臨時快速「水都大垣トレイン」を撮影
さて、キヤ97を撮影する為に訪れた清州駅。残念ながら、キヤ97に関しては、タッチの差で撮影出来なかったが、この駅では、キヤ97以外にも撮影目的の列車があった。それは、臨時快速「水都大垣トレイン」である。
「水都大垣トレイン」は、4月の桜のシーズンに合わせて運行する「水の都おおがき舟下り」に合わせて運転されるもので、同列車には、昨年8月に運転を開始した、飯田線の観光列車「そよかぜトレイン117」用に改造された、117系S9編成「トレイン117」が使用される事になっていた。このS9編成は、3号車モハ116-45の客用扉に、走行中でも外気を取り入れる事が可能なように展望柵を設置し、扉間の座席を撤去した上で、窓に向かってベンチを配置した「ウィンディスペース」に改装。更に、他の3両についても、一部座席の背もたれ部分を撤去した上で、大型のテーブルを設置する等、観光列車向けに改造されている。
運転開始当初は、「ウィンディスペース」となっている3号車のみ、外装を変えていたが、今年になってから、まず2号車のモハ117を、3号車に準じた外装に変更。その後、「水都大垣トレイン」の運転開始前に、4両全体の外装を統一。JR東海のイメージカラーであるオレンジが全くない、爽やかな外観に生まれ変わった。
そこで、今回、この「水都大垣トレイン」を撮影するのだが、実は前日、熱田駅でお会いした方より、「水都大垣トレイン1号」は、稲沢線経由で運転すると教えていただいていた。稲沢線とは、複々線となっている、東海道本線、名古屋~稲沢間のうち、主に貨物列車が走行する線の事である。貨物列車以外にも、一部の回送列車が、この稲沢線を経由する事になっており、過密ダイヤである東海道本線のダイヤ調整用にも使われている。そこで、稲沢線らしさを出す為に、この清州駅を撮影地として選んだ。
「水都大垣トレイン」は、平日1往復、土曜・休日2往復が運転されており、土曜・休日ダイヤでは、この1号の前に、「水都大垣トレイン91号」が運転されており、「水都大垣トレイン91号」で運転されたS9編成が、名古屋へ回送列車として折り返して、「水都大垣トレイン1号」に充当される。まずは、この回送列車を撮る為に、改札を出場。前日の朝、117系と213系の快速列車を撮影したポイントへ向かう事にした。この時点で、回送列車が、旅客線を走るのか、稲沢線を走るのか、全く解らなかった、たぶん旅客線だろうと思って準備をしていると、背後から、こんな回送列車がやって来た。
稲沢線を行く、311系下り回送列車。
朝の運用を終え、大垣方面へ回送される311系の下り回送列車がゆっくりとやって来た。この時点で、カメラには望遠レンズを装着していたのだが、手前側の稲沢線を走ると、4両編成でも、編成全体を入れるのは、ちょっときついと言う事が判明。これは不味い。しかし、既に回送列車の通過時刻ギリギリの為、今更レンズを変える余裕もなく、このまま撮影に臨む事にした。
そして、311系の回送通過のおよそ1分後。「水都大垣トレイン」の送り込み回送がやって来た。
名古屋へ向かう117系「水都大垣トレイン」の送り込み回送列車。
送り込みの回送列車は、旅客線を高速で通過してくれたため、問題なく撮影する事が出来た。まずは、編成全体を撮影した後、この車両だけを撮影してみた。
「ウィンディスペース」となっている3号車モハ116-45。
S9編成最大の特徴である、3号車のウィンディスペース。旅客線を走行してくれたおかげで、この車両だけを撮影するのも楽だった。
送り込みの回送を無事に撮り終えた私は、再び清州駅へと戻り、今度は、名古屋からやってくる「水都大垣トレイン91号」をホーム上から撮影する事に。清州駅のホーム上には、稲沢線を走るシーンを撮ろうとするファンでいっぱいだった。とりあえず、ホームの米原方先端に向かうと、前日、熱田駅や清州駅でご一緒した方々と再会。前日の成果等を話しながら、列車を待つ事にした。
ところが、東海道本線の上り列車に、やや遅れが生じているらしく、何やら被りの予感が・・・ 「水都大垣トレイン」に関しては、午後も上り列車が2本運転されるのだが、この日の午後は、もともと予定があり、この列車の撮影は不可。なんとか、ここで決めたかった。通過予想時刻になり、上り列車が来てしまった。こりゃ駄目か?と思ったが、稲沢線を走る「水都大垣トレイン」が、予想以上にゆっくりと走ってきているようで、まだ117系S9編成「トレイン117」の姿が現れなかった。
それからおよそ2分後の事。前方より「トレイン117」の姿が確認できた。やはり、ゆっくりと走行してきている。近付いて来たところで、撮影を開始する。
稲沢線経由で大垣へと向かう、臨時快速「水都大垣トレイン1号」
事前に聞いたとおり、稲沢線経由でやって来た、臨時快速「水都大垣トレイン1号」。ホームの前寄りで撮影していた人達を避けながら、尚且つ、清州駅のホームを少し入れて撮る事で、何とか稲沢線を通過していると言う感じの写真を撮ってみた。
後追い。
こうして、無事に「水都大垣トレイン」の撮影を終える事が出来た。
「水都大垣トレイン」に使用された、117系S9編成「トレイン117」。その後、4月下旬より、飯田線の「そよかぜトレイン117」の運用が始まり、更に6月からは、名古屋~醒ヶ井間を運転する臨時快速「ほたるトレイン117」に充当。他の117系と異なり、臨時列車用として運転されている。JR東海の117系は、2012年度までに、313系への置き換えられると発表されている。せめて、この「トレイン117」だけは、観光用列車として、飯田線でのんびりと余生を過ごしてもらいたいと思うのだが・・・、
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コメント
変わった117系ですね
通常の東海色の117は乗った事があります。帯の色が違う117系国鉄色も見た事があります。
キヤ97本当に残念でしたね。
僕もまた名古屋行った時見て見たいです
投稿: キハ58 | 2011/06/20 01:15
この117系は全検切れまでの命です(今のところは)。
実際に乗車してみると分るのですが、雨は吹き込み放題(一応降雨対策のスクリーンはあるのですが)。結露も酷く、化粧板がぶよぶよになっている箇所もあります。関西に投入された117系より腐食対策が強化されている車両とはいえ、かなり厳しい状態のようです。
ノーマルの117系は四両編成化された時に増備されたクハが初期の車両とは台車が変更されており、微妙に乗り味が違うのところが面白いのですが、ラッシュ時に117系が来ると利用者としては正直うんざりしてしまいます。車内設備面から言うと静岡で使うべき車両だとは思うのですが……、まあ、無理なんでしょうねえ。
このままフェードアウトするのが残念な車両です。
投稿: G3 | 2011/06/23 23:50
キハ58さん、G3さん、コメントありがとうございます。また、コメント返しが遅くなりまして申し訳ございません。
>キハ58さん
JR東海の117系、今回のダイヤ改正では、再び新快速運用が復活するなど、明るい話題もありますが、既に引退時期が発表されているだけに、見通しは決して明るくは有りません。残された時間はそう長くありませんが、帯の色の違う117系と合わせて、しっかりと記録しておきたいですね。
>G3さん
民営化直前に増備されたクハを除き、デビューから25年以上が経過していますので、一見綺麗に見えても、細かいところを見て行くと、かなり老朽化が進んでいるんですね。それでいて、ウィンディスペースを設置しているとなると、雨対策はしていても車内の化粧板にも影響は出てくるんですね。なんとか観光用車両として、維持してもらいたいものですが・・・
投稿: TOMO | 2011/07/03 01:16