須坂駅に残るＥＤ５００１とＯＳカー

さて、３月２７日に訪れた長野電鉄ネタも、この記事が最後となります。

今回の長野電鉄の撮影の際、運行上の拠点ともなっている須坂駅には、行程上２回立ち寄った。午前中に立ち寄った際には、全く気付かなかったのだが、夕方、須坂駅に立ち寄ると、車両基地の片隅に、こんな車両が停められているのを見つけた。

須坂駅構内に留置されていたＥＤ５００１。

かつて長野電鉄で貨物列車の牽引等で活躍していたＥＤ５０００形電気機関車。このＥＤ５０００形は、１９２７年、日立製作所が製作した電気機関車で、前年に登場した国鉄ＥＤ１５形と良く似ている。５０００形は全部で３両作られ、貨物列車や、国鉄からの乗り入れ列車の牽引に活躍したが、１９６９年、定山渓鉄道の廃止により入線したＥＤ５１００形により、ＥＤ５００２と５００３が廃車となり越後交通へ譲渡され、ＥＤ５００１のみが長野電鉄に残った。その後、１９７９年に貨物営業が廃止されると、除雪・入換等に従事するようになったが、２００２年３月の廃車車両の回送を最後に除籍。除籍後も、須坂駅構内の入換用として機械扱いとなった。

午前中立ち寄った時には、全く気がつかなかった旧形電気機関車。以前、この車両の模型を、地元の今井モデルで見かけた事は、２０１０年１１月２２日付記事でも取り上げている。その機関車を、もっと間近で見たい。そう思った私は、改札を出場し、跨線橋を渡って、ＥＤ５００１の傍に近付いて見た。

側道からＥＤ５００１を撮影してみる。

もっと傍に近付く事が出来るかなと思って行ってみたが、意外と障害物が多く、これが限界だった。

最後に跨線橋（改札外）から

機械扱いとなったＥＤ５００１、一応、現役と言う事になっているらしいが、最近では、東葉高速鉄道からアントを譲り受けた事により、以前よりは出番も少なくなっているらしい。２００２年までは現役だったと言うＥＤ５００１。その活躍ぶりを一度は見てみたかったなと思った。

さて、須坂駅には、もう一つ、こんな車両も現役時代そのままの状態で置かれている。

現役時代のそのままの姿で構内に留置されている１０系ＯＳカー

１０系電車は、１９８０年、長野～善光寺下間の地下化された際に登場した車両で、２両編成１本が作られた。１９６７年に登場した０系同様、ＯＳカー（Officemen ＆ Students Car）の愛称で親しまれたが、ワンマン運転対応工事が行われず、木島線の廃止により余剰となった３５００系を転用させることで余剰となり、２００３年３月、廃車となった。僅か２３年ほどの活躍と、地方私鉄の鉄道車両としては短い生涯であった。

より古い車両に置き換えられると言う、何とも不運な形での引退となった１０系電車。引退後は、須坂駅構内留置され、車内は物置として活用されていると言う。物置と言う割には、割と綺麗な状態で残されている。自社発注車と言う事もあって、現場でも大事にされているのかもしれない。