西武多摩川線 101系249Fと219Fの甲種輸送を撮影
6月5日及び6日のお話。
中央線の武蔵境と府中市の是政とを結ぶ西武鉄道多摩川線は、数ある西武鉄道の路線の中で唯一、他の西武線と繋がっていない路線である。この線の車両が定期検査を受ける際には、中央線との連絡線を利用して、JRの甲種輸送により、車両交換を実施している。武蔵境駅付近は、JR・西武共に、立体化工事が行われており、工事期間中、JRと西武とを結ぶ連絡線が、一時的に撤去されていたが、高架工事の進行により、今年3月より復活。復活後、247Fと217Fの甲種輸送が実施され、多摩川線に残っていた101系低運車も、いよいよ引退へ向けてのカウントダウンが始まった。
そして、この度、101系低運車置き換え第2弾として、新101系249Fの多摩川線向け改造工事が完成し、6月5日から6日にかけて甲種輸送が実施される事になった。6日は、武蔵丘検修場のイベントもあるし、この2日間、西武沿線在住の鉄道ファンは、おそらく体がいくつあっても足りないと言う状況だろう。とりあえず、今回は、5日の249Fの送り込みをメインとして、多摩川線車両交換の甲種輸送を撮影する事にした。
当日、鉄道ダイヤ情報誌に発表されているダイヤを見ると、新秋津駅の出発が12時58分となっていた。そこで、12時頃に所沢を出発すると予想し、萩山駅11時23分発の田無行きで出発。所沢駅に到着すると、ちょうど6番線では、多摩川線に向かう249Fと、新秋津までの牽引を担当する263Fが出発準備を行っていた。まずは、5番ホームから、停車中の249Fを撮影する事にした。
多摩川線用101系リニューアル車249F。3月に送り込まれた247Fと同様、白一色の姿で旅立つ事になった。
所沢駅6番線で出発を待つ249F。私が到着した時は、ちょうど出発に向けてのブレーキ系統の最終確認をしていたようで、撮影中、ほんの数メートルだが、249Fが動き出した。一瞬、もう新秋津へ向けて出発してしまうのかと、焦ってしまったのだが、すぐに停まったので、まだ時間があると判断。急いで、所沢陸橋へ向かう事にした。
所沢駅から歩く事およそ10分。所沢陸橋に着くと、カメラを持った鉄道ファンが7名ほど待機していた。ここ数年、西武の甲種と言えば、E31形電気機関車の人気により、この陸橋にも多くの鉄道ファンが駆け付け、撮影もし辛い状態だったが、甲種輸送の牽引が、E31の引退により263Fに置き換えられると、撮影に来る人の数も一気に減少し、西武沿線の鉄道ファンが主体と言う感じになった。それでも、249Fの通過直前には、この陸橋にも10名以上のファンが集まるものの、E31の末期の頃よりも落ち着いて撮影する事が出来た。
263Fに牽引されて、新秋津へと向かう249F。
この後、陸橋近くで撮影していた知人達と合流し、徒歩で新秋津駅へと移動する。途中で、ちょっと道に迷ってしまった事もあり、新秋津駅に到着したのは、甲種輸送の出発およそ10分前。E31から電車けん引に変わった事で、新秋津駅での時間が短くなった事から、所沢陸橋から新秋津への移動も、急がないと撮影がきつくなった。私達は、新秋津駅前の歩道から、甲種輸送の出発の瞬間を撮影する事にした。
EF65 1087号機に牽引され、まずは新座貨物ターミナルへ向かう249F。
新秋津から武蔵境へ向かう場合、まずは八王子に向かう事になるのだが、263Fでは、編成長の関係などから、きめ細かな機回しが難しいため、これまでのパターンと異なり、反対方向である新座貨物ターミナルへ向かう事にして対処している。こうする事で、新秋津での入れ替えは楽になった。そんな事も、新秋津での停車時間短縮に繋がっているのだろう。
さて、新座へ向かった249F。新座貨物ターミナルでは、約1時間50分停車する事から、まだ時間に余裕がある。この間に食事を摂る事にするのだが、その前に、新秋津までの牽引を担当した263Fの事も、しっかりと撮影してやりたいと思い、新秋津~所沢間の連絡線上で、263Fの回送を撮影する事にした。向かった場所は、新秋津駅から、3分ほど歩いた地点。ちょうど、池袋線の線路と連絡線の線路が接近してくる付近で待機してみた。15分ほど待つと、263Fの回送列車がゆっくりと近付いて来た。
西武・JR連絡線を所沢方面へ向かう263Fの回送列車。
連絡線上を行く263F。確かこの地点は、西武とJRとの境界線より手前の為、まだこの付近はJR管理の場所の筈。線路沿いにある標識も、西武鉄道の物とは異なっており、更に263Fの連結器が自連になっている点も、甲種輸送らしさが伝わってくる。
この後、昼食休憩を挟んで、JR線内の甲種輸送を撮影するため、まずは東所沢へと移動する。現地に到着したのは、甲種輸送通過のおよそ30分前の事だが、既に上りホームの西船橋方先端は、数名のファンが待機していた。私は、やや後ろから望遠レンズを使用して撮影する事に。205系の上り列車でタイミングを合わせながら待つ事にした。そして、15時頃の事。EF65 1087号機に牽引された249Fの甲種輸送列車が東所沢駅を通過して行った。
EF65 1087号機に牽引され、八王子を目指す249F。
ちょうど通過時刻には順光となってくれたので、後ろに連なる真っ白の249Fが、とても眩しく見えた。
この後、東所沢駅で貨物列車を1本撮影した後、249Fを追い掛けるため八王子へ向かおうとしたところ、新秋津駅の中線に、249Fの甲種が停車していたので、ここでも撮影する事にした。
新秋津駅中線にて長時間停車をしていた249F。
鉄道ダイヤ情報の「甲種鉄道車両輸送計画表」に載っていたダイヤでは、新座貨物ターミナル~国立間が1時間以上も掛かっていたので、おかしいと思っていたのだが、新秋津駅で長時間停車すると言うのが、この1時間の真相だった。
せっかく降りたので、この新秋津駅では、249Fを1両ずつ撮影する事にした。
1号車 クハ1249
2号車 モハ249
3号車 モハ250
4号車 クハ1250
249Fは、先に多摩川線入りした247Fと同様、両先頭車には、白糸台車両基地にて、府中市の小学生を対象に公募した「夏」をテーマに描いた絵を掲出する事になっており、先頭車が真っ白の状態と言うのは、営業運転開始までの僅かな期間しか見られない事から、新秋津で1両ずつ撮影できたことは、嬉しい誤算だった。
撮影後、私は武蔵野線、中央線と乗り継いで八王子へと移動する。ここでも多くの鉄道ファンが、249Fの甲種到着を待ち構えていた。私は中央線ホームの中程で待機する事にした。現地到着からおよそ15分後の事。249Fの甲種が、八王子駅に到着した。
八王子駅に到着した249F。
249Fの甲種も前半戦はここで終了となる。再び同編成が動き出すのは、終電後、日付が変わってからと言う事になる。八王子までの牽引を担当してきたEF65 1087号機は、249Fから切り離され、代わりに、待機していた、八王子駅構内の入換を担当するDE10 1073号機が連結され、入換が始まった。
EF65に代わって、DE10 1073号機が連結される。
249Fは、待機していたDE10が連結され、入換が始まった。まずは、いったん高尾方に引き上げられる。
高尾方の引き上げ線へと向かうDE10+249F。
そして、今度はDE10に押し込まれる形で、駅南口側にある貨物用の側線へと押し込まれる。
DE10により構内の奥へ押し込まれた249F。
八王子で長時間停車したり、夜を明かしたりする甲種輸送の車両は、構内入替を担当するDE10により、この場所に押し込まれるのがいつものパターン。先日も、ハイブリッド式リゾートトレイン、「リゾートビューふるさと」も、この場所に押し込まれていた。
249Fの入替を見届けて、この日の甲種輸送撮影は終了とした。
翌6日早朝、私は、まず新所沢へと出向き、武蔵丘検修場のイベント会場へ向かうための臨時列車の送り込み回送を撮影。そして、その足で国分寺経由で八王子へと向かった。多摩川線へ向かった249Fと入れ替わりに、今度は、多摩川線を去った219Fが、午前3時過ぎに武蔵境を出発し、八王子にて6時間以上停車しているからである。午前8時19分。八王子駅に到着すると、中央線ホームと横浜線ホームの間にある中線に、219Fが停車しているのを見つけた。早速、219Fに近付いて撮影してみる。
八王子駅で朝を迎えた219F。
中央線・西武多摩川線共に、武蔵境駅付近の高架工事のため、7年間、連絡線が寸断されていたが、その間、白糸台車両基地内において、車両の再塗装が実施された事もあった。しかし、連絡線が復活し、車両の置き換えが始まれば、101系低運車は、そのまま廃車対象となる事から、ここ最近では、車体の再塗装も実施されていなかった。3月に引退した217Fもそうだったが、この219Fの車体も、かなり薄汚れた状態である。
前日同様、新秋津まではEF65 1087号機が牽引を担当する。
横浜線ホームより、EF65が連結された状態での219Fの撮影したところで、219Fの甲種輸送の撮影を終了とした。
この後、私は八高線の電車で東飯能へと向かい、武蔵丘検修場で開催された「西武電車フェスタ」関連の臨時列車の撮影へと向かった。
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コメント
甲種輸送をきっちり追いかけるのは大変だったことと思います。八王子までの行程が一部始終分かりました。
私は多摩湖線にこの前行きましたが、のんびりした感じでいいですよね。
拙作のブログの方でも、多摩湖線を取り上げてみますね。
投稿: バイシ | 2010/06/14 03:43
多摩川線です。大変失礼しました。
投稿: バイシ | 2010/06/14 21:23
バイシさん、コメントありがとうございます。
西武多摩川線の甲種輸送、本来であれば、全行程追いたいところですが、さすがに、深夜の部分は追えませんので、明るい時間帯のみの追跡とさせていただきました。
ブログを拝見しました。多摩川線を訪問されたようですね。実にのんびりした良い路線であります。多摩湖線ものんびりとしたムードの路線ですので、今度はそちらの方も訪ねてみてください。
投稿: TOMO | 2010/06/16 12:17
お久しぶりです。
今回の多摩川甲種、夜中に国分寺〜武蔵小金井の某所にて動画撮影に挑戦しましたが、できはイマイチでした。
それよりも、その日の下りの終電が201だったというのはここだけの秘密だったりします
投稿: Local Train | 2010/06/26 00:20
トレインです。ごぶさたです。223fはすべて前期に戻されてしまいましたか?前に乗車したときはクハよりのモハ223号車のみ後期でしたが?それと249Fもモータに変化あったのでしょうか?
投稿: トレイン | 2010/06/30 14:55
Local Trainさん、トレインさん、コメントありがとうございます。
>Local Trainさん
多摩川線の甲種、八王子~武蔵境間は深夜の運転ですので、撮影はしませんでしたが、Local Trainさんは、深夜に動画撮影をされたのですね。お疲れさまでした。下り終電が201系だったと言うのはラッキーでしたね。
>トレインさん
223Fは、249Fの営業開始日に乗車しましたが、一駅間だけの乗車ですし、モーター音を意識して乗車した訳ではないですから、同一車両の前と後ろでのモーター音の確認はしておりません。私が乗車したモハ223のモハ224側では初期形のモーター音がしていたと記憶しておりますが、それでは、トレインさんの質問の答えにはなりませんよね。249Fは後期型になっていますが、改造前はどうだったかな?覚えていません。どちらにしても、低運車の活躍期間は、もう長くない訳ですし、お時間が有れば、実際に現地へ行って確認していただいた方が良さそうですね。お役に立てず、すみませんでした。
投稿: TOMO | 2010/07/02 01:45
トレインです。249Fは入場前はモハ249が後期型でモハ250が前期型でした。もしかしてオール後期型になってしまったのでしょうか?
投稿: トレイン | 2010/07/02 13:29
トレインさん、コメント返しが遅くなりまして申し訳ございません。
モハ249とモハ250は入場前は双方で音が違っていたのですか。恥ずかしながら、私はそこまでチェックしていませんので、初めて知りました。この時期、モハ250は弱冷房車になりますよね。私、基本的に夏場は弱冷房車に乗らない主義なので、全くチェックする気もありませんでした。
と言う事で、申し訳ないのですが、ご質問には答えられそうにありません。ご自身で確認されるのが一番かと思います。
投稿: TOMO | 2010/07/13 00:03