さよなら「チョコバナナ」 秩父鉄道1000系1007F引退
旧国鉄101系を譲り受け、秩父路で第二の人生を歩んできた、秩父鉄道1000系。国鉄時代から通算して、半世紀近くも現役を続けてきたが、老朽化により、東急電鉄から譲り受けた7000系・7500系に少しずつではあるが、置き換えが進んできた。
残すところあと4編成という状況まで来たが、この度、1000系が秩父鉄道に入線した当時のカラーに戻され、「チョコバナナ」の愛称で親しまれてきた1007Fが引退することとなり、12月9日、1007Fのさよならイベントが開かれた。
さよならイベントに合わせて、熊谷~三峰口間に、急行停車駅のみ停車する1007F使用の臨時列車が1往復走る他、三峰口駅では、13時から13時30分までの30分間、現存する1000系4編成すべてを並べる撮影タイムも設けられた。しかし、沿線で1007Fの走りを撮ると、三峰口駅での4本並びは撮影が殆どできない。では、三峰口駅の並びを優先すると、沿線での撮影が出来ないと言うダイヤになっていた。これでは、どちらかを選択するしかない。色々と悩んだ結果、やっぱり車両は走ってこそだと言う結論になり、沿線での撮影を優先し、終了後、ぎりぎりのタイミングではあるが、三峰口へ行くことにした。
自宅を朝8時20分ごろに出発。所沢から「ちちぶ7号」に乗車。横瀬で長瀞行きに追いつくが、乗車券の都合上、これを無視し、西武秩父へ。そして、御花畑駅で、秩父鉄道の1日乗車券を購入し、熊谷行き24列車に乗車。降り立ったのは野上駅である。この駅から、樋口駅までの区間にある、有名撮影ポイントが目的地である。スマホの地図を頼りに樋口駅方向へ歩きだす。途中、曲がる道を間違えるも、どうにか撮影地にはたどり着いた。この時点で先客は2名。挨拶をした後、撮影準備に入る。この日より、新しいレンズがデビュー。この撮影は、新レンズのデビュー戦も兼ねているのであった。準備ができたころ、上り列車がやってくる。早速撮影を開始。
秩父鉄道の新しい主役、7500系7501Fによる羽生行き。
まず最初にやってきたのは、秩父鉄道の新しい主役、7500系による羽生行きだった。新しいレンズの調子もよくいい感じである。
6000系6001Fによる影森行き急行「秩父路3号」
続いて、6000系による下り急行「秩父路3号」がやってきた。先週までは、秩父夜祭のヘッドマークを掲出していたはずだが、今は、何もない状態である。
この後も、チョコバナナの臨時列車を待つまでの間、撮影を続けるが、だんだんと陽の向きが変わってきて、車体の側面まで陽が回らなくなってきた。
1000系1003Fによる三峰口行き1523レ。
この日の主役であるチョコバナナこと1007Fの臨時列車の直前にやってきた、1003Fによる三峰口行き1523レ。この列車が通過する頃には、ご覧のように、陽が当たるには正面のみ。この撮影地を選んだのは失敗だった。
チョコバナナ、1007Fによる三峰口行き臨時列車。
1523レの通過からおよそ10分後。この日の主役である1007Fによる三峰口行き臨時列車がやってきた。太陽の動きに落胆してしまったのか、新しいレンズに不慣れだったからか、シャッターを切るタイミングをちょっとミスってしまった。
この後、チョコバナナを追跡して、三峰口へ行く予定だったのだが、後続の列車で三峰口へ向かっても、撮影会は残り2分という状況。この状況ならば、三峰口へ行っても、まともな撮影はできないと判断し、折り返してくる1007Fをしっかりと撮り直すことを選択した。とは言え、このままこの付近で待つだけであれば、三峰口へ行くことを考慮して購入した1日乗車券は無駄になるので、いったん、秩父へ戻り、昼食を摂ってから、再び上り列車で寄居方面へ向かい、1007Fを迎え撃つことにした。
秩父駅近くの蕎麦屋さんでの昼食タイムの後は、再び、上り列車に乗り込み、1007Fによる臨時列車の撮影に向かう。下り列車の撮影が、側面に陽が回らず、中途半端な気分で終わってしまったので、午後の撮影は、絶対に順光で撮りたい。午後の上り列車を順光で狙える場所は、それほど多くなく、思いついたのは、これまでにも何度か撮影したことがある波久礼駅だった。たぶん、ここは人が多いだろう。でも、この際、そんな事は言ってられない。1007Fの臨時列車に10分ほど先行する普通列車で波久礼に着くと、駅に隣接した駐車場付近には、多くの鉄道ファンが待機しているのが見えた。もう時間がない。ここで撮るしかない。私は、手前に入れそうな場所を見つけ、そこで撮影をすることにした。とは言え、この場所では、中継信号機が入ってしまうのだが、この際、順光で撮れるのならば、障害物は目を瞑ることにした。
現地到着から、およそ10分後のこと。1007Fによる臨時列車がやって来た。
1000系1007Fによる熊谷行き臨時列車。
多少影はあるものの、順光で撮ることが出来た。
この後、三峰口で展示された1000系3本も、順次、営業入りするだろうと思い、1007F撮影後も、この場に残り、撮影を続けることにした。
オレンジ色1003Fは、約1時間後の1542レで戻ってきた。
1007F通過の時は、順光だったこの場所も、1時間もすれば、陽は陰ってしまい、ご覧のような感じに。気温もどんどん低くなり寒くなっていく。
スカイブルーの1001Fは、さらに約30分後の1544レで戻ってきた。
時刻は16時を過ぎ、辺りもすっかり暗くなってきた。まだ1010Fが戻ってこないが、時間切れと判断し、ここで撮影を終了。波久礼から撤収することにした。
私は、波久礼から下り列車に乗り込み、御花畑へ。そして、仲見世通りにある焼鳥屋さんへ向かい、熱燗でも呑んで帰ろうとしたところ、焼鳥屋さんに集まっていた人達から、1010Fが回送列車で秩父方面へ向かったらしいという話を聞いた。そして、しばらく様子を見てみると、1010Fによる回送列車が御花畑を通過していった。私は、そのまま上り列車に乗り込み、秩父まで戻ってみた。すると、駅の外れの方に、1010Fの回送列車が停められているのを発見。改札を出て、駅前の駐車場から1010Fの回送列車を撮影してみた。
秩父駅構内に停車中の1010F回送列車。
この日、1010Fは、三峰口駅での展示のために、回送列車として三峰口へ送り込まれたらしく、戻る際にも回送列車として戻っていった。普段、三脚は使わないため、この日も手持ちでの撮影となったのだが、さすがに、この時間にこの明るさでは、手持ちの撮影は辛い。カメラバックの中に、レリーズが入っていたため、駐車場の柵の上にカメラを押さえつけて、レリーズでシャッターを切って、どうにか、こんな感じに撮影することができた。
この撮影を以て、秩父鉄道の撮影を終了とした。私は徒歩で西武秩父駅へ向かい、仲見世通りの焼鳥屋さんで、焼鳥と熱燗を頂いてから、レッドアローに乗って帰宅した。
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コメント
いつもお世話になっておりますいっくんです。
自分も恒例の寝坊のおかげで撮影地が絞られてしまい白久~三峰口へ… まさか順光か!?っと思いましたが側面順光でした(笑)
もう少しゆっくり考えたかったです。
しかしこの車両も50年… 短いようで長い年月ですごいと改めて実感しました。 半世紀も走っていたとは本当にチョコバナナさんも頑張りましたね。
1007編成本当にお疲れ様でした。
そして焼鳥屋ご利用頂きありがとうございます(笑)
投稿: いっくん | 2012/12/15 17:18
撮影お疲れ様でした。こちらは行きに1007Fの臨時列車に乗車。三峰口での撮影会を済ませてから帰りも乗って帰ろうかと考えましたが、1日乗車券を持っていたこともあり、すんなり帰るのはもったいないところ。ここでお見送りした後、2本後の1003Fに乗って帰ってきました。
最近は秩父鉄道沿線に来る度にステンレス車両を見かける比率が高くなりつつありますが、一頃はエメラルドグリーンを除く4色のカラーがあったことを考えると随分と寂しくなりましたね。これも致し方のないところですが、残る3本も秩父鉄道を訪ねる度に乗ったり撮ったりしたいと思います。
投稿: mattoh | 2012/12/15 21:04
1007Fの臨時列車は、往復共乗車していました。撮影よりも記念切符確保を優先していた為です。
上りはかぶりつきをしていたので、見えていたかもしれません。
三峰口の撮影会場も大混雑で、下りの1007Fの臨時列車は大混雑でしたし。撮影会会場との関係ですね。
TOMOさん、来年の秩父広瀬川原基地公開は行きませんか?
それと、来年1001Fが危ないようです。
投稿: 横山正典 | 2012/12/15 21:36
皆さん、コメントありがとうございます。
>いっくんさん
今回は、4本並びか走行か、どちらを優先するかの選択が難しかったですね。実は、私も当初は白久~三峰口間での撮影を考えました。そのまま三峰口へ歩いて移動すれば、何とか間に合うかな?と思ったんですが、これだと、仮に間に合っても上りは先回りできないんですよね。それに、皆さん考えることは一緒かなと思いやめたんですが、光線状態までは考えていませんでした。仰る通り、今の時代で50年以上使い続けてきたというのは、凄い事だと思います。
>mattohさん
mattohさんも当日は秩父へお出かけになられていたんですね。お疲れさまでした。1000系も残り3本。さすがに、最近では、元東急軍団の方が目立つようになりましたね。1000系の方が味があって良いんですが、快適さに関しては、元東急車の方が圧倒的勝利ですね。
>横山正典さん
当日は、往復ともに1007Fに乗られていたんですね。撮影時にちらっと見てみましたが、仰る通り、下りはかなり混んでいましたね。来年の広瀬川原基地の公開は、う~ん、まだ解りませんです。
投稿: TOMO | 2012/12/21 13:05
1000系の引退はちょっと惜しいものですが、
車両にも人と一緒で時とともに出会いがあり
別れが来るものです。
最近では、秩父鉄道もかつて現役で活躍していた
東急の車両や西武の車両などが活躍していますね。
投稿: ゆうさん | 2012/12/21 15:38
ゆうさん、コメントありがとうございます。また、コメントが遅くなりまして申し訳ございません。
秩父鉄道の1000系は、半世紀近くも活躍をしてきましたので、さすがに、これ以上現役を続けるのは、困難になって来ています。大変残念ではありますが、新しい車両への置き換えが必要となりますね。
1000系も、これで残り3編成となりますが、最後までトラブルなく、無事に走りぬいてほしいですね。
投稿: TOMO | 2013/01/14 20:40
もっとでかい写真たのみますよ。これじゃあよくわからないよ
投稿: a | 2013/01/21 23:42