電気検測試験車クモヤ443系 湖西線を検測する
では、引き続き、2014年12月16日のお話です。
3007Fが近江鉄道に到着したこの日、私は3007F以外にもう一つ、撮りたい車両があった。その車両は443系電車。JR西日本が所有する電気検測試験車である。
443系電車は、1975年、国鉄が製造した、電気検測用の交直両用電車で、架線を検測するクモハ443形と、信号検測を行うクモヤ442形がペアを組む2両編成。2編成が近畿車両で製造れ、JR発足後は、JR東日本とJR西日本に1編成ずつ承継されたが、JR東日本所属車は、2003年、E491系「East i-E」に置き換えられ廃車となり、現存するのは、JR西日本所属車の1編成のみとなっている。
デビューから今年で40年。JR西日本には、次世代の検測車両として、軌道と信号系統を検測するキヤ141系気動車を、2006年に2編成製造している。
JR西日本が2006年に導入した、キヤ141系。
電化・非電化を問わずに走行できるよう、気動車で製造されたが、この車両に架線検測用車両を挿入する事で、クモヤ443系を置き換える計画は、キヤ141系デビュー当初からあるようで、事業用車両好きの私は、ぜひ一度、このクモヤ443系を撮影したいと思っていた。しかし、私が関西に遠征するタイミングと、クモヤ443系の検測スケジュールが合わず、これまで一度も撮影できなかったのだが、12月15日の夜、彦根のホテルに着いてから、スマートフォンで、ぴたのり鉄道ダイヤ情報を見ていたところ、クモヤ443系が、向日町操車場~敦賀間を、湖西線経由で検測するという情報を発見。どうにか撮影できないものかと検討した結果、3007Fが京都方面へ向かっている間に撮影できると解り、今回の撮影スケジュールに加える事にした。
午前9時10分過ぎ、彦根駅を通過する3007Fの甲種輸送を撮影した後、いよいよ念願のクモヤ443系の撮影に移る。まずは、彦根駅で再会した、twitterのフォロワーさんと、作戦会議を始める。クモヤ443系は湖西線経由での運転の為、当初は、このまま山科まで行くことも考えたが、彦根からであれば、逆に北上して、湖西線と北陸本線の合流地点である近江塩津に向かう方が良いのではと言う結論に達した。そこで、フォロワーさんの車に便乗し、いざ近江塩津へ。車が北へ進むにつれて、だんだんと雪景色に。
およそ1時間後、近江塩津駅に到着。完全に雪景色である。駅構内に入場し、撮影準備を始める。そして、11時35分、時刻通りに、クモヤ443系が近江塩津駅にやって来た。
近江塩津駅を通過する電気検測試験車、クモヤ443系。
湖西線の下り本線を行く、クモヤ443系。湖西線の下り本線にはホームが無く、通過前提の構造となっている為、先行の特急列車と同様、そこそこのスピードで通過して行った。
後追い。
振り向いて後追いも撮影する。長編成なら、振り向いても余裕が有るが、2両編成となると、時間的な余裕が少なく、タイミングが難しかった。
こうして、以前から撮りたかったクモヤ443系を、無事に撮り終える事が出来た。撮影後、再び彦根へと戻り、3007Fの入替作業を撮影した。
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