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菜の花満開! 小湊鐡道を訪ねる その1

4月3日のお話です。

千葉県市原市の五井駅から、夷隅郡大多喜町の上総中野駅までを結ぶローカル私鉄、小湊鐡道。首都圏近郊でありながら、これまで、私は一度も、この路線には乗った事が無かった。しかし、今年1月、とあるイベントで、小湊鐡道沿線の方と知り合い、色々とお話を聞き、是非乗ってみたいと思うようになった。小湊鐡道と言えば、上総中野で接続する、いすみ鉄道と合わせて、春は菜の花で有名な路線。乗りに行くなら、菜の花の綺麗な時期に行こう。1月のイベントで知り合った方と、菜の花の開花状況等を連絡しあい、4月最初の日曜日、3日に、小湊鐡道沿線を訪ねる事になった。

当日、私は、自宅を6時30分頃出発。途中、国分寺経由で新宿へ。新宿駅から、内房線の館山行き特急「新宿さざなみ」に乗り込み、小湊鐡道の始発駅、五井へと向かった。

8時53分、五井駅に到着。ここから、いよいよ小湊鐡道線に入っていく。五井駅から乗車するのは、9時25分発の上総中野行き。乗り継ぎ時間は約30分もある。まずは、養老渓谷駅から15分ほど歩いた所にある、石神の菜の花畑に行く予定にしていた。初めて行く場所で、養老渓谷駅周辺で昼食を摂る事が出来るか、よく解らなかった事もあり、早めに五井駅へ行って、駅周辺でお弁当を入手しようと企んでいた。しかし、実際に五井駅に降り立ってみると、小湊鐡道のホームへ向かう跨線橋内では、行楽シーズンと言う事もあって、お弁当等の販売が行われており、1日乗車券と共に、お弁当も無事入手する事が出来た。中には、魚の煮付け等、お惣菜も販売されていて、どれも美味しそう。これから乗り歩きじゃないければ、もっと沢山買って帰りたいくらいだった。

お弁当を入手し、1日乗車券に改札印を押してもらってホームに向かう。すると、五井駅に隣接した五井機関区から、3両編成の気動車が出庫してくるのが見えた。駅員さんの放送によると、9時25分発の上総中野行きは、3両編成で運転されると言う事で、どうやら、この車両が充当されるようだ。早速、入替シーンを撮影する事にした。

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五井機関区から出庫して来たキハ200形。多客対応で、3両編成に増結されている。

出庫して来たのは、手前からキハ206+キハ212+キハ208の3両編成。小湊鐡道の主力車両であるキハ200形は、国鉄キハ20系気動車をベースに設計された気動車で、1961年から1977年まで、14両が製造された。製造時期により、ドアや側面窓の形状に違いが見られる。

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ホームから見える位置に木造貨車が・・・

3両のキハ200が、五井駅構内の千葉方に引き上げた後、ホーム上から見えた木造貨車を撮影してみる。後日調べてみると、この貨車は、トム1と言うそうで、なんと大正生まれで、小湊鐡道の開業準備時から使われていたとか。2011年ごろから、この場所に置かれたままのようである。

今回は、連絡改札を使って、そのまま乗り換えてしまった為、五井駅の外へ出る事は無かった事から気付かなかったが、五井駅に隣接した機関区には、他にも古い貨車が残されているようで、これは、次回訪問時以降の課題にしなくては・・・

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ホーム上から五井機関区を眺める。

機関区を眺めていると、4番ホームに、先程出庫して来た3両のキハ200が入線してきた。そして、その直後、お隣の3番ホームには、上総牛久からの五井行きが到着。こちらは、キハ200のトップナンバー、キハ201の単行で、到着後、機関区へ入庫となる。先程出庫して来た3両のキハ200と同じく、いったん、五井駅構内を千葉方に引き上げた後、機関区へと入っていく。

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機関区へ入庫するトップナンバー車、キハ201。

キハ201の入庫シーンをカメラに収めた後、車内へ。3両編成の先頭であるキハ206に空席を見つけて腰を下ろす。この時点で、発車まで約5分ほどあるが、千葉方面からの普通列車の到着に合わせて、車内の空席がどんどん埋まっていく。キハ200の入替シーンも撮れたし、早めに来て正解だった。

9時25分、上総中野行きが五井駅を発車する。車内は立ち客も多く盛況。早速、車掌から車内放送が入るが、その直前には、かつて、国鉄の列車で良く耳にしたオルゴールが流れて来た。そして、足元からは、昔懐かしいDMH17系エンジンの音。まさに雰囲気は、一昔前の国鉄の列車。これで車内の座席がロングシートじゃ無ければ、まさに国鉄のキハ20そのもの。でも、このロングシートの座り心地も、かつて八高線で乗ったキハ30みたいで、私自身は満足。

列車は、順調に進んで行くが、無人駅も多く、車内精算で車掌が忙しそうに車内を歩き回る。小湊鐡道では、ワンマン運転が行われていない為、単行列車でも車掌が乗務し、無人駅から乗車した乗客へは、車掌が昔ながらの車内補充券を発行して行く。まさに、昔ながらの列車のワンシーンを見ているようだ。そして、徐々に車窓からは菜の花が見えてくる。この時期を選んで来たので、車窓から満開の菜の花が見えてくると、私のテンションも徐々に上がってくる。

五井駅を出ておよそ1時間10分。いよいよ、最初の目的地、養老渓谷駅に到着する。到着前、これから向かう事になる石神の菜の花畑を通過するが、ここで徐行運転のサービス。満開の菜の花の中を列車がゆっくり進んで行く光景は、まさに圧巻だった。

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養老渓谷駅を発車する上総中野行き。

養老渓谷駅に到着した私は、上総中野へ向かった列車の折り返しから撮ろうと思い、急いで石神の菜の花畑へ向かう。スマートフォンの地図を頼りに歩いたが、途中で曲がる道を間違えてしまい、菜の花畑を見渡せる場所に到着したのは、折り返しの五井行き通過の3分前。ギリギリのタイミングだった。

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菜の花畑の中を、ゆっくり走る五井行き普通列車。

「小湊鐡道 菜の花」と言うキーワードで検索すれば、真っ先に出てくる石神の菜の花畑。残念ながら、お天気は曇り空であったが、満開の菜の花は、その天気を補っても余る美しさがあった。

この後、約40分後にやってくる養老渓谷止まりの列車もここで撮るが、その間に、持参した小型の椅子を広げて、五井駅の乗り換え通路で購入した、おにぎり弁当を食べる。満開の菜の花を見ながら食べるおにぎりは、とても美味しかった。

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後続の養老渓谷行きも3両編成に増結。

先程の五井行きとは、場所をやや変えて撮影に臨んだ養老渓谷行き。およそ3分遅れでの運転だったが、この列車も、御覧のように3両編成に増結されていた。

続いて、折り返しの五井行きの撮影に移るが、この列車は、場所を線路を挟んで反対側から撮影してみる事に。踏切を渡って、そのまま遊歩道を進む。一面の菜の花畑を見ながら、列車を撮影できる場所を見つけて待機する。

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折り返し五井行きは先程とは反対側で・・・

11時46分頃、折り返しの五井行きが、菜の花畑を、ゆっくり通過して行った。ちょうど、先程撮影した場所とは、線路を挟んで対面からの撮影となったが、神社の鳥居が、良い味を出してくれた。

そして次の列車は、小湊鐡道期待の観光列車「里山トロッコ号」である。昨年11月にデビューしたものの、運行開始から2日目で車両故障を起こし、そのまま復旧することなく冬季運休期間に突入してしまったが、3月18日より運行を再開していた。

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菜の花畑を通過する「里山トロッコ3号」

コッペル製Cタンク機を模して新製された4号機関車と、4両の客車で構成された「里山トロッコ」号。4号機関車に付けられた汽笛は、かつて、小湊鐡道線で実際に活躍し、現在は五井駅構内に保存されているB10 4号機から移植されているとのことで、見た目は、菜の花畑の中を行くSL列車と言った感じ。しかし、この機関車は、蒸気機関車の形をしたディーゼル機関車。時折聞こえてくるディーゼルエンジンの音で、ディーゼル機関車であることを実感する。このような方式、国内では愛媛県松山市内を走る「坊っちゃん列車」で採用されているが、私自身は、この方式も有りかなと思っている。

この後、養老渓谷で折り返してくる「里山トロッコ4号」を撮影するため、菜の花畑内を移動。五井寄りの踏切付近から撮影してみた。

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上総牛久行き「里山トロッコ4号」

折り返し上総牛久行きの「里山トロッコ」は、機関車ではなく、制御客車のクハ101が先頭となる。客車側で制御できる事で、機回しが出来ない養老渓谷駅でも、折り返す事が出来る。その為、養老渓谷行きとは対照的に、上総牛久行きは、かなり現代的な列車に見える。

「里山トロッコ4号」の撮影を以て、石神の菜の花畑からは撤収。養老渓谷駅へと戻り、再び乗り鉄を開始する事に。

その2へと続きます。

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