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参宮線全通100周年記念号を撮影

7月21日のお話。

紀勢本線の多気駅と、鳥羽駅を結ぶJR参宮線。路線名が示す通り、伊勢神宮への参詣路線として作られた路線だが、この度、参宮線が全通100周年を迎える事になった。節目の年と言う事で、JR東海では、100周年記念企画を次々に展開。その中でも、同線の普通列車にも使用されている、伊勢車両区のキハ40系1両と、美濃大田車両区のキハ48系2両を、国鉄一般型気動車標準色風に塗装変更(ただし美濃大田には、もう1両、塗装変更したキハ40が存在する。)して、多気~鳥羽間で当日2往復運転する「参宮線全通100周年記念号」に使用される事が発表されていた。

キハ40系の国鉄一般型気動車標準色風と言えば、JR東日本にも烏山線で塗装変更した車両が登場し、今年1月に、宇都宮で餃子を食べるオフに参加した際に、このカラーを纏ったキハ40を目撃している事は、弊ブログの2011年1月16日付記事でも取り上げたばかり。しかし、あの時は、烏山線オリジナルカラーとの2両編成だった。今回の参宮線は、このカラーの車両だけで3両編成を組むと言う。これは編成美が期待できそう。そこで、有給休暇を申請し、日帰りで参宮線へ向かう事にした。

当日、東京駅を朝8時10分に出発する「のぞみ」で名古屋へ。更に近鉄特急に乗り換えて伊勢市へと向かう。本来であれば、快速「みえ」を使いたいところだったが、時間の都合上、今回は、近鉄特急を選択した。前日通過した台風6号の影響もあり、まだ小雨が降る伊勢市駅に到着したのは、11時32分の事であった。早速、JRの伊勢市駅を眺めてみると、「参宮線全通100周年記念号」が3番線に停車していた。この時点で停車時間は残り2分ほど。急いで、3番線へ行き、停車中の「参宮線全通100周年記念号」を撮影してみた。

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伊勢市駅3番線に停車中の「参宮線全通100周年記念号」

伊勢車両区構内に留置中のキハ11と並ぶ、キハ40系。もともと、キハ40系列は、塗装工程の簡略化を狙った朱色5号と言う明るい朱色、俗に言う「首都圏色」と呼ばれたカラーで登場しているが、製造時期があと数年早ければ、このような国鉄一般型気動車標準色になった可能性もある。国鉄型気動車と言う事もあり、やはり、このカラーでも、あまり違和感は感じられなかった。

「参宮線全通100周年記念号」は、撮影後、すぐに伊勢市駅を出発し、多気へ向かって行った。私も、同列車の後を追跡するが、後続の列車に乗る前に、まずはJRのきっぷを購入する事に。この日、実は秘密兵器が用意されていた。その名も「参宮線全通100周年乗り放題きっぷ」。参宮線多気~鳥羽間の普通列車が、1日乗り放題で600円!これは安い。早速購入して、まずは伊勢市駅から多気方面へ一駅。山田上口駅へ向かう。この駅から、15分ほど歩くと、有名な撮影地、宮川橋梁がある。この日最初の撮影は、ここに決めていた。早速、撮影できそうな場所へ行くと、やはり人気撮影地だけあり、20人ほどの同業者が待機していた。前夜の台風の影響で、足元はぬかるんでいるが、撮影に臨んだ。

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普通列車鳥羽行き927C。

ちょうどやって来たのは、鳥羽行きの普通列車。御覧のように、この時間帯の普通列車は、このキハ11が主力。しかも単行。日中はこれで輸送量が足りてしまうと言う点に、やや寂しさを感じてしまう。

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快速「みえ7号」鳥羽行き2907D。

単行の普通列車とは対照的に、快速「みえ」は、3月のダイヤ改正から4両編成に増強された。これだけの長い鉄橋だけに、やはり4両編成ぐらいになると、撮影もし易くなる。

ぬかるんだ場所で待機する事30分。快速「みえ」に続いて、いよいよ「参宮線全通100周年記念号」が通過する事に。

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快速「参宮線全通100周年記念1号」鳥羽行き9331D。

伊勢車両区のキハ40 3005を先頭にやって来た「参宮線全通100周年記念1号」。キハ40は、幌を装着した側が先頭に立っており、いかつい感じ。これがまた、このカラーにピッタリ合っている。ぬかるんだ所で30分以上同じ姿勢で立っているのは辛かったが、撮影を終えた瞬間、画面を見て、その辛さも吹っ飛んで行った。

撮影後、再び山田上口駅へと戻る。そして、下り列車で鳥羽方面を目指す事に。私自身、参宮線は、伊勢市~鳥羽間が、この時点で未乗となっていた。今回の遠征では、鳥羽まで乗り通す事で、参宮線を完乗するつもりでいた。とは言え、鳥羽から折り返してくる4号を、どこかで撮る為、乗り潰しをしながら、撮影地も探していた。伊勢市を過ぎて、未乗区間に突入し、ふと松下と言う駅の手前に、感じの良い鉄橋があった。ここで撮影してみるか。そんな軽い気持ちで、松下駅で下車する。そして、鉄橋方向へと歩いていくが・・・ 対岸に渡るには、相当迂回しなくてはならない事に気付く。そこで、鉄橋の近くにある踏切付近から撮影する事にした。

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快速「みえ16号」名古屋行き2916D。

足元の障害物が、やや気になったが、ここは無視する事にした。それにしても、キハ75は速い。

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快速「参宮線全通100周年記念4号」多気行き9334D。

美濃大田車両区のキハ48 6812を先頭に、多気へ向かう「参宮線全通100周年記念4号」。先行の快速「みえ」に負けないくらいのスピードで通過して行った。キハ40系列とは言っても、JR東海の車両は、エンジンを載せ換えているので、結構俊足である。

ここまで来たら、終点鳥羽まであと僅か。最後まで乗り通す事にするが、下り列車よりも前に、上り列車が先に来るので、続けて普通列車も撮影する事にした。

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普通列車伊勢市行き932C。

この撮影を以て、撮影地から撤収し、松下駅へ。この駅は無人駅なのだが、遠隔操作で列車の遅れに関する放送が掛かった。無人駅でも、しっかりと案内がされるのは有り難い。

その後、遅れてやってきた普通列車で鳥羽へ。駅構内の飲食店でようやく遅い昼食となった。

さて、記念号は、あと1本、下りの3号が残っている。この列車を撮影するか、あるいは乗車するかで悩んだ。鳥羽駅のお隣にある臨時駅、池の浦シーサイド駅近くの有名撮影ポイントへ行く事も考えたが、雨が降ってきており、結局は、最後の3号は伊勢市~鳥羽間で乗車することにして、乗車証明書(ストラップ)を貰う事にした。その前に、伊勢市へ戻る事になるのだが、JRで戻ると、次の列車まで時間があったので、近鉄の普通列車で伊勢市へ戻る事にした。そして、伊勢市に戻ると、近鉄のホームから「参宮線全通100周年記念号」が停車しているのが見えた。近鉄のホームからJRの3番線に停車している車両を撮るには、手前の車両区内に留置している車両が邪魔になるのだが、運良く、邪魔になる車両がいなかった。そこで、まずは近鉄ホームのエレベーター乗り場付近から編成写真を撮る事に。

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近鉄のホームから編成全体を見る。

続いて、1両ずつ撮影してみる事にした。

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キハ40 3005

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キハ48 3812

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キハ48 6812

そして、今度は跨線橋の上から撮影する事に。この駅の跨線橋は、昔の作りで、窓がかなり高い位置にある。靴を脱いで、通路の手すりに足をかけて撮影されている方もいらっしゃったが、私はカメラのライブビュー機能を使用して、撮影する事にした。

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伊勢市駅停車中の様子を跨線橋の上から。

この後、停車中の「参宮線全通100周年記念号」に乗り込み、鳥羽へ向かう。3両編成の車内は、どの車両も座席が埋まっており、先頭のキハ40 3005のトイレ付近に立つ事にした。列車は、途中、二見浦駅のみ停車。この駅より、記念品を持った係員が、各車両に2名ずつ乗車。出発と同時に、車内の乗客への配布が始まった。記念品の配布も終始和やかムード。そう言えば、沿線の各撮影地を警備するJR東海職員も、皆さん穏やかで、撮影地に集まったファンの皆さんも、皆さん紳士的で、まさに100周年に相応しいイベントになったのではないかと思う。もうすぐ鳥羽と言うところで、車内から、池の浦シーサイド駅近くの有名撮影ポイントを見ると、雨の中、大勢のファンが待ち構えていた。流石は有名撮影地だ。

こうして、100周年記念号は、定刻よりも2分ほど遅れて鳥羽駅に到着。この列車と入れ替わりに、現在の参宮線の主役、名古屋へ向かう快速「みえ22号」が出発する。この日、私は、4月に名古屋へ転勤した友人と会う為、この「みえ22号」で名古屋へ戻る事にした。名古屋まで約2時間、キハ75系の力強いエンジン音を聞きながら車窓を楽しんでいると、四日市を過ぎた辺りから眠ってしまった。単線の宿命か、対抗列車の遅れの影響を受けて、名古屋には5分ほど遅れての到着となった。

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キハ75の側面に貼られた、参宮線全通100周年記念のステッカー。

この後、友人と合流し、参宮線全通100周年を祝して、名古屋駅近くで21時すぎまで呑み、「のぞみ62号」で帰京。強行軍の1日だったが、念願の国鉄一般型気動車標準色風のキハ40系も撮れて、満足する事が出来た。

2011年8月15日画像追加

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G3さんから頂いたコメントを反映しまして、伊勢市駅で撮影した画像をモノクロ化してみました。

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コメント

 キハ40のクーラーユニットが残念ですが、意外に似合っているところが。なんて恐ろしい子……!
 キハ11に気動車旧国鉄標準色(所謂スカ色)も似合いそうな気がしてきました。裾絞りのないストレートな車体見付ですし、フロントマスクさえうまく処理すれば、キハ17あたりの雰囲気に?ならないか(苦笑)。ぽっぽ屋号ぐらいの手を入れれば……それは廃車フラグか。
 いっそ準急色とか……いやいや。
 しかし、伊勢市駅の写真は解像度を落としてモノクロ化すれば完全に昭和の「絵」ですね。
 ホントに似合っているのが恐ろしい……。やはり「旧国鉄」型の血統なんですね。


 でも、この手の塗装変更自体が「廃車フラグ」のような気がして素直に喜べないのですが……。

投稿: G3 | 2011/07/27 03:17

G3さん、コメントありがとうございます。また、コメント返しが遅くなりまして申し訳ございません。

いやあ、キハ40系は、やはり国鉄形。このカラーがとてもよく似合っていますよね。烏山線仕様も、2両揃ってから撮影していないので、こちらも近いうちに行ってみたいと思っています。

で、遅くなりましたが、リクエストにお答えしまして、伊勢市駅の画像を白黒にしてみました。如何でしょうか?

投稿: TOMO | 2011/08/16 07:29

とても…昭和です。
なんて違和感のない映像……。

リクエストに応えていただきありがとうございます。


「コメント返しが遅い」なんて気にしなくても大丈夫です。互いに社会人という身であれば、ブログが更新されて新しい記事が見れるだけでもうれしいものです。
私自身、なかなか時間が取れない中で途切れ途切れでしか観想を書くことが出来ず、大変に申し訳ない。
マイペースで待ったりと続けていただければ幸いです。

投稿: G3 | 2011/08/17 20:39

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