「TOMOの鉄日誌10周年記念号」運転報告 前編
では、ここで順番を入れ替えまして、11月8日に運転いたしました、弊ブログ10周年記念企画の貸切列車「TOMOの鉄日誌10周年記念号」の報告をしたいと思います。
まず、本題に入る前に、この企画の経緯をご説明したいと思います。
2004年9月6日より開設しました弊ブログは、お陰様で、今年9月6日、10周年を迎える事が出来ました。この節目を記念して、何かイベントをやりたい。そう思い始めたのは、今年の春頃の事でした。私が以前より見ている某サイトさんが、2年前に開設10周年を記念して、貸切列車を運転したのを見て、うちのブログでも、10周年記念で貸切列車を走らせてみよう。そう思ったのでありました。では、どこで貸切列車を走らせるか。当初、候補として検討していたのは、全く違う路線でした。しかし、その候補を捨てて、上信電鉄で走らせたい。そう思ったのは、今年の6月1日に、上信電鉄の高崎車庫で開催された、赤電撮影会に参加した事からでした。かつて、西武新宿線で良く利用した、旧401系・701系・801系に再会。記念すべき貸切列車を走らせるのであれば、やはり、西武鉄道で慣れ親しんだ車両にしたい。そう考えるようになったのです。
では、どの車両を借りるか。上信電鉄には、西武鉄道から譲り受けた車両が10両あります。その内訳は、150形が6両、500形が4両です。このうち、150形は、3編成存在しますが、種車の関係から1編成ずつタイプが異なります。このうち、151Fは、6月の赤電撮影会でも使われたし・・・と思った矢先、この車両の姿が頭の中に浮かびました。
「TOMOの鉄日誌10周年記念号」の使用車両として選んだ150形153F。
群馬サファリパークの広告電車になっている150形の153F。この車両は、西武鉄道の旧801系を改造した車両です。801系は、701系の改良型として登場した形式で、1968年に登場。4両編成5本が作られました。西武鉄道で廃車後、一部の車両が、上信電鉄・総武流山電鉄(現:流鉄)・近江鉄道へ譲渡されましたが、このうち、近江鉄道へは、部品取り用として譲渡されたため、実際に営業車両として使用される事はありませんでしたが、上信電鉄と総武流山電鉄では、2両または3両に短縮された上で活躍しました。
総武流山電鉄(現:流鉄)へ譲渡された元801系の「流馬」(上)と「青空」(下)。「流馬」は2007年に、「青空」は2012年に引退している。
しかし、デビューから40年以上が経過し、譲渡先でも老朽化が深刻となり、総武流山電鉄(流鉄)へ譲渡された2編成は、2012年までに引退。現存する旧801系は、上信電鉄の153Fのみとなってしまいました。その上信電鉄でも、富岡市のホームページ内に掲載された上信線再生基本方針によると、車齢40年以上の車両を、中古車両購入により置き換える計画とのことで、153Fも近い将来、置き換えられる事が予想できる事から、今回、10周年記念号として、この車両を貸切る事を決意。8月30日の朝、上信電鉄さんに電話をかけて交渉を開始し、153Fと、撮影会用に155Fを押える事にしました。
11月8日。貸切列車運転当日。私は、大宮から新幹線で高崎へ。この日は、まさかまさかの西武鉄道横瀬車両基地のイベント、更にはJR東日本豊田車両センターの公開とも重なっており、まさに体が3つは欲しいと言う日。とりあえず、所沢で、本川越発西武秩父行き「ちちぶ99号」を撮ってから、秋津経由で大宮へ。大宮から長野新幹線に乗り込み、高崎に着いたのは9時55分。高崎駅に進入する際、新幹線の車内から、上信電鉄の車庫を見ると、見事に153Fと155Fが並んでいる姿に思わず感激。実は、8月30日以降、上信電鉄の担当者さんと、何度も打ち合わせはしているものの、お互いのスケジュールが合わず、打ち合わせは、メールと電話のみだったことから、当日、実際に現物を見るまで不安もあったが、この不安は一気に解消された。
新幹線を降りて、早足で上信電鉄本社へ。10時02分頃、本社に到着。前日から前乗りしていたメンバー、更には上信電鉄の担当者さんに挨拶をした後、早速、イベント列車の準備に入る。
今回、この貸切列車の運転に際しては、これまでに何度も貸切列車を企画されている、ひがしむらやま551//の管理人さんであるKUSUさんに、色々と相談に乗ってもらっており、KUSUさんが企画する貸切列車のスタッフの皆さんにご協力をいただきました。私が受付の準備をしている間に、KUSUさんのお仲間の皆さんが、手際良く153Fに装飾を施していき、あっという間に準備完了。貸切列車の企画自体が初めての私には、とても真似出来ない事だらけです。お手伝いいただいた皆さんには、本当に感謝です。
11時05分、予定より5分遅れて撮影会開始。
デキ・153F・155Fの並び。
貸切列車に使用する153Fの他、西武鉄道の元701系を改造した155F。そして、上信電鉄のマスコット的存在であるデキを並べての撮影会。ここまで来ると、旧401系を譲り受けた151Fも並べたいところですが、残念ながら入場中と言う事で、それは叶いませんでした。ちなみに、153Fの「団体」幕は、2012年10月、西武鉄道の新101系を使用して運転した「くめがわ電車図書館チャリティー団臨」で使用したものをお借りしました。そして、赤の小さい「準急」札は、かつて西武鉄道で使用されていたもので、当日参加された方の私物です。
八高線全線開通80周年特別カラーのキハ110が横を通過。
撮影会の最中、八高線全線開通80周年を記念し、かつて同線で活躍していたキハ38に施されていたカラーを纏ったキハ110系が通過。弊ブログの10周年イベントに華を添えてくれました。
そして、この後・・・
10周年記念種別札を持って記念撮影。(撮影:横山正典氏)
当初は予定していませんでしたが、参加者の皆様から、この記念種別札を持って153Fの前に立つようにとのリクエストがあり、急きょ、記念撮影タイムとなりました。弊ブログを御覧の皆様には、お見苦しい顔をお見せして申し訳ございません。10年に一度の珍事だと思って、お許しいただければ幸いです。
で、私が手にしている「祝 10周年」と書かれた種別札も、実はKUSUさんのお仲間に作っていただいたもの。これ、とても良く出来ていまして、反対側は、「快速急行」と書かれています。つまり、車内から見ると、801系の快速急行に乗っているようにも見える優れ物です。
参加者全員で記念撮影。
そして、このままの流れで、参加者全員で記念撮影であります。横瀬と豊田でイベントが開催されている中、私のために、これだけの人達が集まってくれました。皆様、本当にありがとうございます。
クモハ153の乗務員室扉に納められた西武時代の種別札
集合写真を撮影した後、クモハ153の乗務員室内を覗くと、乗務員室の扉には、西武時代の種別札が納められていました。これは、参加者の私物ですが、昔は、種別札をこうやって収納していて、子供の頃、折り返しは何になるんだろうと、乗務員さんが種別札を手にするのを、ワクワクしながら眺めていたものです。
撮影会は、およそ1時間20分の予定で、方向幕をぐるぐる回すと言うような予定もなかった事から、時間は余るだろうと思っていましたが、皆さん、思い思いに撮影を楽しんでいらっしゃって、1時間20分はあっという間でした。時間が余れば、休憩室として開放していただく予定だった会議室でお弁当を食べようかとも思っていましたが、誰一人として、会議室で食事をしたと言う人はいませんでした。撮影タイムは2時間でも良かったかも。
この後、153Fの出庫準備に入ります。
クモハ154に掲出された「送込回送」札。
高崎方の先頭車であるクモハ154には、「送込回送」の札が掲出されました。これも、KUSUさんが企画する貸切列車では、おなじみの札。今回も、車庫から出庫し、高崎駅0番ホームに入線するまでの間、掲出されました。
クモハ153側には「臨時」札も。
一方、下仁田側のクモハ153には、「祝10周年」の記念種別札の他に、「臨時」札も掲出。上信電鉄では、臨時列車に、御覧のような「臨時」札を掲出して運転しているようで、思ったよりも賑やかになりました。
この後、私も飲み物等の買い出しの為、車庫からいったん離脱。後編に続きます。
| 固定リンク | 0
「鉄道」カテゴリの記事
- 西武多摩湖線 2000系による代走発生(2025.05.13)
- 西武2000系 2419F+2047Fが多摩湖線直通急行に充当される(2025.05.11)
- 西武10000系 「音鉄」ツアー列車を撮影する(2025.05.10)
- ゴールデンウィークも継続 西武8000系乗務員訓練(2025.05.06)
- 西武8000系 8103F新宿線での試運転(乗務員訓練)を撮影する(2025.04.27)
「鉄道:上信」カテゴリの記事
- 上信電鉄線 烏川橋梁を訪ねる(2025.04.12)
- 上信電鉄 西武イエローになった500形501Fを撮影する(2024.07.28)
- 上信電鉄 150形153Fが解体される(2021.07.14)
- 上信電鉄150形153Fが引退(2019.11.03)
- 上信電鉄 150形151Fが解体搬出される(2019.07.15)
コメント
TOMOさん、お世話になりました。また、写真もうまくダウンロードできたようで何よりです。
もう少しストレージには保管しておきますので、他にほしい方がいらっしゃればお渡しくださいな。
投稿: 横山正典 | 2014/11/14 22:29
横山正典さん、この度は大変お世話になりました。ありがとうございました。
車内でのお写真をお撮り頂いたおかげで、記事を作成する際にはとても助かりました。ありがとうございました。
次回は、いつ、このような企画ができるかは解りませんが、また機会がありましたら、どうぞ宜しくお願いします。
投稿: TOMO | 2014/12/09 12:12