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菜の花満開! 小湊鐡道を訪ねる その2

さて、菜の花畑から養老渓谷駅へ戻った私は、次の下り列車に乗って、終点の上総中野に向かう事にした。

養老渓谷~上総中野間は、平日6往復、土曜・休日5往復しか列車がない。それだけに、ここを乗りつぶすには、計画的に動かなくてはならない。

養老渓谷13時35分発の上総中野行きは、2両編成だった。混雑の影響なのか、途中駅を5分遅れで運転中とのこと。しかし、遅れは更に増して、実際に養老渓谷に到着した時点で、遅れは更に増しており、8分ほど遅れていた。養老渓谷駅の駅員さんの誘導により、上総中野から、いすみ鉄道に乗り換える人は先頭車両に乗るようにとのことだったので、乗り換えない私は、後ろの車両に乗車した。

山間部を走る事7分。終点の上総中野に到着。

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上総中野駅に到着したキハ200形。

養老渓谷駅を発車する前に降り出した雨が、本降りになってしまったが、短い折り返し時間を利用して、撮影を開始する。まずは、いすみ鉄道との乗換えの通路上から、到着したキハ200を撮影してみた。

続いて、いすみ鉄道のホームへ移動。今度は、いすみ鉄道の車両とのツーショットを狙う事に。

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いすみ鉄道のいすみ350形と並んだ小湊鐡道キハ200。

待機していた、いすみ鉄道の大原行き普通列車は、いすみ350形といすみ300形との2両編成。国鉄キハ20形気動車のデザインを継承したいすみ350形は、小湊鐡道のキハ200と並ぶと、なんだか兄弟のような感じにも見えて、実に良い感じ。最近、いすみ鉄道に投入された最新鋭のキハ20形は、いすみ350形を国鉄気動車標準色にして、更にキハ20に近づけた車両。この車両と、小湊鐡道のキハ200との並びも、いつか見てみたい。

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一方のいすみ300形は、まさに21世紀のデザイン。

いすみ鉄道の車両とのツーショットを撮り終えた後は、再び小湊鐡道のキハ200形の車内へ。遅れて到着した事もあり、私が車内に戻ると、30秒ほどで上総中野駅を発車した。車内は、座席がすべて埋まっており、立っていたが、養老渓谷駅到着時に座る事が出来た。しかし、養老渓谷駅からは、大勢の行楽客が乗車し、2両編成の気動車は満員に。

時刻は14時を過ぎたばかり。まだ時間も早いので、どこかで途中下車をしてみよう。思い付いたのが、上総鶴舞駅だった。

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上総鶴舞駅で途中下車。

上総鶴舞駅は、1998年に無人駅となったが、同年、第二回「関東の駅百選」にも選ばれた。駅の周辺は緩いカーブになっており、古びた駅舎と合わせて、とても良い感じの駅であるが、この駅は、2002年、フジテレビで放送された竹内裕子主演のドラマ「ランチの女王」を皮切りに、数々のドラマやテレビCMのロケ地として使われており、見覚えのある方も多い筈。2014年には、水谷豊主演の人気刑事ドラマ「相棒」でも、この駅を大黒鉄道「白鳥駅」として撮影が行われており、この時は、駅事務室を待合室に直した上でロケが行われたため、かなり大がかりな撮影となったらしい。

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事務室内には、古いテレビが残されていた。

一昔前のテレビが残された駅事務室。こう言う光景を見ると、まさに時代が30年前に戻ったような感覚になった。

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上総鶴舞駅に進入する上総中野行き普通列車。

上総鶴舞駅では、50分ほど過ごした後、今度は下り列車に乗り込み、高滝駅へと移動する。やって来た上総中野行き普通列車は、折り返し時の行楽客の乗車を考慮し、3両編成での運転だった。ホームから入線シーンを撮影した後、真ん中の車両に乗車する。流石に、この時間の下り列車はガラガラだった。

列車は、およそ6分で高滝駅に到着する。この駅は、今回、私が小湊鐡道を訪れるきっかけともなった、小湊鐡道沿線在住のFacebookのお友達から、事前に、高滝駅の写真を送ってくださった事によるもので、菜の花の他、駅構内の桜の木が咲き始めていた事から、ここで上りの「里山トロッコ」を撮影する事にした。駅前の細い道を、五井方向に少々進んだところで待機。咲き始めた桜と、菜の花と共に「里山トロッコ」を撮ろうと待機する。

およそ8分後、「里山トロッコ」が見えてきたので、カメラを構えると、なんと「里山トロッコ」は、高滝駅に停車してしまった。本来は通過駅である高滝駅。乗務員があわてた様子で列車から線路内に下りて、何か走っていくのが見えた。何かトラブルでも有ったのだろうか。心配になったが、とりあえず見守る事に。5分ぐらいして、運転士が戻って来た。どうやらトラブルも解決したようで、その後、運転再開となった。

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高滝駅を発車する「里山トロッコ6号」

咲き始めた桜をバックに、高滝駅を発車する「里山トロッコ6号」上総牛久行き。あと数日遅ければ、桜も見頃を迎えていただろう。

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後追い。機関車のテールランプで、客車側が先頭である事が解る。

時刻は16時を過ぎた。そろそろ、東京へ戻る事に。と言っても、次の上り列車まで、まだ40分以上ある。その前に、下り列車が有るので、駅の周辺で撮影できるところは無いかと、周辺を散策するが、結局は、駅のホーム上からの撮影に落ち着いた。

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高滝駅に進入する養老渓谷行き普通列車。

16時45分、養老渓谷行き普通列車が高滝駅に到着する。菜の花を少しでも多く入れようと、しゃがんで撮影してみたが、何か微妙な仕上がりになってしまった。そして、この列車が、お隣の里見駅で、これから乗車する五井行きと交換となる。

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五井行きは3両編成。

養老渓谷行きと入れ替わりに、高滝駅に到着した五井行きは、3両編成。先程、上総鶴舞駅から乗車した上総中野行きの折り返し列車である。

撮影後、車内へ。座席はほぼ埋まっていて、立客もいたが、列車が3両編成と言う事もあり、車内はゆったりした感じ。乗客の皆さんも、お疲れの様子で、寝ている方も多かった。そんな寝ている人の隣は、荷物が置いてあったりして、これ、退かせば座れるよなあ・・・なんて思いながら、吊革につかまって立つ。それでも、列車が上総牛久駅まで来ると、座る事が出来た。座席に座ったら、心地よい揺れもあり、私もすっかり熟睡モードに。気が付けば、昔懐かしい車内オルゴールとともに、終着、五井到着を告げる車内放送が入った。

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五井駅到着後、切り離された1両は入庫。

列車は五井駅に到着し、乗客を降ろすと、先頭の1両が切り離された。そして、そのまま、入れ替えで五井機関区へ入庫となったが、残った2両は、折り返し上総牛久行きに。最後に、JRのホーム上から、上総牛久行きとして待機している2両を撮影して、小湊鐡道の旅を終えることにした。

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残り2両は、そのまま上総牛久行きに。

初めて訪れた小湊鐡道。始発駅の五井は、東京駅から約一時間。それほど遠くない距離なのに、一歩、小湊鐡道に入ると、時代が一気に昭和に戻ったような、どこか懐かしさを感じさせる、とても良い路線でした。なんで、今まで乗ったことなかったんだろう。そう思ったほどです。

訪れたのが、菜の花のシーズンと言う事もあり、列車は、鉄道ファンよりも、行楽客の方が多いと言った感じ。確かに、途中までマイカーでやってきて、駐車場のある上総牛久などから鉄道を利用すると言う方も多いようですが、これだけ多くの人が、小湊鐡道を訪れていると言う光景を目にすると、一鉄道ファンとしてとても嬉しくなりました。しかし、その一方で、座席を一人で二人分以上使っている人、走行中の車内で子供を走らせても平気な親等、あまりマナーの宜しくない乗客の姿も目立ちました。また、菜の花畑等の撮影地でも、線路内を歩く人、走行中の列車に向かってフラッシュを使用して撮影する人等、やはり、マナーの悪い人の姿が目立ちました。

皆さん、ちょっと考えてみてください。皆さんのお家に、とても大切なお客様が来ることになりました。その時、皆さんは、どうやってお客様を迎えられますでしょうか。おそらく、最高のおもてなしをして、お客様をお迎えすることになるかと思います。今回訪れた、小湊鐡道やいすみ鉄道、また、その沿線の業者さん、ボランティアさんも、菜の花を見に来るお客様を、最高のおもてなしでお迎えしていると思います。列車は、お客様に少しでも快適な車内を提供しようと、通常の車両運用をうまくやり繰りして増結をして対応する。始発の五井駅では、お客様に満足してもらおうと、業者さんが、美味しいお弁当やお惣菜を用意してお出迎えする。また、途中駅では、イベントを開催し、地元の方が用意した焼き芋などを、停車時間中に車内で販売する。石神の菜の花畑も、地元の皆さんが管理され、美しい菜の花を見てもらいたい。これも、おもてなしだと思います。

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石神の菜の花畑の中で「里山トロッコ号」を撮影する人達。線路の近くで撮っている人をよく見ると、スマートフォンやタブレットで撮影されている人も。

今回、撮影に訪れた石神の菜の花畑、よく見ると、残念ながら、菜の花が折られているものもありました。また、いすみ鉄道と小湊鐡道が接続する、上総中野駅では、両鉄道会社の車両の並びを撮ろうとして、ホームから線路内におりて撮影している人もいました。その人たちを、いすみ鉄道の乗務員が注意すると言う場面も目撃しました。かなりきつい口調で怒っていましたので、おそらく、こう言うお客さんが残念ながら多いのでしょう。最後に訪れた高滝駅では、フラッシュを使用して撮影した人を、車掌が捕まえて注意すると言う場面も見ました。更に、小湊鐡道の車掌からは、車内放送にて「撮影を嫌がる一般のお客様への配慮」を訴えていると言う場面にも遭遇しました。

ここで再び、皆さんのお家に置き換えて考えてみてください。最高のおもてなしをしてお出迎えしたお客様が、土足で我が家に入り込んだり、庭にある植木や盆栽を勝手に折ってしまったり、小さなお子さんが、勝手に屋根に上ったり、そんなことをご自分がされたら、どんなに大切なお客様でも、注意すると思います。また、皆さんのお家の前で、常にカメラを向けて撮影しようとしている人がいたら、嫌ですよね。

上総中野駅で、小さな子供に対して注意をしていた乗務員を見て、「子供に対して、あんなにきつく怒ることないじゃないか!」と思われた方もいたかもしれません。でも、それは、皆さんのご自宅の屋根やベランダに、子供が勝手に入り込んで、その子供が落ちそうになっていたら注意するのと同じことなんです。また、「ホーム上や線路沿いに柵が無いんだから、線路内に入っても良いんだ」なんて思っている人も、残念ながらいらっしゃるかもしれません。でも、線路内に入ってはいけないのは、皆さん、よく解っている事ですよね。新宿駅がダメなら、上総中野駅だってダメなんです。

先日、真岡鉄道の公式Facebookで、北真岡駅付近の桜と菜の花が綺麗な撮影ポイントで、菜の花が折られていたことで、もうマナーの悪い撮り鉄さんは来ないでほしいと言う書き込みがあり、話題になりました。確かに、撮り鉄と呼ばれる人たちが悪いのかもしれませんが、昔から撮り鉄をやってきた人の多くは、マナーを守って撮影されています。それよりも、どちらかと言えば、「にわかファン」に該当する人や、普段はあまり鉄道を利用しない行楽客の方が、マナーが悪いように感じられました。今回、この記事をご覧になって、小湊鐡道に行ってみたいと、少しでも思った方がいらっしゃいましたら、最高のおもてなしで皆様をお迎えする鉄道会社や地元の業者さん、ボランティアさんの事を、今一度思い出していただき、マナーを守って、鉄道の旅を楽しんでください。今回の小湊鐡道訪問では、私自身も、反省しなくてはいけない点が多々あるかなと思いました。これから先、撮影地へ行っても、その土地で生活している人のことを、まず考え、マナーを守り、鉄道趣味を楽しみたいと考えています。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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