では、8月9日午後のお話です。
北海道新幹線の開業日が2016年3月26日と決まり、新幹線開業に向けたカウントダウンが加速して行くが、その裏側で、消えていくのが寝台特急。上野と札幌を結ぶ、寝台特急「北斗星」は、既に今年3月のダイヤ改正で定期列車としての役目を終了。改正後は、臨時列車として、細々と運転を続けていたが、臨時列車としての運転も、8月22日札幌発の列車を以て終了と言う事になった。これまで、「北斗星」は、何度か撮影してきてはいるものの、いざ無くなるとなると、最後に、もう1回ぐらい撮影しておきたいと言う気持ちになる。
そこで、8月9日の午後、「北斗星」をもう一度撮影しようと、出かける事にした。大宮から宇都宮線(東北本線)の普通列車に乗り込み、4駅目の白岡で下車。駅から新白岡寄りに15分ほど歩いたところにある陸橋へと向かった。
白岡到着時に、スマートフォンでSwarmと言うチェックインのアプリを使い、白岡駅でチェックインすると、なんと4年ぶりとのこと。調べてみると、2011年9月3日に、東北本線開業120周年を記念して運転された団体臨時列車「やまびこ」を撮影した時以来の訪問となったようである。2011年9月3日、あの悪夢の転倒事故の6日前の出来事だったのか・・・
16時頃、白岡陸橋に到着。陸橋上には、既に10人ほどの鉄道ファンが集まっている。しかし、陸橋の前には鉄塔が立ちはだかる。編成の長い「北斗星」を、ここから撮るとなると、鉄塔から線路までの間で撮るのがベストと言う事になるのだが、線路の真上になる部分には、飛び込み防止で金網フェンスが有り、これが撮影の邪魔となる為、金網フェンスが無い部分での撮影が望ましくなるが、その僅かな部分は既に先客で埋まっていた。歩道との分離帯に上がると言うのも一瞬考えたが、撮影時に万が一足を踏み外して、歩道あるいは車道側に倒れ込んで、通行の妨げになるのは不味い。
ここで、私は一つの決断をする事に。それは、金網フェンス越しの撮影。これまでに、金網フェンス越しの撮影は、何度もやった事が有る。構え方次第では、金網フェンスをかわす事は可能。白岡陸橋の金網フェンスも、充分にかわせるレベルだった。幸いにも、「北斗星」通過までは約1時間、時間が有る。その間、色々と調整して、この場所で撮れば、充分に金網フェンスをかわせると言う場所を見つけた。一方、鉄塔前と金網フェンスとの間の僅かな場所には、本番直前になって、更に人が増えてひな壇状態に。緊迫した雰囲気となっており、金網フェンス越しを選択して良かったと思った。
さあ、いよいよ「北斗星」の通過時刻となった。私は、カメラを、金網フェンスがかわせる場所でしっかり固定。あとは、迫ってきたところでシャッターを押せばいいだけの状態にしておいた。列車の姿が確認できたその時、一匹のセミが襲来。その音にビックリして、カメラの位置をずらしてしまった。もう列車はすぐそこまで来ている。もうどうにでもなれと言う心境でシャッターを切った。
北の大地を目指して、東北本線を走る寝台特急「北斗星」
この日、「北斗星」を牽引したのは、EF510-515号機。後ろに連なる24系客車のカラーに合わせた青い機関車だ。金網フェンス越しに撮影した事で、金縁のヘッドマークが掲出されている事も解るように撮影する事が出来た。最後尾車両まで、しっかりと入っており、概ね上手くいったのだが、良く見ると、背後のマンション付近、靄がかかったような感じになってしまった。あの通過直前にやって来たセミにより、金網フェンスが上手くかわせていなかった。ただ、この程度なら許容範囲かな?
何者かによって、金網フェンスがこじ開けられている。
ちなみに、この陸橋の金網フェンスには、御覧のように、何者かが撮影用にこじ開けた部分が有った。ここからカメラを構えれば、綺麗に撮る事は出来る。しかし、この穴からカメラを構えると、何か罪悪感を感じてしまい、ここからは撮らなかった。私が到着した時点で、既にこのような穴が有り、私がこじ開けた訳ではないのだが、考え過ぎだろうか。
撮影後、のんびり白岡駅へと戻り、宇都宮線で大宮へ。更に、大宮から「むさしの号」に乗って帰宅した。
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