大井川鐡道 E31形電気機関車 E34が運行開始
10月15日のお話です。
2010年3月、惜しまれながらも現役を引退した西武鉄道E31形電気機関車。引退後、縁があって、E32、33、34の3両が、大井川鐡道へ譲渡された。しかし、大井川鐡道へ入線するも、なかなか運行を開始する事が出来ず、このまま朽ち果ててしまうのではないかとまで心配してしまっていたが、2017年4月30日、幕張メッセで開催された「ニコニコ超会議」内で、2017年度中の整備実施と、運行開始が発表された。
衝撃の発表から3ヶ月。7月には、E34が整備を終えて出場。試運転を重ねた後、10月15日、ついに営業運転開始を記念した列車が運転される事になった。運行開始記念列車は、E34が3両の客車を牽引し、新金谷~千頭間を1往復すると言うもの。西武鉄道時代、電車を牽引した実績は何度もあるが、客車の牽引は、これが初めてとなる。7年の眠りから覚めたE34の晴れ姿は、西武鉄道沿線在住の鉄道ファンとしては、是非見てみたい。現地へ向かう事にした。
当日、私は、朝6時前に出発。西武線で高田馬場へ出て、そこから山手線で品川へ出て、東海道新幹線「ひかり461号」で静岡へ。静岡から東海道本線の普通列車に乗り換え、大井川鐡道の始発駅である金谷に到着したのは、8時49分のことだった。ここで、大井川鐡道本線のフリーきっぷを購入し、9時01分発の千頭行き普通列車に乗り込む。E34の特別列車は、お隣の新金谷発となるが、新金谷を10時00分に発車する為、列車で現地入りする人は、撮る人も乗る人も、金谷9時01分発の千頭行きに乗る事になる。待機していた16000系電車の車内に入ると、見覚えのある顔がちらほらと見受けられた。私は、この列車で家山へと向かう。
9時31分、家山駅に到着。駅前の道路を金谷方向に向かって5分ほど歩いた川原へと向かう。ここから鉄橋を渡る列車を撮影するのだが、生憎の雨模様にも関わらず、多くの撮り鉄さんが集まっていた。ここで、上り列車を撮影しながら、E34を待つ事に。
7年の眠りから目覚めて・・・ついに、E34が大井川鐡道でデビュー。
手元の時計で10時27分頃のこと。E34の運行開始記念列車が鉄橋に差し掛かった。正面には、2010年3月28日、西武鉄道での引退記念イベント時に掲出された、ヘッドマークをモチーフにしたヘッドマークが掲出されていた。後ろに連なる3両の茶色い客車。E31型電気機関車と旧型客車の組み合わせは、正直似合うのか心配だったが、こうして見ると、なかなか似合っている。そして、最後尾の白帯の客車、これは展望車のスイテ82と言う車両だが、この車両は、西武鉄道501系電車のサハ1515を改造したもの。西武鉄道時代、同じ時期を走る事はなかったが、こうして、大井川鐡道で競演する事になるとは・・・
E34の特別列車は、家山駅で30分ほど停車する。その間に、私は徒歩で、家山駅を通り越して、どこか撮れる場所を探そうと考えていた。しかし、この川原で、偶然にも、以前、西武鉄道の赤電関連のオフ会でお会いした方に再会。今は、静岡県内にお住まいとのことで、この日も車で撮影に来ていた事から、お言葉に甘えて同乗させていただき、1駅先、抜里駅付近へ先回り。日本三大茶の一つ、静岡茶の茶畑に囲まれた有名撮影地で、E34の待つ事にした。
家山~抜里間を行く、E34運行開始記念列車。
手元の時計で、11時34分頃、E34運行開始記念列車がやって来た。日本三大茶の一つでもある、狭山茶の産地、所沢で産声を上げたE34が、静岡茶の産地、牧の原台地を行く。偶然ではあるが、お茶が結んだ縁と思いたくなる。
振り向いて展望車も撮影する。
そして、この撮影地では振り向いて、展望車も撮影する。乗客の皆さんも、展望車からの景色を楽しんでいるようだ。
撮影後、ここまでお世話になった方とお別れをして、私は抜里駅へ移動し、後続の普通列車で千頭へ。今度は元南海の21000系だった。列車は、およそ40分かけて、終点の千頭へ。到着すると、隣のホームには、E34の特別列車が停車していた。
千頭駅3番線に停車していた、E34運行開始記念列車。
E34は、この後、記念列車の乗客向け撮影会が行われるとのことで、これから入替が始まるとのこと。私も、入替シーンをホーム上から見学する事にした。
機回しの為、いったん、車止め近くまで進むE34。
客車から切り離されたE34は、いったん車止め付近へ。その後、2番線側に転線され金谷方向へ引き上げ。再び3番線に入線し、待機している客車と連結する。
停車中の客車を、オハフ33側から撮影する。
E34が金谷方に引き上げている間に、客車も撮影して見る。最後部のオハフ33 215に掲出されている「かわね路」のマークが良い感じである。
スイテ82と連結するE34。
暫くして、E34がスイテ82に近付いてきた。冒頭でも触れたように、スイテ82は、元西武鉄道の501系電車のサハ1515。復路は、元西武鉄道の車両同士が連結面で顔を合わせることとなる。
機回しが完了したところで、編成写真を撮影。
この後、美味しいと評判の千頭駅構内にある立ち食い蕎麦屋で昼食を摂った後、上りのE34運行開始記念列車撮影に備えて、千頭駅から徒歩10分ほどのところにある、大井川第四橋梁へと向かう。ちょうど、新金谷からのSL列車が到着するので、まずは、その列車から撮影するため、大井川第四橋梁を見渡せる橋へ。
C10 8号機によるSL急行かわね路号。
この日、かわね路号を牽引してきたのは、C10 8号機。大井川鐡道が所有するSLの中では、最も古い機関車である。後ろに連なる旧型客車は、トーマス号の運転に合わせて塗り替えられた。このカラーの客車も、E31型電気機関車には似合いそうな気がする。
そして、いよいよE34運行開始記念列車を撮影するため、橋を渡って、更に大井川第四橋梁に近付く。ここで、先程、抜里まで送っていただいた方と再会し、一緒に撮影することに。
大井川第四橋梁を通過する、E34運行開始記念列車。
手元の時計で13時40分頃のこと。E34運行開始記念列車が、大井川第四橋梁を通過して行った。この後、私は、千頭駅へと戻り、列車で金谷方面へ向かうが、途中駅で、E34運行開始記念列車を追い越す事はない為、走行写真の撮影は、この第四橋梁で終了。あとは、のんびりと普通列車で戻るだけ。帰りの普通列車は、乗り心地の良い、元近鉄特急の16000系だったので、売店で、缶ビールを購入し、デビューを果たしたE34に乾杯。車窓を眺めながら、ビールを味わった。
そして、15時42分、新金谷駅に到着。E34がどうなったのか気になり、降りてみた。ホームに降り立つと・・・
E32がホキ800を牽引。
なんと、車両区から、ホキ800を牽引したE32が駅のホームから見える位置まで出てきてくれた。これにはビックリ。E32は、まだ整備途中なのだが、記念列車の乗客へ向けたサプライズとして用意されていたようだ。
留置中のいぶき501と一瞬の並び。
この後、改札を出場して、車両区の方へ向かう事に。記念列車の乗客以外でも近付けるギリギリのところまで行ってみると、こんな編成が見えた。
E32+ホキ800+E34。
E31形電気機関車が、ホキ800を挟む。まるで、西武鉄道時代の工臨を見ているかのような編成に感激。最後の最後に、良い物を見させていただきました。
この直後、記念列車の乗客向けの撮影会も終了し、E34は、E32と共に車両区へ入庫していった。
7年の眠りから目覚めて、大井川鐡道の一員としてデビューを果たしたE34。残る2両が、どの段階でデビューするのか。いずれは、西武鉄道時代のように重連で客車を牽引する姿を見てみたい。出来れば、今度はJR北海道から購入した14系を引く姿を見てみたい。そう思っているのは、私だけだろうか。
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