4年ぶりに復活した上信電鉄デキ1形電気機関車を撮影
ゴールデンウィーク中盤、3連休初日となった5月3日のお話。
群馬県の高崎と下仁田を結ぶ上信電鉄。この私鉄には、マスコット的な存在となっているデキ1形と言う電気機関車が在籍している。1924年、ドイツのシーメンスシュッケルト社から購入した電気機関車で、電気機関車としては日本最古参の車両となっているが、2007年に起きた脱線事故以降、高崎駅構内の車両区に留置されたままとなっていた。しかし、今年に入ってから、群馬県及び沿線市町村の支援により、復活する事になり、整備が続けられ、ゴールデンウィーク初日の4月29日、運行再開記念列車が運転された。そして、5月3日、デキ1形と500形銀河鉄道999号とのコラボ列車が運行される事になった。以前より、デキ1形の走行シーンを見てみたいと思っていた私。勿論、この列車の撮影に出かける事にした。
当日。デキ1形のコラボ列車は、高崎駅を8時23分に出発すると言う。朝早い時間帯の運転。この日は他にも撮影したい列車があったので、朝早い時間帯の運転と言うのは、何かと都合が良いが、その分、早起きをしなくてはならない。前夜、変な寝方をしてしまい、3時頃から起きてしまった私。早朝から撮影準備をして、5時30分頃出発。大宮から上越新幹線に乗り、高崎に着いたのは7時過ぎの事であった。その後、高崎駅で朝食代わりに駅そばを食べ、上信電鉄線乗り場へ。速報ブログで触れたように、ローレル賞受賞車両である1000系に乗車。向かった先は、2駅目の根小屋駅である。
この根小屋駅と、手前の南高崎駅との間には、有名な撮影ポイントが3カ所ほど存在する。その中でも、今回、私が目指したのは、烏川の鉄橋である。この鉄橋は、上越新幹線の車窓からも何度か見ており、一度訪れてみたいと思っていた場所であった。そして、弊ブログ、2009年1月24日付記事で取り上げた、留置中のデキ1形の写真を見ると、デキ1とデキ3とでは、側面の形状に違いがある事から、この違いを解るように撮影したいと言う点も、この鉄橋を選んだ決め手となった。 (追記:側面の形状の違いは、デキ1とデキ3の向きが異なる為、側面の形状が違って見えるとのご指摘を頂きました。ありがとうございます。)
私は根小屋駅から適当に高崎方面へと進んで行く。線路に沿って道がある訳ではないので、ちょっと道に迷ってしまったのだが、15分ほど歩くと、目指す鉄橋が見えてきた。高崎から乗ってきた電車の中から見た限りでは、手前のカーブ区間、2カ所の撮影ポイントの方が人も多く、鉄橋付近はやや少な目に見えた。現地に着いて見ると、車内から見た時よりも若干人は増えていたが、全体的には、やはり鉄橋付近が一番人が少なかったようだ。とりあえず、先に来ていた方達に挨拶をしながら撮影ポイントへ。早速、三脚をセットして、撮影準備に入る。準備中に1本、高崎行きが通過して行った。慌てて撮った為、露出が不足していた。これで、露出を少しプラス気味にしないと、仕上がりが暗くなる事が判明したので、結果的には良かったかもしれない。そして、露出の調整も済み、準備万端となった頃、こんな列車が来たので、撮影してみる事に。
烏川の鉄橋を渡る500形503Fの高崎行き。
やって来たのは、2005年12月に上信電鉄入りした500形第2編成の503F。甲種輸送の際のブレーキ故障の影響で、上信電鉄入りが遅れた編成で、それ以降、上信電鉄に乗ったり、高崎駅で上信電鉄の車両を見る時に、この車両がいると、何となく安心できる。今回の撮影でも、早い段階で再開できたのは嬉しかった。
そして、503Fの高崎行きと入れ替わりに来た下仁田行きは、こんな車両だった。
デハ252+クハ1302による下仁田行き。
下仁田のコンニャク食品メーカーであるヨコオ食品工業のラッピング車となっている、デハ252+クハ1302による下仁田行き。実は、この場所に来て最初にやって来た高崎行きが、この編成。最初の撮影では、露出不足だった事もあって、すぐに折り返してきてくれたのは有り難かった。
上り列車2本、下り列車1本を撮影したところで、この後はいよいよデキ1+デキ3が牽引する999号とのコラボ列車となる。いよいよ本番と言う頃になって、更に人も増えてきた。そして8時29分頃、デキ1+デキ3による999号とのコラボ列車が、ゆっくりとやって来た。
デキ1+デキ3による999号とのコラボ列車。
見事に復活したデキ1とデキ3。小さいながらも、その姿は貫禄充分。そして、デキの次位に連結されたデハ205は、2010年秋の鉄道感謝フェアに合わせて旧塗装に再現された車両。デキ1+デキ3、そしてデハ205と言う、渋い組み合わせの後ろに、人形処かんとうのラッピング車となっているクハ303が連結されているのが、何とも言えない組み合わせであった。
これで、この日最初のミッションは完了した。この後は、上越線へと向かう事になるのだが、高崎へ戻る列車まで時間に余裕がある事から、撤収して行く人達を見送りながら、もう少しだけ、この場に留まって撮影する事にした。
150形151Fによる高崎行き。
旧西武401系を改造した150形の151F。2008年に実施された全般検査の際に、現在999号となっている500形501Fの入線当時の塗装に改められたが、昨年より、その塗装をベースに、人権ポスターのラッピング車となっている。
500形503Fによる下仁田行き。
デキ1の特別列車の後を追うように通過した下り列車は、500形の第2編成だった。この列車の撮影を以て、烏川鉄橋での撮影を終了とした。撤収作業を経て再び根小屋駅へ。高崎行きを待つが、やって来たのは、マンナンライフのラッピング車となっている150形155F。旧西武701系を改造した車両で、この車両も乗った瞬間、懐かしい感じがした。最近、お色直しをしたようで、以前撮影した姿とは異なる姿だったので、撮影したかったのだが、残念ながら、車体全体を撮影出来る場所が無く、今回は諦めた。
4年ぶりの復活となった上信電鉄のデキ1形電気機関車。今回は他にも撮影したいものがあったので、1回のみの撮影となったが、せっかく復活した以上、今後も走るチャンスはありそう。また動く時は、上信電鉄沿線にお邪魔して、その雄姿を拝みたい。そう思いながら、上信電鉄の改札を出て、JR高崎駅へと向かった。
| 固定リンク | 0
「鉄道」カテゴリの記事
- 西武8000系8103F 拝島線でも営業運転(2025.06.21)
- 上石神井車両基地 「ありがとう旧2000系撮影会」終了後の入替作業と返却回送を撮影する(2025.06.16)
- 屋根が白くなった西武多摩川線の101系を撮影する(2025.06.13)
- 西武国分寺線で営業運転を開始した8000系8103Fを撮影する(2025.06.12)
「鉄道:上信」カテゴリの記事
- 上信電鉄線 烏川橋梁を訪ねる(2025.04.12)
- 上信電鉄 西武イエローになった500形501Fを撮影する(2024.07.28)
- 上信電鉄 150形153Fが解体される(2021.07.14)
- 上信電鉄150形153Fが引退(2019.11.03)
- 上信電鉄 150形151Fが解体搬出される(2019.07.15)
コメント
はじめまして。
いつも見ています。
上信のデキは4年振りの復活ですかぁ。 結構月日がありましたね。自分も早く上信に行きたいです!
これからもコメントさせていただきます。
投稿: いっくん | 2011/05/06 21:54
TOMOさん
はじめまして
デキ復活記念運行の往路の様子、楽しませていただきました。
ところで、誠に恐縮ながら、デキ1とデキ3は車体の構造は一緒です。ただ、(国鉄風に表現した場合の)公式側と非公式側で、ボンネット側面の点検蓋の有無が異なり、1と3では逆向きに連結されているため、一見側面形状が異なるように見えます。逆側からみると、点対称に反対方向を向いて連結されているだけなのだと気づかされます
蛇足失礼いたしました
投稿: 社長 | 2011/05/07 19:52
いっくんさん、社長さん、コメントありがとうございます。また、コメント返しが大幅に遅くなりまして申し訳ございません。
>いっくんさん
いつもご覧いただき有難うございます。上信のデキは、もうこのまま走る事は無いのかなと思った事もありましたが、見事に復活してくれた事は、本当に有り難い事ですね。走行機会は、そう多くは無いと思いますが、せっかく復活した以上は、良い形で活用してもらいたいですね。
>社長さん
デキの向きについてご指摘ありがとうございました。この2両は向きが逆向きになっていたと言う事ですね。それは私も気付きませんでした。なるほど、確かに向きが逆の車両同士が連結していれば、どちらも側面が違った形で連結されますね。本文の方には、追記をさせていただきました。
投稿: TOMO | 2011/05/31 00:58