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長野地区ローカル輸送の新しい主役 211系

115系とクモユニ143の撮影の為に、長野県の諏訪地方を訪れた7月25日。この日、最もお世話になった車両は、長野色の211系だった。

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長野県内のローカル輸送の主役となった、長野総合車両センター所属の211系。

長野総合車両センターに所属する211系は、東海道本線・高崎線などへのE233系投入によりねん出された車両を転用したもので、2013年より営業運転を開始。これまで、長野地区のローカル輸送に君臨してきた115系に合わせて、3両編成と6両編成の2種類が用意された。3両編成は、1000番台と3000番台車。6両編成は、0番台車と2000番台車が有り、国鉄時代からJR初頭にかけて、関東地区に投入された4種類の211系が、全て長野に集結した事になり、今、長野総合車両センターは、JR東日本の211系博物館と言っても過言ではない状態となっている。

今回、下諏訪カーブで115系を待っている間にも、211系を3編成撮影した。まず、現地に到着して、すぐに撮影したのが、この記事の冒頭でご紹介したN308編成である。この車両は、元高崎車両センターのC12編成(グリーン車組み込み編成)の一部で、クハ210-3016の貫通扉上には、高崎車両センター(旧新前橋電車区)生え抜き車両に良く見られた、幌受けのような白い金具が付いている。

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N313編成。

続いてやって来たのは、N313編成。この車両も、元高崎車両センター車で、高崎時代は5両編成でA24編成を名乗っていた。転用に際して、中間のサハ2両を外して廃車にしている。

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N606編成。

6両固定編成のN606編成。この車両は、元田町車両センター所属車で、セミクロスシートの0番台車だけで構成された6両編成。中央東線の長距離普通列車中心の運用に就いている。転用に際して、寒冷地での使用に備えて、半自動ドアスイッチの整備などの改造が行われており、元々は東海道本線用の暖地向け車両として作られたが、今は、寒冷地仕様の1000番台・3000番台と、ほぼ同じ仕様となった。なお、東海道本線からの転用組としては、他にロングシート車の2000番台車もあるが、外観上は同じスタイルである。

そして、この撮影地から撤退した後、下諏訪から岡谷まで、一駅間ではあるがN339編成に乗車した。この時は、乗り換え時間が短かった為、撮影は出来なかったが、その後、偶然にも塩尻駅で同編成と遭遇したので撮影してみた。

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塩尻駅に停車中のN339編成。

N339編成は、元幕張車両センターのマリ509編成で、房総地区からの転用車両。転用に際して、幕張時代に装備していた、クモハ211の霜取りパンタは撤去されている。

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N339編成、クモハ211-3045の霜取りパンタ跡。

房総地区よりも寒さが厳しい長野地区での使用に際して、霜取りパンタが撤去されると言うのは、ちょっと不思議な気もするが、房総地区で霜取りパンタを装備していたN331編成~N339編成は、全て霜取りパンタを撤去しており、このように霜取りパンタの跡が残されている。

ちなみに、このN339編成、塩尻駅で目撃した時は、中央西線の中津川行きだった。元々、長野車両センターに所属していた115系の運用範囲は広範囲にわたっており、時には、JR東海エリアへも足を延ばす。中央西線は中津川まで、飯田線は飯田まで乗り入れる事になる。

更に、以前は、信越本線の長野~直江津間、しなの鉄道の篠ノ井~小諸間でも、長野総合車両センターの115系の運用が存在したが、北陸新幹線開業に伴う第三セクター化等の影響もあり、211系への置き換え時には、運用範囲から外された。しかし、その代わりとして、新たに豊田車両センターの115系の運用も、長野総合車両センターの211系が担当する事になった。

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長年、中央東線の普通列車に活躍してきた豊田車両センターの115系は、長野総合車両センターの211系への運用移管と言う形で置き換えられた。
(上)大月駅での3本並び。(2014年11月29日撮影)
(下)引退を記念して運転された団臨で富士急線にも乗り入れ。(2015年1月17日撮影)

その結果、長野総合車両センター所属の211系のうち、3両編成は、中央東線の立川までと富士急行線が、新たな運用区間として加わった。

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6両固定編成だけでなく、3両編成の211系も、2編成併結の6両編成で、多摩川を渡り、立川まで乗り入れてくる事になった。(2015年7月18日撮影)

この運用移管は、2014年12月6日より実施されている。当初、元豊田115系の運用分には、セミクロスシート車の1000番台車(N317編成~N327編成)を充てていたようだが、最近では、6両固定編成のロングシート車(2000番台車)の立川乗り入れが始まったせいか、3両編成もロングシート車が立川まで入るようになってきた。逆に、セミクロスシート車の1000番台車による、飯田・中津川乗り入れもあるのかどうか気になる。

長野地区ローカル輸送の新たな主役となった211系。個人的には、長野色の帯も、良く似合っていると思う。ロングシート車が増えてしまった事で、ガッカリされている方も多いかとは思うが、ロングシート車も空いていれば、大きな窓から景色も見えて、充分に楽しめると思う。同じ3000番台車でも、正面の行先表示が幕式かLEDか、霜取りパンタ跡の有無など、バリエーションも多くなるので、じっくり撮影するのも楽しいかもしれない。

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