縁の下の力持ち 吾妻線の霜取り運用に就くクモヤ145
今回の年末年始は、12月27日からお休みとなりましたので、何箇所か遠征する事が出来ました。少しずつ記事に反映していきたいと思いますが、まずは2016年最初の鉄活動のお話から書いていきたいと思います。
2016年1月1日のお話。
近郊型電車好きな私にとって、2015年は115系スカ色車両の営業終了と言う、一つの節目を迎えた年であった。かつて、あれほどまでに走っていた115系も、JR東日本管内からは一気に減少。残りは、高崎支社管内と新潟支社管内のみとなってしまった。そのうち、新潟支社管内は、新型車両E129系の投入が進み減少傾向。残る高崎支社も、最近では、3両編成や4両編成に組み換えられた211系が、高崎や新前橋などに疎開して留置している姿が目撃され始めている。高崎支社管内の115系や107系も、そろそろ何らかの動きが出てきそうだと思い、2016年の撮り始めは、高崎支社管内の115系と107系と決めた。
当日朝、私は、1回分だけ残された青春18きっぷを片手に、朝5時に家を出発する。えらく早い時間と思われるかもしれない。実は、115系と107系以外に、もう一つ目的があった。それは、高崎車両センターに所属する事業用車両、クモヤ145の撮影である。
クモヤ145は、1980年から製造が開始された事業用車両。主電動機や電動発動機、台車などを、当時、廃車が始まっていた101系通勤型電車からねん出し、同時期に新製されたクモヤ143形ど同レベルの車体を新製し、組み合わせたもの。1987年の国鉄民営化後は、JR東日本・東海・西日本に引き継がれたが、既に、東海は全車両が廃車となっており、東日本も、E231系や233系等、次世代車両の投入により、編成単位での入場が主流となった事から、事業用車両の必要性が無くなり、高崎車両センターに所属するクモヤ145-107を除き、全て廃車となってしまった。
東日本管内にたった1両だけ残されたクモヤ145。今の時期、このクモヤ145に与えられた任務は、吾妻線の架線の霜取り列車。この時期、架線に付着した雪や氷を、そのまま放置しておくと、パンタグラフが破損する恐れが有り、それを防ぐために、集電用とは別のパンタグラフを増設した車両を初電に走らせたり、あるいは専用列車を増発し、初電の前に走らせるなどの対応をしている。吾妻線の場合は、クモヤ145を、初電の前に走らせて対応しているので、この霜取り列車が、クモヤ145を撮影できる数少ないチャンスとなる。幸いなことに、一仕事を終えたクモヤ145が、8時前に新前橋に戻ってくる事は把握していた。ただ、元日に運転する事は確認できなかった。
まあ、撮れたらラッキーと言う考えで、霜取り列車の到着時刻に合わせて新前橋へ。3番線で待機していると、7時52分、2番線に、列車接近放送が入った。3番線に停車した107系の背後に、青い車体を発見。入線してきたクモヤ145を撮影した。
吾妻線での任務を終え、新前橋へ戻って来たクモヤ145。
一仕事を終えて、新前橋へ戻って来たクモヤ145。3番線には、同じく新前橋止まりとして到着した107系が停車しており、一瞬ではあるが、107系とクモヤ145が並んでくれた。
この直後、3番線に停車していた107系が、クモヤ145に先行する形で、高崎車両センターへ入庫するため走り去って行った。これで、2番線に停車中のクモヤ145が撮り放題となる。
改めて撮影開始。
では、早速撮影を・・・と思っていたところ、運転士さんがホームに出てきて、開けっ放しになっていたタイフォンカバーを閉めてくれた。おそらく、私が3番線側から撮影していた事に気づいて閉めてくれたのだろう。ありがとうございます。
入庫に備えて、水上側運転台のヘッドライトが点いた。
この後、高崎車両センターへの入庫シーンを撮ろうと思い、ホーム上を水上方先端方向へ進み待機する。そして7時58分頃の事、車両センターへ向けて、クモヤ145がゆっくりと動き出した。
入庫の為、新前橋駅2番線を発車するクモヤ145。
いったん水上方へ引き上げるクモヤ145。
高崎車両センターへ入庫するため、いったん水上方へ引き上げたクモヤ145。引き上げ線に入ってからおよそ3分後、クモヤ145がゆっくりと動き出し、車両センターへと進んで行った。
ゆっくりと車両センター内へ進んで行くクモヤ145。
こうして、2016年の撮り始めとして、JR東日本管内最後のクモヤ145となった、クモヤ145-107を撮影する事が出来た。欲を言えば、本線走行シーンが一番だが、駅撮りではあるが、しっかり形式写真は撮れたので、個人的には満足する事が出来た。
そして、夕方、再び新前橋駅を通りかかると・・・
お座敷電車「宴」の前に現れたクモヤ145-107
クモヤ145-107が、お座敷電車「宴」と顔を合わせるように留置していた。ホーム上からも充分に撮影できる場所に停まっていてくれたので、朝に続いて、もう一度カメラを向けてみた。もう大大大満足。良いお正月を迎える事が出来た。
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