銀のEF510もJR貨物へ JR東日本からEF510消滅
北海道新幹線の開業に伴い、ついに、上野から札幌まで直通する寝台特急が消滅した。
最後まで残った寝台特急は「カシオペア」だった。JR東日本は、2009年より、「北斗星」と「カシオペア」を中心に活躍していたEF81の代替として、JR貨物で実績のあったEF510をベースに、旅客列車牽引に対応する機器を追加した、EF510の500番台を、15両新製。そのうち、509号機と510号機は、「カシオペア」用のE26系客車に合わせた銀色のカラーで登場している。
JR東日本がEF81の代替として新製した、EF510の500番台車。2011年のJRおおみや鉄道フェアでは、「カシオペア」色の510号機と、「北斗星」色の501号機が並んで展示された。
しかし、北海道新幹線の開業に向けて、青函トンネルの新幹線対応工事が始まった頃から、まずは「北斗星」から本数が減らされていった。また、常磐線の貨物列車へのEH500投入に伴い、EF510にも余剰が出始め、徐々に、JR貨物へと移籍して行く事に。最後まで残った「カシオペア」色の509号機と510号機も、本日、3月31日に、住み慣れた田端機関区から、新天地となる富山へ向けて旅立って行った。「カシオペア」は、新幹線開業後も、クルーズトレインとして残る事から、「カシオペア」色の2両については、残ると思っていただけに、509号機と510号機が富山に向かったと言う話を、Twiterで目にした時は、最初、自分の目を疑ってしまった。
2010年6月から、約6年間、JR東日本の寝台列車の牽引に従事して来たEF510の500番台車。しかし、私自身、EF510の500番台車を撮影した回数は、それ程多くない。おそらく、デビュー直後の撮影時に、精神的なショックを受けた事がトラウマになっていたのかもしれない。
EF510が牽引する「カシオペア」を、最後に撮影したのは、今年の2月21日。実は、この日も、最初は「カシオペア」を撮るつもりなど、全く無かった。しかし、大宮駅で、別のものを撮影していると、この直後に「カシオペア」が来る事を知り、急きょ、撮影する事になった。
大宮駅9番線に進入する、EF510-510号機牽引の「カシオペア」。(2016年2月21日撮影)
「カシオペア」の存在に気付いたのが、到着5分前と言う事もあり、11番線のホーム上には、大勢の撮り鉄さんが待機していた。それだけに、まともな撮影は出来ないだろうと判断。取り合えず、撮ってみるかと言う気持ちで撮ったのだが、結局は、これが銀のEF510の売却前、最後の撮影となってしまった。
一路、札幌へ向かう「カシオペア」(2016年2月21日撮影)
今思うと、この時、このタイミングで大宮駅11番線にいた事は、とてもラッキーだった。もし、私が、この時間帯に大宮駅にいなければ、おそらく、撮影しないで最終日を迎えていた事と思う。デビュー直後のトラウマが無ければ、もっと撮っていたのかな。時々、そんな事を考える事もある。
新天地へ向けて旅立ったEF510-509、510の2両は、現在、高崎機関区にいると言う。これまでに、富山に向けて旅立った仲間たちと同じように、数日後には、富山に向かう事になるものと思われる。JR貨物入りした後は、青い機関車が星のマークを外したように、カシオペアの装飾が外され、銀色一色で走る事になるのだろうか。JR貨物に移ってから、どんな姿になるのか、色々と考えてしまった。
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