシーンを撮る事にした。

芦ヶ久保駅。先頭から2両目に乗っていた我々がホームに降り立った時、ホームの西武秩父方には誰もいなかった。その為、私達が一番乗りをして、ホームの先端を確保。その後、1003列車から降りてきた同業者がぞろそろと列を作り始めると、駅事務室方面から、警備担当のガードマンさん達がやって来た。「お手柔らかにお願いしますね」と言うガードマンさんからの挨拶に、やや緊張感が解れた。当初は、一番乗りだった私達だが、後から来た人たちが、どんどん自分の前に入られる事で、やや焦ってしまったが、まあ、どうにかなるさ。と言う気持ちで待機する。

寒さに耐えながら待つ事およそ20分。E31を先頭に回送列車が芦ヶ久保駅3番線に入線してきた。さあ、撮るぞ!と思ったら、何と停まった場所はホームの中程付近。私達は慌ててホームの中程へ移動。こうなると、先着順など、全く関係なくなってしまう。

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芦ヶ久保駅に入線するE31+E32+217F+E34。

集まっていたファンが、一斉にホームの中程に移動したため、撮影する方も一苦労。皆、良いアングルで早く撮りたいと言う気持ちは一緒なだけに、なかなか良いポジションは撮れない。そんな頃、今度は池袋からの快速急行が、芦ヶ久保に到着する事に。何も知らないで、この列車でやって来て、目の前にこんな編成が停まっていては、ホーム上は、撮りたいと言うファンで殺到する事だろう。まずは、快速急行が到着する前に撮影を終わらせるため、ライブビュー機能を使って撮影してみたが、どうにか狙い通りの形で撮る事が出来た。そして、撮影が終わった頃、池袋からの快速急行が到着。予想通り、ホーム上は大混乱となり、撮影出来るような状況ではなくなっていた。

この後、私達は、到着した快速急行に乗車し、横瀬に先回りをする事に。この時点で、イベント開始の10時には、まだ少々時間があるが、横瀬駅のホームから車両基地方向を見てみると、記念乗車券を購入する人達が列を作っている状態であった。また、広いイベント会場内には、先に廃車となり、横瀬車両基地内に保管されていたE33が、パンタグラフを上げた状態で停められていた。

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パンタグラフを上げた状態で、会場内に待機していたE33。

このE33にも、「さよならE33」と言うヘッドマークを貼った状態になっていたが、既に一足早く廃車となった車両なので、この時点でのさよならヘッドマークには、やや違和感を感じるが、4両並べて展示する上で、1両だけヘッドマークが無いのもおかしい事から貼り付けられたのだろう。

そして9時57分のこと。武蔵丘車両基地から横瀬に向かっていた、E31+E32+217F+E34が、いよいよ横瀬駅にやって来た。到着シーンを、横瀬駅ホーム上から撮影する事にした。

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横瀬駅に到着したE31+E32+217F+E34。E33と一瞬並ぶ。

E31+E32+217F+E34は、横瀬駅4番線に到着後、入換のため、西武秩父方の引き上げ線へと入っていった。

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到着後、217Fを牽引するE34。

こうして、E31さよならイベントの会場である横瀬に、主役となる3両のE31形電気機関車が到着した。さよならイベントとしては、これからがいよいよ本番。私達も、その本番に向けてスタンバイ開始。まずは、三重連による西武秩父までのさよなら運転撮影に備えて、撮影地へと移動した。

後編に続く。

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