塗装変更目前?京都総合運転所の113系と117系
さて、奈良線の103系を撮影していた5月21日の昼頃の事。ふと3番線を眺めてみたら、国鉄色の117系が停車しているのが見えた。そこで、奈良線の103系の撮影を中断して、117系を見渡す事が出来る4番線へと移動した。
京都駅3番線に停車中の117系国鉄色編成。
国鉄時代、競合する私鉄各線に対抗するために、2扉転換クロスシート車として1979年にデビューした117系。京都・大阪・神戸を結ぶ最速達列車、新快速として約20年間、君臨してきた車両であるが、新快速の任務を、後輩の223系に譲った現在では、一部の車両が、和歌山・岡山・下関などに転用されたものの、8両編成2本、6両編成6本が、新快速として走っていた東海道本線の線路脇にある京都総合運転所に残り、湖西線や草津線のローカル列車に運用されている。
ところで、JR西日本では、アーバンネットワーク地域を除く管内各地域で活躍中の鋼製車両の塗装を、地域別に単色化する動きが進んでおり、京都地域においても、湖西線・草津線で活躍中の113系と117系に関しては、「和」をイメージした抹茶色にすることを発表しており、今後、徐々に塗装変更が進むものと思われる。117系に関しては、関西急電以来の伝統を守る塗装を纏っているだけに、何とか残してもらいたいものだが、既に岡山地区に転用された117系に関しては、中国地域の地域色である黄色に改められた車両も出ており、この京都においてもまもなく塗装変更されるものと思われる。
さて、今回撮影した117系だが、良く見ると大きな特徴があった。同編成の4号車付近をアップにしてみると・・・
4号車のモハ116にもトイレを増設している。
JR西日本の117系は、新製時に、東京方の先頭車であるクハ117にトイレを設置していなかった。しかし、御覧頂いているS02編成と、もう1本、トップナンバー車両が含まれるS01編成に関しては、10年ほど前に、6号車のクハ117にトイレを増設。更に、昨年からは4号車のモハ116にもトイレを増設。その結果、この2編成に関しては、トイレが編成中3カ所にあると言う事になった。
さて、幸先良く117系に関しては、塗装変更前の状態を撮る事が出来たが、もう一つの塗装変更対象である113系はどうだろうか。雨の中、京都市内を観光した5月23日の夕方、京都駅に戻ってくると、やはり湖西線の普通列車として113系が待機していたので、こちらも合わせて撮影してみた。
京都駅で出発を待つ113系の湖西線普通列車。
待機していた湖西線の列車は、湘南色の113系を先頭にした8両編成。かつては全国的に見られた湘南色の車両も、地域密着カラーへの塗装変更や、ステンレス製新型車両の投入などにより、ここ数年で急速に姿を消す事となった。京都に残った湘南色の113系も、良く見ると、正面のガラスの押さえが金属式になる等、JR西日本らしさが見られるが、奈良線の103系と同様、このカラーの車両を見ると、どこかホッとできる。
この113系の湖西線列車についても、まだ発車時間まで余裕があったことから、1両ずつ、形式写真的に撮影してみる事にした。
クハ111-5716
モハ113-5714
モハ112-5714
クハ111-5766
前4両、湘南色の車両は、113系5700番台車。もともとは湖西線用として寒冷地仕様で製造された700番台を高速化対応にした為に、元番号に5000をプラスしたため5700番台となった車両である。デビュー当時とは車両番号は異なっているが、現在まで湖西線・草津線を中心に活躍をしてきた、生え抜き車両とも言える。5700番台かに合わせて、半自動ドアの電動スイッチ化改造も行われ、やや形が変わってしまったが、それ以前は、113系と言いつつも、115系300番台に近い姿だった。
後ろ4両はリニューアル車両。
湘南色の113系の後ろに連なるのは、車内を223系並みに改造したリニューアル車両。外観上も、御覧のように、通称「カフェオレ」と呼ばれる独自の塗装にする事で、他の車両と見分けが付くようになっているが、塗装が単色化されると、リニューアル工事を受けていない車両との区別が付きにくくなるかもしれない。
単色化目前の113系と117系。少ない時間で、こちらも両方を撮影できたことは嬉しかった。
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コメント
偶然ですが、私も同じ状況、同じ場所で117系を撮影しました。
違う日の同じ時間だったのかも知れません。
TOMOさんほどではないですが、拙文も書きましたのでよかったらご覧下さい。
このブログをたまたま見つけてから随分たちますが全部の記事を拝読しております。私のブログにTOMOさんのブログへのリンクを張らせて頂きたいのですが、いかがでしょうか?是非、御検討下さい。
投稿: バイシ | 2010/05/31 00:26
バイシさん、コメントありがとうございます。また、コメント返しが遅くなりまして、申し訳ございません。
ブログを拝見しました。違う日だとは思いますが、本当に私と同じ場所で、しかも同じ編成を撮影されているようですね。
リンクの件は了解しました。弊ブログでも、近々リンクの追加を予定しておりますので、こちらもその時にバイシさんのブログのリンクを貼る事にします。今後ともどうぞ宜しくお願い致します。
投稿: TOMO | 2010/06/06 01:13
こんにちは。
このモハ116ですが、S2編成は2号車(M'116-36)にも4号車(M'116-32)にもWCが増設されています。よって、編成中WCは4箇所あることになります。
また、一回目の増設時に設置されたTc117のWCはT'c116同様の形状をしていますが、今回増設されたM'116のWCは車椅子対応となっており、連結面から見た感じは223-2000系同様、扉は半自動ボタン開閉式で、通路に飛び出している様な感じになると同時に、WC向かいの座席は撤去され、車椅子スペースになっております。
また、一回目増設のTc117の乗降用扉脇の戸袋窓は残存していますが、今回増設のM'116は、WCの大型化により戸袋窓が埋め込まれています。
ちなみに、中間車のWCは「団体臨時運用時のみ使用可」となっており、通常運用時には使用することは出来ません。
投稿: 痛勤形酷電 | 2010/06/07 22:14
すいません。書き忘れていました。
勿論、キトS1編成もM'116は両方ともWC増設改造を受けております。
またキトS2編成共々、車内吊り手増設(6両全車)も施工済みです。
投稿: 痛勤形酷電 | 2010/06/07 22:28
痛勤形酷電さん、コメントありがとうございます。
117系の写真、短い乗り換え時間の合間を使って撮影したため、113系と異なり、1両ずつは撮影しませんでした。その為、トイレ増設は4号車のみと思っていましたが、2号車も増設していましたか。しかも、2号車と4号車のトイレは団臨での使用時のみ使用可能とは・・・
かつての167系並みにトイレがあると言う事なんですねえ。全く気が付きませんでした。ご教示ありがとうございました。
投稿: TOMO | 2010/06/08 00:46