5月29日のお話です。
JR東日本横浜支社は、5月28日から29日にかけて開催される、横浜の魅力を創出・発信するためのイベント「横浜セントラルタウンフェスティバルY157」に合わせて、仙台車両センターに所属する485系を使用した記念列車を運行することになった。
485系は、交流電化、直流電化のどちらでも走行可能な特急型電車で、かつては日本各地でその姿を拝むことが出来た。国鉄からJRに移行してからも、JR東日本・西日本・九州に継承されたが、相次ぐ新幹線の開業や後継となる新型特急電車の登場により、活躍の場が狭まれ、今では、JR東日本に残るのみ。更に、最後の国鉄特急色を纏った車両となった、仙台車両センター所属の485系A1・A2編成が、6月18・19日に企画されたラストランイベントを最後に、現役を引退することになっている。今回、Y157記念列車に使用されるのは、現役引退が発表されたA1・A2編成。記念列車運行2日目となる5月29日は、私にとっても馴染みのある、中央快速線や南武線を走行すると言う事で、これは是非とも485系の雄姿を記録しておきたくなった。
そこで、5月29日朝、同列車の撮影に出かけることにした。南武線で思いつくのは府中本町駅。しかし、ここは撮り鉄さんたちが大勢集まるだろうと予想。最近、人の多いところで撮影したくなくなった事もあり、出来るだけ混雑しない場所はないかと考えた末、思いついた場所が国立市役所前だった。以前から、午後の米タンの新たな撮影地として使えないだろうかと思っていたところ。では、今回試してみようと思い、国立市役所を目指した。
地元萩山から、まずは西武多摩湖線で国分寺へ。そこから中央線に乗り換え国立へ。国立市役所は、南武線の矢川~谷保の駅間にある。スマートフォンで調べると、国立駅からバスで向かうのが最速との答えが出ていた。市役所のすぐ近くまで行くバスもあるのだが、時間的に谷保駅経由の府中駅行バスで、谷保駅に向かい、そこから歩くのが早いとのことで、その通りに動いてみた。谷保駅前から線路沿いの道を市役所方向へ。すると、線路沿いには、殆ど撮り鉄さんの姿はなく、もう通過してしまったのではないかと、一瞬、不安に思ってしまったが、市役所近くで、撮り鉄さんを2名発見し、まだ通過していないことを確認しホッとする。そして、市役所の真ん前の歩道で、撮れそうな場所を確保。過ぎ去るE233系で練習して、485系を待つ。
手元の時計で、9時31分、485系の姿を確認。近付いてきところで撮影を開始した。
国立市役所前を行く、仙台車両センター485系によるY157記念列車。
普段はE233系が中心の南武線に現れた珍客。この時、国立市役所付近には、私を含め、撮り鉄さんたちが5名ほどいたが、それ以外に、変わった車両が通過すると聞き、この場に留まった通行人も数名いたが、特に大きな混乱はなく、まったりと撮影できたことは嬉しかった。まあ、線路内にタイガーロープもあるし、逆光気味と言う事もあり、元々、注目されなかった撮影地なのだろう。
この後、Y157記念列車は、立川から中央線に入り、いったん八王子へ向かった後、折り返し新宿へ向かう。そこで、順光となる中央線内の撮影は、西国分寺~国立間の陸橋へ行こうと思い、市役所の裏手からバスで国立駅へ。線路沿いの道をひたすら歩き、撮影地に向かうと、国立市役所前とは対照的に、大勢の撮り鉄さんが待機しており、ここでの撮影は断念。駅方向へ戻り、時々、西武多摩川線の甲種輸送を撮影する階段付近のポイントで待機することにした。ここも、撮り鉄さんはいたが、事前に待機していたのが一人と言う事もあり、後から入れていただくことは楽だった。とは言え、先客の方の邪魔にならないように、フェンス越しの撮影となる。先行するE233系の快速電車でタイミングを計り、本番に備える。そして、手元の時計で10時30分頃の事。485系のY157記念列車がやってきた。
中央線、西国分寺~国立間を行く485系Y157記念列車。
中央快速線を走る485系。そして、イメージ的には順光で・・・と言うはずだったが、撮影後、画面を見ると、後ろ3両が暗い。先行するE233系の快速電車では10両全てに陽が当たっていたのに。どうやら、通過直前に曇ったようだ。それでも、前3両はしっかり陽が当たっているし、普段見られない車両を撮れたのだから、良かったと思う事にした。
国鉄特急色の485系A1・A2編成。ラストランまで、あと10日ほどとなってしまった。ラストランでは、「ひばり」や「つばさ」など、かつての東北特急のヘッドマークも掲出されると言う。最後の雄姿を撮りに行きたいと、スケジュールを調整しているのだが、なかなか思うように行かず、これが最後の撮影となってしまうかもしれない。
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