さよなら 西武2000系2097F 横瀬車両基地へ回送される
9月27日のお話です。
西武鉄道は、今年度、30000系を8両、そして新形式となる通勤車、40000系を20両新製する事を発表している。新車が来れば、その分に見合うだけ、老朽化した車両が廃車となる。今年度、既に30000系8両と、40000系10両の搬入が終了。40000系については、まだ営業運転開始まで時間が有る為、玉突で廃車を出すには、もう少し時間が必要となるが、30000系については、既に営業運転を開始しており、この分については、いつ廃車が出てもおかしくない状況が続いていた。
しかし、昨日、TwitterやFacebookに寄せられた情報によると、1992年の登場以来、24年間、池袋線系統で活躍して来た、新2000系の2097Fが、横瀬車両基地へ回送されてしまったとのこと。この編成の特徴や状況などから、どうやら、この編成が、今年度の廃車第一弾となる可能性が高い。
横瀬車両基地へ回送されてしまった新2000系2097F。(2016年4月24日、仏子駅にて撮影)
2097Fは、1992年、所沢車両工場で製造された。既に6000系も登場しており、新2000系としては、最終増備車となった2055Fに次いで新しい車両。この編成の大きな特徴は、モハ2197+モハ2198のユニットが、三菱電機製のGTO素子によるVVVFインバータ制御となっている事。他の2000系とは、明らかに違う走行音を楽しむ為、この編成に遭遇した時は、モハ2197またはモハ2198に好んで乗車すると言うファンも多かった筈。私もそんな一人。
ある意味、試験車的要素の強い編成だけに、現場での扱いは不評だったのか、他の新2000系8両固定編成で進められている、ベンチレーターの撤去、パンタグラフの削減、LED行先表示器のフルカラーLEDへの交換なども行われず、また、最近の乗車時には、クーラーが古いタイプへ交換されているのを確認する等、廃車を匂わせる動きが見られていた事から、そう長くは無いだろうと思ってはいたものの、いざ横瀬へ送られたと聞くと、なんだか寂しくなる。
このまま8両全てが廃車となると、西武鉄道が平成になってから投入した車両で、初の廃車発生と言う事になる。比較的、経年が浅い事もあるので、一部車両だけでも譲渡されるのか、それとも8両全てが解体されてしまうのか。
次の週末、横瀬に様子を見に行ってみるか・・・
さて、1992年に登場した2097F。24年に亘り、池袋線系統で活躍してきましたが、2010年6月、武蔵丘検修場のイベントに合わせて運転された、西武新宿発検修場行き直通列車に充当された事が有り、新宿線を走行した事がありました。最後に、その時の画像を再度掲載して、この記事を締めたいと思います。
新所沢駅に停車中の2097F。(2010年6月6日撮影)
西武新宿発の臨時列車に充当する為に、前日までに、南入曽車両基地へ送り込まれていた2097F。始発駅となる西武新宿へ送り込む為の回送列車を、新所沢駅で撮影しましたが、この日は、他にも多摩川線の甲種輸送が有り、新101系ワンマン車の送り込みで、置き換えらる低運101系を、八王子駅で撮影した事から、2097Fの新宿線内での撮影は、この新所沢駅のみとなってしまいました。
元加治~飯能間を行く2097Fの臨時列車。(2010年6月6日撮影)
とは言え、御覧のように、貫通扉にはヘッドマークも飾られ、2097Fの在籍24年間の中で、この時が、一番輝いていた瞬間ではないかと思います。
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コメント
はじめまして。いきなり不躾なコメントをお許しください。この一節がどうしても気になったもので。
>新車が来れば、その分に見合うだけ、老朽化した車両が廃車となる。
これは現在の西武社内における〝決まり〟なのでしょうか? 単に最近の〝傾向〟から貴殿が判断されただけなのでは?
投稿: お父さん | 2016/09/28 14:57
お父さん さん、はじめまして。コメントありがとうございます。
新車が入れば・・・の件につきましてですが、仰る通り、過去10年以上に及ぶ傾向から判断した、私個人の見解です。
弊ブログは、2004年9月よりスタートし、今年で13年目に突入しました。宜しければ、西武鉄道関連記事の過去ログのタイトルだけでも追ってもらえばわかると思いますが、過去12年間でも、車両増備があった年は、同時期に廃車も発生しています。これは鉄道各社に共通して言えることですが、最近は少子高齢化などから、どの鉄道会社も、乗客は減少傾向にあります。それは、西武鉄道でも同じことであり、新規路線の開業や大幅な列車増発が無い限り、単純に新型車両だけを増備したと言う事は少なくなっています。私の記憶ですと、西武鉄道の場合、単純に車両数だけが増えたのは、2002年度が最後ではなかったかと思います。
ちなみに、昨年度は30000系を28両新製しましたが、代わりに2000系は30両廃車が発生しています。2000系に関しては、昨年度から置き換えが始まりましたが、新宿線で運用中の旧2000系には、まもなく、登場から40年を迎える車両もありますので、今後も、継続して2000系の淘汰を進めていくものと考えております。
今回は、40000系と言う新形式車両が登場しましたので、40000系新製に伴う廃車は、同車の営業運転開始まで、少しずれこむかもしれませんが、30000系の最終増備車、38118Fは、今年6月に入線し、既に営業運転に就いています。その為、今回の2097Fについては、38118Fが来たことによる置き換えと見ている為、このような表現を取らせていただきました。ご理解いただければ幸いです。
投稿: TOMO | 2016/09/28 17:48
不躾なコメントにも拘わらずご丁寧にお答えいただきありがとうございます。ここ10数年の傾向並びに日本の人口が減少に転じるような環境下で車輛数の〝純増〟は望めないどころか更に10数年後にはローカル私鉄のように減少に転じることもあり得ますね。
「私鉄最長の10両編成運転開始!」「質より量」の時代を知る人間にとっては正に隔世の感です。
一方で冷静に考えると西武沿線は未だ「魅力ある住宅地」として開発余地があり新生西武(再上場後)の勢いからいってかつての東京田園都市線沿線のように爆発的に利用者が増加する潜在性を秘めていると思います。これは全く別の話として直近に考えられる事としては話題の新車40000系の内のロング/クロス両用編成は基本的に平日ラッシュは有楽町線の〝通勤ライナー〟休日は副都心線直通の観光列車に使用されるということで少なくもこの分の車輛については〝純増〟になるのでは? と期待しています。細かい所では新特急車も現行7両から8両に増えそう?なのでこれも期待できます。更に長期的にみると有楽町線豊洲からの分岐線建設なども見逃せません。
最後に最近の西武の車輛政策について疑問に感じている点をいくつか。一番気になるのが車輛の改良、更新の程度が傍から見ていると〝バラバラ〟で一貫していないことです。特に顕著なのが新旧2000系で見苦しいほどです。小田急や京王は見事なほどに一貫しています。せめて6000系の制御器更新ぐらいは一律に実施して欲しいです。
そして今回の2097編成に代表されるように、これまた廃車(確定はしていませんが)の〝順番〟が〝バラバラ〟なことです。1ユニットだけ異端電動車があるなら換装するか6連化(最近の廃車傾向から近い将来4・6連が不足するおことは明らか)すればよいことです。1990年代製造の車輛を廃車にするなんて関西私鉄では考えられないことです。
唯一の〝3扉省エネ車〟である3000系をあっさり全車廃車にして新101系を大規模更新までして残す理由も理解しかねます。
投稿: お父さん | 2016/09/29 15:53
3005F、3007Fのような6連化は期待薄のようで残念です。モハ23××のユニットを抜くのと違い、2097FのVVVFユニットを抜くのは、コストも手間もかかるということでしょうか。
投稿: owlear | 2016/09/29 21:07