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伊吹山をバックに117系を撮影する 前編

では、2013年元日のお話です。

3月16日に予定されているJRグループのダイヤ改正。各社のダイヤ改正関連のリリースが相次いで発表される中、JR東海からは、かつての名車、117系の定期運用終了のリリースが流れた。昨年3月の119系の引退に続く、国鉄形車両の定期運用終了の知らせ。調べてみると、既に2012年12月より、運用が更に少なくなり、新快速運用は消滅。快速運用も半分に。休日ダイヤに関しては、名古屋駅にも乗り入れてこなくなったとか。

119系の次は117系。これは解っていた事だ。せめて最後に117系の定期列車をもう一度撮りたい。117系らしく、快速列車を撮ろうとすれば、平日に限られてしまう。しかし、平日だとチャンスは朝しかない。一方、休日ダイヤでは、運用は大垣~米原間に限られてしまうが、日中2往復運転される。そう言えば、伊吹山をバックに117系は撮っていなかったっけ。よって、撮影は休日ダイヤに決定。あとは、どうやって行くかだが、日帰りで経費節減で行けるとなると、良い方法は・・・「そうだ、こだまに乗ろう。」

JR東海では、毎年、1月1日のみ使用出来る「新春こだま&ワイドビューフリーきっぷ」を発売している。東海道新幹線を含むJR東海全線が1月1日のみ乗り放題。ただし、東海道新幹線は、「こだま」のみ(名古屋~新大阪間のみ「ひかり」も利用可)の乗車となるが、それでも13,000円で、グリーン車用で15,000円で往復できるのは魅力的だ。2005年の元日以来、8年ぶりに、この切符を利用する事にした。しかも、今回は奮発してグリーン車用だ。

当日、東京6時56分発の「こだま633号」に乗る為に、5時30分頃、自宅を出発。高田馬場から東京メトロ東西線に乗り、大手町駅より東京駅へ。6時30分頃、東京駅に到着し、みどりの窓口へ行くと、「こだま633号」のグリーン車に三角マークが。実は、この切符を12月30日に購入した時、「こだま633号」のグリーン車は満席と言われていたのだった。急いで窓口で発券してもらう。何と出来てたチケットは、8号車でしかもD席。これは山側ではないか。有り難い。

ホームで朝食用のお弁当を購入し、いざ車内へ。700系のグリーン車は、これが二度目の乗車となるが、流石はグリーン車。座席もゆったりしている。シートを倒し、くつろぐ事に。車番から、JR東海所有の700系だとばかり思っていたのだが、走り出すと、「いい日旅立ち」が流れ、JR西日本へ譲渡された車両だと言う事に気付く。何だか、信じていた人にカミングアウトをされたような心境であった。

列車は、多摩川を渡り、神奈川県へ。遠くに見える富士山がとても綺麗だ。これは新富士付近の車窓にも期待がかかる。実際、新富士の手前では、こんな感じで富士山を見る事が出来た。

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新富士駅手前で富士山を撮影。

本当に雲一つないいお天気で、美しい富士山を、グリーン車から味わう事が出来た。

その後、早朝出発だった事から眠くなり、うとうととし始めるが、何故か浜松手前でしっかりと目が覚める。ここでは、旧浜松機関区跡地に留置されている解体待ちの車両を車内から見る事が目的なのだが、車窓から確認できたのは・・・

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旧浜松機関区跡地に留置中の117系。

2012年12月の運用縮小以降、年内に4編成が運用を離脱し、西浜松(旧浜松機関区跡地)へ送り込まれていたらしく、新幹線の車内からも117系の姿が目立つようになっていた。なお、119系の解体も進んでいるが、この時点でも、まだ数両、確認する事が出来た。

西浜松の状態を確認した後、再びうとうととして気付けば三河安城。そろそろ降りる仕度をして、名古屋駅で下車。ここから東海道本線へ乗り換える事に。

名古屋からは、10時00分発の新快速大垣行きに乗り込む。早速、乗り場の6番線へと向かうが、接近放送が、耳触りのよいメロディーへと変わっていた。もともと、名古屋駅の列車接近放送は、発車ベルを使っており、あの騒々しい発車ベルが入線時にも流れると言う、落ち着かない感じだったのだが、それがまた、名古屋駅らしさでもあった。

新快速は、313系の0番台と300番台を足した6両編成。6両固定編成の5000番台車がデビューしてからは、この組み合わせによる新快速は少なくなったと思ったのだが、この時は、特に気にもせず、最後部車両であるクモハ313-2に乗車したが、これが後に幸運(大袈裟)を呼ぶ事になる。

列車は順調に進み、およそ30分で大垣に到着。ここで始発の米原行きに乗り換え・・・と思っていたところ、なんと乗車していた新快速が、大垣到着後、切り離し作業を経て、後ろ4両がそのまま米原行きになると言う。名古屋から最後尾車両に乗車していた私にとっては、とてもラッキーな出来事。大垣では乗り換えずに、そのまま進む事が出来るのは有り難かった。そして、大垣から、更に約25分。最初の目的地である近江長岡駅に到着した。

近江長岡駅。駅名が示す通り、ここは滋賀県。既に米原市に入っている。駅前には、地元で見慣れたライオンズカラーのタクシーが停まっており、親しみを感じた。そう。ここは滋賀県だから、近江タクシーが乗り入れているのだ。見慣れたカラーのタクシーを横目に、「お立ち台通信」で取り上げられていた、近江長岡~醒ヶ井間の撮影ポイントへと向かう。駅から歩く事およそ12分。それらしき場所を見つけ、三脚を構えてみる。でも、ちょっと何かが違う。そう思った時、背後から上り列車がやって来た。

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313系8両編成による大垣行き3210F。

大垣~米原間の普通列車は、一時期、313系の2両編成なんて事もあったので、運用の都合とは言え、8両編成の列車が来ると言う事に、やや違和感を感じてしまう。この列車、後ろに連なる2両編成は、フルカラーLED車なので、どうやら5300番台車(Z編成)のようだ。Z編成は、確か3編成しか無かった筈で、そのうち2編成は、2012年中に増備されたものである。

撮影した画像を見て、どうやら、ここでは無いらしいと感じ、移動しようとした瞬間、下り列車もやって来た。

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311系による米原行き3211F。

1989年、金山総合駅開業に合わせてデビューした311系。初代新快速用車両も、今や、すっかり各駅停車の運用が目立つようになってしまった。211系5000番台車をベースに作られているので、どこか国鉄の匂いを感じてしまう。

311系の米原行きが過ぎ去った後、少し醒ヶ井方へ移動してみる事に。先程のポイントから200メートル程、醒ヶ井方に移動した農道からカメラを構える事にした。持参したパソコンでネット上の作例を見てみると、本来であれば、更に醒ヶ井方へ進んだ所が撮影地のようだが、これから狙う117系も4両編成である事。更に、伊吹山の山頂付近に雲が掛かっている事から、手前での撮影を選択した。改めて三脚にカメラをセットして待っていると、こんな列車がやって来た。

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富山からの特急「しらさぎ6号」

JR西日本所有の683系による富山からの特急列車「しらさぎ」。30分おきに運転される普通列車が中心のこの区間では、時折通過する、この特急「しらさぎ」がスター的存在とも言える。バックに見える伊吹山も山頂付近の雲が消えて、良い感じになって来た。

117系による米原行きの通過まで、残り約10分。この調子で雲が切れてくれれば・・・と、祈るような気持ちで伊吹山を眺めていたのだが・・・

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313系4両編成による大垣行き3212F。

もうちょっとで117系が来ると言うタイミングになって、また山頂付近に雲が出てきてしまった。そして・・・

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117系S7編成による米原行き3213F。

この日、大垣~米原間で普通列車の運用に就いていた117系は、S7編成だった。

あと10分早く117系が来てくれれば、もっといい条件だったのだが、相手が自然となれば、これは仕方がない。まあ、伊吹山をバックに117系が走っている事は解るし、これはこれで良かったと思う。

この撮影を以て、近江長岡~醒ヶ井間の撮影ポイントでの撮影は終了とした。結局、この場所では、地元の鉄ちゃんらしき方、お一人とお会いしただけ。この撮影ポイントは、車で入れない事から、あまり人気がないようだ。

この後、近江長岡駅から一駅、柏原へ移動し、有名撮影ポイントへ。後編に続く。

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