米タンを撮る

では、ここで３週間ほど遡りまして、９月１日のお話です。

防災の日。小川駅で防災訓練の様子を観察した後は、西武拝島線の電車に乗り込み、一路拝島へ。

この日は木曜日。毎週、火曜日と木曜日は、米軍横田基地への燃料輸送列車（通称：米タン）が運転される可能性の高い日。となれば、当然の事ながら、米タンは撮影対象となる。

小川駅から乗車した拝島線の電車は、途中駅を１２分ほど遅れて運転していており、冷や冷やしたが、１０時４２分頃、拝島駅に到着すると、構内には、まだ米タンの姿は無かった。とりあえず、改札を出て、駅前の横田１号踏切へ向かう。このところ、火曜日と木曜日が祝日に重なると、米タンを撮ろうとする人が多く見られるようになったが、この日は平日と言う事も有り、横田基地専用線でカメラを構えている人の姿は無く、逆に、米タンそのものが有るのかどうかも不安になる。しかし、横田１号踏切には、列車を見に来たと思われる、一組の親子の姿が有り、希望を持って待つ事にした。

横田１号踏切で待つ事およそ５分。踏切が鳴りだし、前方にＤＥ１０を確認、近付いてきたところで撮影を開始する。

横田基地専用線を行く、米タン返空列車。

この日、横田基地専用線の牽引を担当したのは、ＤＥ１０　１５７６号機。あとで調べてみると、なんと１年前の９月１日も、このＤＥ１０　１５７６号機が、横田基地専用線の牽引を担当していた。まあ、ＤＥ１０自体も、数を減らしているだけに、どうしても同じ顔ぶれが続いてしまうのだろう。

後追い。横田１号踏切で米タンを見送る親子。

振り向いて後追い。走り去る米タンを見送る親子を入れて撮影してみた。

この後、拝島駅へと戻り、いつものように、ホーム上から観察を続ける。まずは、日当たりのよ場所で、貨車を撮影してみる。

タキ１０００－９２８。

米タン用のタキ１０００が登場してから、早いもので、まもなく６年が経過。撮影する度に、ピカピカと言う印象が強かった米タン用のタキ１０００だが、この日の返空列車のタキ１０００は、色褪せた感じの車両で編成が組まれていた。

タキ１０００を撮影した後は、ホームの東京方へ移動する。ちょうど機関車の入替が佳境を迎えていた。

入替時に一瞬ではあるが、このような並びも見られた。

この日、拝島から安善までの牽引を担当するのは、ＥＦ６５　２０９１号機だった。ちょうど、同機が入替をしている際、八高線の下り列車が到着し、御覧のように、一瞬ではあるが、八高線の２０９系、ＤＥ１０　１５７６号機、ＥＦ６５　２０９１号機が並び、このような写真を撮る事が出来た。

この後、連結作業も無事終了し、あとは、出発準備に入った為、私も米タンに先行する為、拝島駅から青梅線の上り電車に乗り移動する。青梅線内、中神と東中神は、被りの危険性が有るので、この両駅以外での撮影となる。確実なのは、西立川駅手前、渡り線付近で待機する事だが、西立川駅で下車し、撮影地まで歩いて移動する時間が無さそう。そこで、そのまま青梅線の電車を立川まで乗り通し、立川から南武線に乗り換え、西府へ行く事にした。途中、立川での乗り換え時間の間に、米タンが立川に到着するが、乗車した南武線の川崎行きの方が先の発車となる為、問題なし。無事に西府まで先行する事が出来た。

そして、西府駅到着からおよそ５分後の事。ＥＦ６５　２０９１号機に牽引された米タンが、西府駅を通過していった。

ＥＦ６５　２０９１号機に牽引され、西府駅を通過する米タン。

通過直前に、立川行きの各駅停車が来たので、一瞬、被りを心配したが、立川行きに被られることなく、無事に撮影する事が出来た。

米タンの撮影は、ここでいったん終了。昼食後、何箇所か回った後、安善から横田基地へ向かう米タンの時間が近付いてきたので、再び拝島へ。すると・・・

拝島に到着した米タンタキに連結されるＤＥ１０。

ちょうど到着した米タンのタキに、横田基地専用線を担当する、ＤＥ１０　１５７６号機の連結作業が行われているところだったので、その模様を、八高線のホームから撮影してみた。

数分後、いったん東京方へ引き上げる。

ＤＥ１０に牽引されて、いったん東京方へ引き上げる米タンを見送った後は、横田基地専用線の沿線へ。夕方、横田基地へ行く便は、これまでにも、何度か撮影していて、主に横田３号踏切へ行く事が多い。今回も横田３号踏切へ行ってみたが、思ったよりも草が伸びていて、ちょっと撮り辛かった。そこで、更に基地方面へと進み、横田基地に程近い、横田６号踏切付近から撮影する事にした。

ＤＥ１０　１５７６号機に牽引され、横田基地へと向かう。

１６時２８分頃のこと。ＤＥ１０　１５７６号機に牽引された米タンがやって来た。まずは、正面から撮影。そして・・・

基地の中へ入っていく・・・

振り向くと、そこは横田基地の入口。米タンは、ゆっくりと、基地の中へと進んで行く。そして、最後尾の車両が基地内に入ると、すぐにゲートが閉じられてしまった。住宅街から手が届く場所ではあるが、ゲートの向こうは米国の施設。この光景を見ると、日本国内ではあるが、国境を連想する人も少なくない筈。私自身、ここを訪れたのは、今回が初めてではないが、そう感じてしまった。

この撮影を以て、９月１日の米タンの撮影を終了として、拝島駅へ。西武拝島線の電車に乗り込み帰宅した。