さよなら中央線201系H4編成 初狩・笹子号を撮影
5月8日のお話。
4月11日から実施されている中央線201系H4編成によるさよなら運転。八王子支社管内各地へのお別れ運転は、これまでに河口湖・武蔵五日市・奥多摩と行われ、この日、第四弾となる初狩・笹子へのツアーが運転される事になっていた。第3弾である奥多摩は、他のイベントと重なった為、撮影に行っていなかった事から、今回の初狩・笹子は、是非記録しておきたいと思っていた。そんな中、弊ブログと相互リンクを組んでいるブログ、未来色スケッチの管理人であるつぐみさんのお友達で、いつもツイッターでフォローしていただいているカノコさんが、ツイッター上で、201系のさよなら運転を初狩まで追い掛けてみたいと言う話になり、今回の撮影にお誘いする事になった。と言っても、私一人でカノコさんをご案内した訳ではなく、お馴染みちろ氏とたけしー氏にもご協力いただく事に。
当日。このツアーの見所でもある、初狩駅でのスイッチバックシーンを記録するには、出来るだけ早い時間帯に、初狩入りする必要があった。そこで、三鷹への送り込みは、豊田駅周辺で撮影する事とし、8時50分に豊田駅で待ち合わせと言う事にしていた。しかし、この日の中央線は、5時32分頃に発生した西荻窪駅での人身事故の影響によりダイヤが乱れており、集合場所に一番近い私が、約5分ほど遅刻。更に、カノコさんは私が乗車していた中央線の2本後の列車に乗っているとの事で、結果的に全員が豊田駅に揃ったのは9時頃になってしまった。当初の予定から10分遅れで、ようやくこの日のメンバーが揃う。人身事故が原因とは言え、何やら波乱のスタートを予感させる。当初の計画では、駅の外で三鷹へ向かう201系を撮影する事になっていたのだが、201系の回送列車にも遅れが出そうな事、その後のスケジュールへの影響も考え、豊田駅ホームでの撮影に変更することにした。
我々4人は、とりあえず下りホームの東京方で待機する。最初は、我々だけだったこの場所も、徐々に人が増えてきた。そして、201系H4編成送り込み回送の出発時刻となったものの、H4編成の姿が見えてこない。やはり、回送にも遅れが出ている。下りホーム上で待つ事およそ20分。9時25分頃なって、ようやく201系H4編成が、豊田車両センターから出庫してきた。
さよなら中央線201系H4編成、第4弾は初狩・笹子が目的地。まずは豊田駅で送り込みの回送を撮影する事に。
豊田車両センターから出庫してきたH4編成は、3番線へと入線してきたのだが、この駅は、最後部車両を八王子方に揃えて停める事になっており、入線してきたH4編成の先頭車が停まったのは、我々が待機していた場所よりも、だいぶ八王子方だった。
とりあえず、私は入線時にコンデジのズームで撮影したものの、気分的には、もう少し先頭車に近付きたい。そこで、下りホームの中程へと移動し撮影を試みるが、2番線にも回送列車が入線してきてしまった。この回送列車が出発するまで、このまま待機しても良かったのだが、先にH4編成が発車してしまう可能性もある。再び下りホームの東京方へと戻り、H4編成の出発時に全てを賭ける事にした。
9時30分頃、当初の予定よりも約15分遅れで、H4編成が三鷹へ向けて出発した。
豊田駅を出発する201系H4編成の回送。
動き出したところを、まずはコンデジで撮影してみる。
一路、三鷹へと向かうH4編成の回送。
ダイヤ乱れによる波乱のスタートとなったH4編成の撮影。この日最初の撮影となる豊田駅での撮影は、どうにかこうにか終える事が出来た。
さて、いよいよここから先は、初狩に向けて移動する。予定では、東京から直通してくる大月行きに乗る予定なのだが、良く見ると、1番線に回送として入線してきたE233系の行先表示が、大月行きとなっているではないか。どうやら、本来、大月行きとなる列車に不具合があったようで、この豊田駅で車両交換する事になった模様。先の人身事故に次いで、またまた波乱の予感。それでも、この列車が豊田始発になったお陰で、のんびり座っていく事は出来たが、本来の大月行きに乗っていた乗客にとってはいい迷惑である。
およそ7分遅れで豊田を出発した大月行きは、順調に走り続け、7分遅れのまま大月駅に到着。ここで、大月始発の甲府行きに乗り換えるが、我々が乗車してきた大月行きが東京方面へ折り返してからの入線と言う事で、まだ入線してくる気配がなかった。その為、まずはこんな車両から撮影してみる。
215系による「ホリデー快速ビューやまなし号」
通勤時間帯の座席定員制列車の切り札として、全車2階建て車両で製造された215系。かつては日中の東海道線快速電車にも運用されていた事もあるが、今では、平日のライナー列車以外の運用となると、この「ホリデー快速ビューやまなし号」が唯一の運用である。
215系を撮影した後も、まだまだ時間が有りそうな気配。そこで、この待ち時間を利用して、ホリデーパスで出場しSuicaで再入場したり、大月駅停車中の富士急や115系を撮影して暇をつぶした。
大月駅構内で乗務員訓練に使用されていた115系。
結局、大月駅では約20分ほど時間があり、ここまで乗り通して来ただけに、気分転換をする事が出来た。
この後、約10分遅れで出発した115系による甲府行きで初狩へと向かう。この日最大の目玉であるスイッチバック体験をする初狩駅は、果たしてどれだけの鉄道ファンが集まっているだろうか。期待と不安を胸に初狩駅に降り立つ。この初狩駅、実は先月中に一度訪れてみて、当日の201系がどのように動くか、現地で検証をしていた。その際に、どの場所で撮ったらいいかと言う下見もしておいたのだが・・・
実際に現地に立つと、第一候補となる撮影地は、既に人がいっぱいで、あと一人ぐらいしか入る余裕がなかった。そして、第二候補となっていた、第一折り返し線横の公道へと移動する。ここで、鉄道フォーラムでお世話になっている方に遭遇し、しばし談笑。結局、その方が待機していた場所のすぐ近くに、私とたけしー氏、そして、カノコさんの3人で待機する事にした。201系の到着までは1時間以上あり、撮り鉄活動初参加のカノコさんは耐えられるか、やや心配ではあったが、建物で影が出来ていた事もあり、風も心地よく、更に待ち時間の間には、特急列車や貨物列車を取って暇を潰していたため、待っている間は苦にならなかった。
そして、いよいよ、この日の主役である201系H4編成の到着時刻が迫って来た。流石に、本番直前になると、更に多くの鉄道ファンが駆けつけてきたが、どうにか撮影する事が出来た。
ゆっくりと第一折り返し線へと入線する201系H4編成。
初狩に到着したH4編成は、まずゆっくりと甲府方にある第一折り返し線へと入線する。その後、今度は東京方にある第二折り返し線へと進んで行くのだが、この入替に備えて、東京方の先頭車にも運転士を便乗させていたようで、第一折り返し線に入ったH4編成は、すぐに第二折り返し線へと進んで行った。
続けて東京方の第二折り返し線へと進んで行くH4編成。
この後、H4編成は、下り特急列車と普通列車1本ずつを先に通す為、この第二折り返し線で待機する。
H4編成の横を颯爽と通過していく特急「かいじ105号」
実はこの間に、笹子方にある旧ホーム跡への側線にも入ってくれるかと期待していたのだが、結局は、2つの折り返し線に入っただけで終わってしまった。
笹子を目指して出発するH4編成。
こうして、この日のメインでもある初狩駅での撮影は無事に終える事が出来た。
この後、我々は、大月へと戻り、駅前にある吉田屋で、吉田うどんを堪能し、今度は甲斐大和へと向かう。笹子まで営業運転をした201系H4編成は、折り返し運転に備えて塩山まで回送されて折り返す事になっており、更に塩山からの折り返し回送列車は、甲斐大和で長時間停車をする事になっていた。そこで、今度は甲斐大和駅にて、じっくりと201系を撮る事にしたのである。うどんでお腹もいっぱいになった我々が甲斐大和に着く4分前にH4編成も到着しており、甲斐大和駅は既に撮影会と化していた。
甲斐大和駅2番線に停車中の201系H4編成。
最初は編成単位での撮影をしていたのだが、せっかく停車時間もあるので、今度は形式写真的に1両ずつ撮影していく事にした。
1号車 クハ201-107
2号車 モハ201-219
3号車 モハ200-219
4号車 モハ201-220
5号車 モハ200-220
6号車 クハ200-108
本来、6号車はクハ200-107になるのだが、今回の6両編成での運転に合わせて、10号車のクハ200-108と差し替えた。これは、中間封じ込めとなっていたクハ200-107にデジタル列車無線対応がされていないための措置と考えられる。
この後、我々はH4編成に先行して、甲斐大和を出発。H4編成の走行シーンを撮るため、上野原へと先回りする。この上野原も人気撮影スポットであり、これまで何度か私も撮影をしているのだが、この場所は鉄道ファンで賑わうものの、半数は地元在住の少年達と言った状況が多く、後から行っても何とかなるかな?という期待感から、この場所を選択した。上野原駅で下車し、早速現地へ行くと、今回も列の先頭を守っていたのは、地元の少年達だった。持参した踏み台を使用すれば、充分に撮影可能だったので、セッティング開始。更に、踏み台はカノコさんに貸して撮影してもらおうと思っていたところ、何と、列の先頭にいた少年の一人が、カノコさんに最前列を提供してくれた。上野原にいた少年達には、突如現れたお姉さまが、とても眩しく見えたのだろう。
一路三鷹へと向かう201系H4編成。
こうして、H4編成の撮影は無事に終了する事が出来た。H4編成通過後も、少しだけ上野原に留まり、ホリデー快速などを撮影して、この日の撮影を終了とした。終了後、4人で一気に都心へと戻り、人形町のキハでささやかな打ち上げ会をした。
最近では、女性の鉄道ファン、俗に言う鉄子さんも増えてきており、彼女達の活躍ぶりを目にすることは珍しくなくなってきている。しかし、鉄子さんの大半は、乗り鉄さんと呼ばれる列車の旅を楽しむと言うタイプの方が多く、カメラ片手に列車を追跡すると言うタイプの鉄子さんは、そう多くはない。現に、今回の撮影でも、初狩や上野原では、他に鉄子さんの姿は見られなかった。中には、森由梨香さんのような鉄子さんもいらっしゃるようだが、まだまだ撮り鉄は男社会と言っても過言ではない。でも、何かのきっかけがあれば、カメラ片手に出かけてみたいと言う鉄子さんもいらっしゃるのではないかと思う。長年、鉄道趣味は男性が中心だっただけに、まだまだこう言う流れに馴染めない部分もあるかと思うが、これからは男女関係なく、同じ趣味仲間として譲り合いながら共存していくことが大切なのではないだろうか。そういう意味では、今回の最後の撮影地である、上野原で出会った少年達の行動は、私も見習わなくてはいけないと思った。
| 固定リンク | 0
「鉄道」カテゴリの記事
- 西武池袋線 曼殊沙華輸送を観察する(2023.10.03)
- 西武鉄道 小田急電鉄と東急電鉄からサステナ車両を導入へ(2023.09.26)
- 西武多摩川線 101系251Fの甲種輸送を撮影する(2023.09.24)
- E217系Y-2編成の廃車回送を撮影する(2023.09.12)
- 西武多摩川線へ向かう101系245Fの甲種輸送を撮影する(2023.09.20)
「鉄道:JR東日本」カテゴリの記事
- E217系Y-2編成の廃車回送を撮影する(2023.09.12)
- E491系 上野東京ラインを検測(2023.08.21)
- 185系「足利大藤まつり号」とE257系の特急列車を撮影する(2023.05.31)
- 「SLレトロみなかみ号」と「EL横川ナイトパーク号」を撮影する(2023.04.27)
- 中央本線 残堀川橋梁を訪ねる(2023.04.09)
コメント
久し振りに拝見させて頂きました。人身事故の影響で大変な思いをされたようですね。でも天気が良く良かったようでね。 初狩駅の背景がチラッと写っていましたが、結構、人が着ていたようですね。 俺は余り時間が取れないので、来月13日に三鷹駅で撮影を予定しています。其の前後にめぼしい所は行きたいのですが。
前にも書きましたが、フットワークの軽さには羨ましいもがあります。今後も楽しいブログを拝見させてください。
投稿: 熊田 虎之助 | 2010/05/20 20:06
熊田 虎之助さん、コメントありがとうございます。また、コメント返しが遅くなりまして申し訳ございません。
初狩駅を訪れました5月8日は、好天に恵まれまして、暑い1日でありました。1年中撮影をしていますので、暑いとか寒いとか言ってられないのですが、だんだん暑くなりますと、撮影も体力的に厳しくなってきますね。今回のさよなら運転は、初狩駅入線、スイッチバックがメインとなりますので、普段は静かな初狩駅に多くの鉄道ファンが集まっていたのが、画像からもお分かりいただけるかと思います。
いつも暖かいコメントをありがとうございます。このところ、更新が遅延気味となっておりますが、暖かいお言葉を励みに頑張ってまいりたいと思います。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
投稿: TOMO | 2010/05/25 12:38
おはようございます。
初コメントです。
その日に、カナコさんに最前列を提供した少年です。
また、いつでも上野原にきてください。
お待ちしております。
その日は、お疲れ様でした。
投稿: 津田貴昭 | 2010/05/29 11:40
訂正致します。
カノコさんをカナコさんと書いてしまいカノコさんすいませんでした。
投稿: 津田貴昭 | 2010/05/29 11:45
津田貴昭さん、コメントありがとうございます。また、コメント返しが遅くなりまして、申し訳ございません。
当日は、大変お世話になりました。当日同行したカノコさんは、今回のような撮影の追っかけは初めての経験という事で、この日の最後の撮影である上野原では、上手く撮影できるか心配だったのですが、津田さんが譲ってくださったお陰で、無事に撮影ができたようです。ありがとうございました。あらためてお礼申し上げます。
弊ブログの過去の記事をご覧いただくとお解りかと思いますが、私自身も、上野原には何度かお邪魔して撮影しております。アラフォー世代に片足を突っ込んだおっさんではありますが、またお邪魔した時には、仲良く撮影させてください。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
投稿: TOMO | 2010/06/03 15:58
コメント返しありがとうございます。
また、来たときに仲良く撮影しましょう。
投稿: 津田貴昭 | 2010/06/04 05:36