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引退間近 秩父鉄道1000系1003Fを追う その1

春は出会いと別れの季節。ダイヤ改正を機に長野新幹線にデビューしたE7系。そして、定期列車としての運転を終了する「あけぼの」など、今年も各地で出会いと別れがあった。

旧国鉄101系を譲り受け活躍してきた秩父鉄道1000系も、この春の別れの一つ。今年、正月の時点では2編成にまで減少していたが、2月に1編成が引退し、ついに最後の1編成が細々と走り続けていると言う状況になってしまったが、その車両も、いよいよ3月23日を以て運転を終了。パンタグラフを下ろす事になった。引退を前に、3月8日からは、ヘッドマークを掲出し、更に列車を特定して運用に就く事が、秩父鉄道のホームページでも発表された。

最後まで残った車両は、オレンジの1003F。その姿は、かつて五日市線の折り返し運転に就いていた、中央快速線の101系付属編成を彷彿とさせる。個人的に、五日市線の101系には思い入れがあって、国鉄色に塗られた編成の中でも、1003Fはお気に入りだった。それだけに、出来るだけ、自分のカメラに記録を残しておこう。自分のスケジュールと体が許す限り、今月は秩父鉄道沿線に通う事にした。

3月9日、私は秩父鉄道沿線へと出かけた。この日の運用は、熊谷~羽生間が中心で、普段撮影している秩父周辺には、あまりやって来ない。そこで、今まで殆ど撮影していなかった羽生付近から撮影を始めよう。武蔵野線と東武伊勢崎線を乗り継ぎ羽生へ。窓口でフリーきっぷを購入すると、1000系引退記念企画での駅限定デザインで、羽生駅版は、オレンジ色の1003Fだった。まさに、この日の撮影にはピッタリのデザインである。早速、ホームへ向かうと、都営地下鉄からやって来た5000系が到着。この列車で一駅、お隣の西羽生へと向かう事に。

西羽生、初めて降りる駅だ。昭和56年9月開業と、秩父鉄道では比較的新しい駅で、島式ホームを片面にしたようなホームに橋上駅舎と言う組み合わせの駅である。駅を下りて熊谷方向に5分ほど進んだ所にある踏切付近が撮影地となる。既に先客の姿があるが、キャパが広い事もあり、後から入っても充分撮影出来た。先行の7500系で練習を重ね、1003Fを待つ事に。

10時32分頃、1003Fの羽生行きがやって来た。

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西羽生付近を行く1003F。

熊谷始発の羽生行きとしてやってきた1003F。直前にやって来たステンレス車体の7500系では解らなかったが、この時間帯、正面には陽が回らないらしい。この付近で上り列車を順光で撮ろうとすると、8時頃がベストのようだ。

撮影後、すぐに西羽生駅へと戻る。およそ10分後に折り返してくる1003Fに乗って移動する為である。まずは乗車前に、入線シーンを撮ろうと、ホームの先端へと向かう。

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西羽生駅に進入する1003Fの三峰口行き。

思った以上に障害物が多く苦戦したが、どうにか撮影する事が出来た。

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到着後、ドアが開くまでの一瞬の間にもう一度撮影。こちら側は順光。

撮影後、急いで、最後部車両のクハ1203の車内に乗り込む。羽生から西羽生まで乗車した列車は、とても空いていたが、この列車は、地元のお客さんの他、1000系に別れを告げる為に訪れた鉄道ファンの姿も多く(自分もその一人)、車内は満員とまではいかないにしても、そこそこの乗車率であった。その後、私は先頭車両へ移動し、モーター音を楽しむ事に。この辺りは、駅間も長く、更に直線区間が長く続く事から、旧国鉄101系独特の甲高いモーター音もたっぷり楽しむ事が出来た。

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デハ1003の車内。消費税増税に伴う運賃改定のお知らせが掲出されているが、この車両は4月1日を迎えずに引退してしまう。

私は、高崎線で撮影したい列車があったので、この列車を明戸駅まで乗車したところで下車。この駅で、熊谷方面へ折り返す事にした。

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明戸駅から7801Fに乗車し熊谷へ戻る事に。

明戸駅で待つ事およそ10分少々。入れ替わりにやって来た上り羽生行きは、1000系置き換え用に投入が進んでいる2両編成の7800系で、しかもトップナンバー編成。更にヘッドマーク掲出と言う姿での登場に、思わずカメラを向けてしまった。

先程の1003Fの三峰口行きとは対照的に、7800系の羽生行き車内はガラガラ。この車両、平日は影森~三峰口間の折り返し運転に投入されているので、いずれは休日も影森で系統分割して、影森を境に3両編成と2両編成を使い分けるのだろうと思っていたのだが、この羽生行きに関しては、2両編成でも充分に足りてしまうくらいの乗車率だった事もあり、2両編成の列車が秩父鉄道全線で運用されているのも納得出来た。

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広瀬川原車両基地には、先に引退した1010Fが解体待ちの状態で留置されていた。

熊谷まで戻る途中、広瀬川原車両基地付近を通過する際に、構内に留置されていた1010Fを撮影してみた。先程、1003Fの車内から見て気になっていたのだが、この編成は、一足早く2月23日に実施される予定だったお別れイベントを以て引退となる予定だったが、秩父地方を襲った大雪の影響で、イベントも中止となり、ひっそりと廃車となってしまっていた。方向幕の最後を示す「おわり」を表示した状態で停められている姿が、何とも寂しく感じられた。

11位45分、熊谷駅に到着。高崎線へ転戦する前に、昼食を摂る事にしたのだが、その前に熊谷駅の留置線が見渡せる駐車場へ。

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熊谷駅の留置線にいた7803F。

留置線には、3本目の7800系、7803Fがパンタグラフを上昇した状態で留置されていた。長津田で改造を終えた秩父鉄道向け譲渡車、以前のように甲種輸送ではなく、トレーラーによる陸送で秩父鉄道入りするようになってしまった為、入線予定が雑誌に載る事もなく、7800系の入線スケジュールも全く把握できていない状態だった。それだけに、この熊谷駅で、7803Fを見かけた時は、正直驚いてしまった。まだ足回りもピカピカだったから、営業入りしてから1ヶ月以内と言った感じではないかと思うが果たして真相は・・・

高崎線でお目当ての列車を撮り終えた後、再び秩父鉄道へ。三峰口から戻ってくる1003Fを撮影する為、午後も順光で撮影出来る、波久礼へと移動する。三峰口~熊谷間で、午後の上り列車を順光で撮れる場所は少なく、波久礼駅に集まるファンも多い事から他の場所にする事も考えたが、時間的な事、そして順光で撮れると言う点で、やはり波久礼を選んでしまった。到着したのは、1003Fが来るおよそ10分前。既にベストポジションは埋まっており、どこで撮るかギリギリまで悩んだが、1003Fの通過2分前に、ようやく場所を決めて撮影に臨んだ。

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波久礼駅を発車。

最後尾車両に、中継信号機がやや掛かってしまっているが、通過10分前に現地入りと言う条件から言えば、充分過ぎる出来。やはり、ここへ来て良かった。

1003Fは、この後も、暫くの間、羽生~熊谷間を往復する事になっていたが、久々の早朝からの外出。再び羽生方面に行く気力が無くなってしまった事もあり、波久礼と和銅黒谷で撮影をした後、西武秩父線経由で帰宅した。

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