惜別 烏山線のキハ40
では、引き続き2月26日のお話です。
西武新宿線の南大塚駅で、4000系の「ハッピートレイン号」を撮影した後は、本川越駅へと戻り、徒歩で川越駅へ。そこから川越線で大宮へ。更に東北新幹線に乗り換えて、向かった先は宇都宮。
春は出会いと別れの季節。今年も、3月4日に行われるJRのダイヤ改正を機に、デビューする車両。そして、入れ替わりに去りゆく車両がある。
宇都宮駅から東北本線で2駅。宝積寺駅から分岐し、那須烏山市の烏山までを結ぶ烏山線。非電化路線ではあるが、ダイヤ改正を機に、全列車、蓄電池駆動電車、EV-301系に置き換えられる事になり、30年以上、同線の主力として活躍して来た、キハ40が引退する事になった。これまでに、烏山線には、何度か乗車もし、撮影もした事はあるのだが、首都圏唯一のキハ40を、もう一度撮っておきたくなり、この日、沿線に出向く事にした。
大宮から東北新幹線で約25分。宇都宮駅に到着したのは、12時50分頃の事であった。到着後、駅構内の蕎麦店で昼食を摂った後、宇都宮線の黒磯行きに乗り込んで、烏山線との分岐駅である宝積寺へと向かう。次の烏山線は、宇都宮からの直通だが、今回は、撮影が主体。宝積寺まで先行し、駅から徒歩で移動できる場所で、キハ40を待つ事にした。宝積寺駅から向かったのは、2013年8月、烏山線を撮影したポイント。当時の記憶を思い出しながら歩くこと、およそ20分。撮影地に到着した。
現地到着から、およそ5分後のこと。宇都宮からの烏山行きがやって来た。
宇都宮線(東北本線)から別れ、一路、烏山を目指すキハ40。
林の中から現れたのは、烏山線色のキハ40 1002と一般型気動車標準色風カラーを纏うキハ40 1003の2両編成。時刻表上の列車番号を見ると、1333Mとなっており、本来ならば、1編成だけ先行デビューしている、蓄電池駆動電車EV-301系充当の列車だが、ダイヤ改正に備えて、EV-301系は運用から外れており、キハ40による代走が行われていた。その為、キハ40の撮り納めとして訪れている私には好都合だが、新旧車両の顔合わせを撮る事が出来ないと言うのは、ちょっと残念である。
まずは1本、キハ40を撮り終えた。さあ、次の列車・・・と行きたいところであるが、烏山線の列車本数は少なく、次の列車は、1333Mが大金駅で交換する、上りの宇都宮行き334D。この場所に到達するまで、まだ40分ほど時間がある。そこで、隣駅の下野花岡駅方向へ向けて歩きだす事に。10分ほど歩くと、良いポイントを発見。流石に、この場所は、先程の場所よりも人も多かったが、それでも、キャパは充分にある。この場所で、上りの宇都宮行きを待つ事にした。
一般型気動車標準色風カラー車を先頭に、宇都宮を目指す334D。
この日、334Dに充当されていたのは、一般型気動車標準色風カラーのキハ40 1007と、烏山線色のキハ40 1001の2両。先程の1333Mと、色のパターンは同じ組み合わせであるが、今度は、良好な光線状態で、気動車標準色風のキハ40 1007が先頭の状態で撮れたから良かった。
ここまで来ると、駅は下野花岡駅の方が若干近い。そこで、線路沿いの道を進み、下野花岡駅を目指す事に。あと300メートルほどで、下野花岡駅と言うところまで来た時、小さな踏切から見た光景が、何となく気に入り、この場所で下り列車を撮影する事に。
下野花岡駅に進入する烏山行き335D。
背後からやって来た烏山行き335Dは、先程撮影した宇都宮行き334Dの折り返し。列車の進行方向に見えるホーム一面の駅が下野花岡駅。ローカル線らしい小さな駅に気動車が吸い込まれるような形で向かって行く。そんなシーンを撮ったつもりだったが・・・
この後、下野花岡駅へと向かい、同駅から宝積寺行き1336Mに乗る事に。列車番号からもお分かりの通り、この日、烏山線沿線に来て、最初に撮影した1333Mの折り返し列車だ。と言う事で、宝積寺側は、国鉄気動車標準色風のキハ40 1003が先頭となる。そこで、ホームの烏山方にある駅の出口(階段)から、1336Mの進入シーンを撮る事にした。
下野花岡駅に進入する宝積寺行き1336M。
撮影後、足早にホームの宝積寺方へ移動。先頭車両の前寄りのドアから乗車する。車内は、一般客の他に、乗り納め・撮り納めと思われる鉄道ファンの姿が目立った。私にとって、これが烏山線のキハ40最後の乗車になる可能性が高い。一駅だから立っていても良いかと思ったが、空席を見つけたので、腰を下ろす。
列車はおよそ5分で終点、宝積寺に到着。折り返しは、宝積寺始発の烏山行きとなる。その為、宝積寺駅3番線に24分間停車するが、宝積寺駅には、午後になると、3両編成で運転となる、翌朝の321Dと、折り返しの324D用に、キハ40が1両、宇都宮から回送されており、ここで3両のキハ40が並ぶ事になる。そこで、私も、その光景を撮影する事に。
宝積寺駅で3両のキハ40が揃う。
この日の午後、宇都宮から回送されて来たのは、朱色一色のいわゆる「首都圏色」を纏う、キハ40 1005だった。
国鉄色同士(?)の並び。
ホームの宇都宮方から撮影すると、御覧のように、国鉄気動車標準色風車両と首都圏色の並びと言う事で、国鉄色同士のツーショットが撮れる。しかし、これまでに、何度か弊ブログでも触れているが、キハ40は、新製当時、朱色一色の首都圏色で落成しており、左側の国鉄気動車標準色で落成した車両はない。しかし、元々、国鉄時代に設計された車両と言う事も有り、同じく、このカラーに塗装された、JR東海に在籍していた車両も合わせて、意外と似合っているのではないかと、私は思う。まあ、実際に、キハ40では実在しなかったが、正面のデザインが同じだったキユニ28は、このカラーで落成しているので違和感はない。
留置中のキハ40 1005を撮影。
撮影を終えて、烏山行き1337Mを見送った後、私は、宇都宮行きに乗り換えて、お隣の岡本駅へ移動する。日没まで、既に1時間を切っているが、最後に、架線下を走る烏山線のキハ40を撮りたくて、この駅で下車した。駅から、宝積寺方へ歩くこと、およそ25分。辿り着いたのは、鬼怒川橋梁の手前の開けた場所。畑の中の道路から
撮影する事に。この時間、ちょうど、宇都宮からの339Dと、烏山からの338Dが、岡本~宝積寺間ですれ違う事になっており、5分以内に烏山線の列車が2本撮れる。しかも、339Dは、宇都宮から新たに出庫する運用なので、今まで撮ったことない車両と言う事になる。
17時26分頃、まずは339Dがやって来た。しかし、列車と共に通行人も・・・仕方なく、急いで線路に近付いて撮影に臨んだが・・・
架線下を行く烏山行き339D。
慌てて撮ったせいか、ピンが甘くなってしまった。御覧頂いている画像は、編集ソフトで修正したもの。車番までは判定できなかったが、後ろの車両は、首都圏色を纏っており、この色は2両しかいないため、キハ40 1004であることが特定できる。
339D通過から、およそ1分後。
宇都宮行き338D。
入れ替わりに、烏山からの338Dが通過。339Dと338Dが、この場所を通過したのは、時間にして1分しか差が無い。もしかしたら、ここですれ違うんじゃないか。と、少しだけ期待したのだが、それは叶わなかった。でも、駆け込み乗車などで少しでも遅れたりすれば、すれ違う場所も、微妙に変わる訳だし、日によっては、この場所ですれ違う事も有ったかもしれない。
この撮影を以て、烏山線のキハ40の撮影を終了とした。私は、同行した人と共に、宇都宮へ戻り、名物の餃子を堪能してから帰宅した。
そして、この撮影から、およそ1週間後。JR東日本は、3月4日にダイヤ改正を実施し、この日より、烏山線は全列車、蓄電池駆動電車EV-301系「ACCUM」に置き換えられた。私自身、この「ACCUM」は、未乗車なので、新しくなった烏山線にも、近いうちに訪れてみたい。その時には、ご無沙汰している真岡鐡道も・・・と、構想を練っているのだが、果たして、いつ行く事が出来るだろうか。
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